スキルのアップデ-トでエリクサー作れた
初めての投稿です。
誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。
途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。
作品の内容が前後することが多々あると思いますが、大目に見て頂ければ、うれしく存じます。
では、参ります!!
第1章:覚醒のコードと『仕様書の穴(錬金術3)』
「――『システム・エラー。未実装の特級生成関数を検知。……調律師イサナギの固有クラスを強制更新します』」
薄暗い地下の廃棄フォルダ(下水処理セクター)。 赤錆びた水滴が滴るコンクリートの床の上で、私は右肩のプラズマ火傷の激痛に耐えながら、脳内のタイムラインに突如としてフェードインしてきた『金色のシステム・ログ』を凝視していた。
「これは……新しい、スキル……?」
脳内の15コマのグリッドの底、今までロックされていた未踏のディレクトリがパカッと開き、そこに眩い光の文字列がレンダリングされていく。
覚醒スキル【工作・料理:派生】錬金術レベル3(アセット・エミュレート)
基本効果 物質の構成コードを脳内で完全再現し、**『材料消費ゼロ』**で特級治癒アイテム【エリクサー】を新規オブジェクトとして画面に出力(生成)する。マナの消費もゼロ。
バグ仕様A (材料なし)システムの容量を強引に前借りするため、イサナギの**【収納1(買い物カゴ)】の最大容量が『10リットル』一時的に減少する。復元にはリアルタイムで3日間**の待機が必要。
バグ仕様B (材料あり)触媒となるゴミデータ(廃棄アセット)をコンポジットする場合、カゴの減少は『5リットル』に抑えられ、復元時間も1日間に短縮される。
容量保護ルールカゴの空き容量が減少値(10Lまたは5L)より多く余っている場合、中に保管されている既存アセット(アイテム)が消去されることはない。
「材料もマナも使わずに……あの伝説の完全回復薬を作れる!? だけど、その代償が『カゴの物理容量の一時的なクラッシュ(減少)』だなんて……いかにも仕様書の穴を突いたバグスキルらしいや」
私は自分の背中にある、いつもより少し小さくフリーズしている買い物カゴに触れた。幸い、セピア大陸での大冒険を経て、僕のカゴの最大容量は『60リットル(マルチ・ウインドウ)』まで拡張されている。中のアイテムを整理すれば、10リットルや5リットルの容量減少は十分に許容範囲内だ。
「イサナギ……? 脳内のグリッド(表情)が急に明るくなったけど、何か逆転のプロット(アイデア)が見つかったの?」 私の血に染まった衣服を健気に拭き取りながら、レイラがダイヤモンドの瞳を潤ませて顔を覗き込んできた。
「うん! 見つかったよ、レイラ。ノワールを救い出して、プロメテウスの洗脳をデバッグするための、最高の『隠しコマンド』がね!」
私はカゴの底に視線を落とした。幸いにも、この廃棄フォルダにはバージョン1.0の時代のドワーフが捨てた「錆びた鉄屑」や「壊れた魔導パーツ」が山のように転がっている。
(材料はある……! だったら、バグ仕様B(容量5L減少・1日復元)のルートを回して、まずは僕たちのHPとマナを、完全に『出荷状態(100%)』までリコンパイルするんだ!)
「起動――【錬金術レベル3】!!!」
僕は床に転がっていたドワーフの歯車のゴミをカゴの中に放り込み、脳内で【エリクサー】の構成コード(分子配列)を15コマのフレームでエミュレートし始めた。 1コマ目で鉄屑の原子データを初期化し、3コマ目で生命マナの周波数をコピペし、6コマ目で「絶対治癒」の演出効果をレンダリングする。
カチッ。
【システムログ:カゴの容量が『5リットル』ロックされました(復元まであと24時間)。……特級オブジェクト【完全治癒薬】の書き出しに成功しました】
カゴの口からフェードインしてきたのは、オーロラのような七色の輝きを放つ、透き通ったガラスの小瓶だった。大気のマナが一瞬でパチパチと弾けるほどの、圧倒的なデータ密度だ。
「これを……みんなで分けて飲もう!」
僕が小瓶の栓を抜き、まずは自分の右肩の傷口に数滴垂らし、残りをレイラ、シルフィアさん、ドラキュラさんへと回した。
サァァァァァァァァァァァァ……ッッ!!!!!
凄まじいレンダリング速度だった。 私の右肩を蝕んでいたヴァルガのプラズマの残毒コード(エラー粒子)が一瞬で綺麗にクリーンアップ(デバッグ)され、破れた肉体としなやかな皮膚が、数秒のフレームで元通りに復元されていく。それだけではない。空っぽだった私のマナの残量が、まるで高速充電されるように、10%、50%、100%へと一気に跳ね上がった!
「な、なんて凄まじい回復データ(マナ)なの……っ! 身体の芯の冷えが、一瞬でオーバーヒートするくらい熱くなっていくわ!」 レイラが法衣を翻し、蒼海石の杖から溢れる水の輝きを完全復元させる。
「アハハハ! 翼のスタビライザーのノイズが完全に消えたよ! これなら今すぐにでも、あの動力炉へ音速で突っ込めるね!」 シルフィアが翡翠の瞳をギラつかせ、風の翼を力強く羽ばたかせた。
「クク……材料なしで神話級の霊薬を出力するとはな。調律師よ、お前は本当に世界のシステム(仕様書)をオモチャにする天才さ」 欠損していた左半身のポリゴンを完璧に再生させたドラキュラが、漆黒のマントを優しく翻して不敵に笑った。
「よし……! 画面のフレームレートも、通常の『15コマ』に完全リブートした。……でも、みんな、焦って今すぐ突入するのは無しだ。敵のバージョン2.0の基本スペックは、さっきの戦闘で嫌というほど分かった。……ここは一度、じっくりと『リベンジ前の準備と休息(デバッグ会議)』を挟むよ!」
13歳の春。私たちはボロボロの廃棄セクターの片隅で、最高の笑顔を取り戻し、次なる完璧なリテイク(反撃プロット)のための、静かで熱い作戦会議を始めたのだった。
第2章:廃棄フォルダの休息と、第二の突入タイムライン
それからの2日間、私たちは徹底的な「システム補強(準備)」に時間を費やした。 イサナギの【錬金術3】を2回に分けて発動し、廃棄セクターのガラクタを触媒に計3本のエリクサーを追加ビルド(生成)。カゴの容量は一時的に10リットル分ロックされたが、私の【工作レベル4】によって、古いドワーフの合金とシルフィアの風の反射データをコンポジットした『対プラズマ用絶縁スタビライザー(V2)』を全員分開発することに成功した。
「カゴの容量復元まで、あと3、2、1……リブート完了」
3日目の朝、私の背中のカゴがキュイーンと音を立てて元の『60リットル』のフルサイズへと完全復元された。 マナは全員100%。武器の耐久データもMAX。バグ対策の予備パッチ(エリクサー)もカゴの中にバッチリ収納されている。
「お待たせ、みんな。……僕たちの『リベンジの第1コマ』を、今度こそ完璧に書き出し(エクスポート)にいこう!」
「ええ、イサナギ。ノワールを必ず連れ戻しましょう!」 レイラが力強く頷く。
僕たちは再び、最下層の中央動力炉へと続く爆風扉の前に立っていた。 鉄剣を左手で引き抜き、脳内の15コマのキーフレームをパチパチと同期させる。
バガァァァァァァァァァァン!!!!!
扉を蹴り開けると、3日前と全く同じ、純白の液体マナのプールと、そこに囚われた焔の機神プロメテウス、そしてステージの上の四天王ギルティナが画面にフェードインしてきた。
「おや、また湧き出てきたのかい、不要アセットのゴミクズども。3日前の一撃で、自らのデータ容量(命)の限界を知ったと思っていたが……お前たちの学習機能(AI)は、本当にバグだらけだね」 ギルティナが冷酷な軍服の襟を正し、万年筆を私たちの座標へと突きつけた。
「プロメテウス、前回のログ通りに『絶対命中プラズマ』の最大出力を再実行しなさい。今度こそ、その哀れな13歳の子供を跡形もなくイレースするんだ!」
「オオオオオオオオオオオ……ッッッッッ!!!!!」
洗脳されたプロメテウスの両目が白文字のバグコードで染まり、右腕の変形キャノンがガチャガチャと超高速で起動する。 瞬間、時速数百キロの蛍光ブルーのプラズマ熱線が、正確に私の胸の座標を撃ち抜くために射出された。
しかし――。
「同じフレーム(演出)を、二度も僕に通せると思わないでよ。 ――【剣スキル2:中割りの極意】、起動!!」
ドクン! 世界が15コマのスローモーションに分解される。 プラズマ熱線が迫る1コマ目と2コマ目の『中割りの空間』。私は新しくビルドした【対プラズマ用絶縁剣(V2)】の蒼氷のブレードを、その熱線の中心軸へと正確に割り込ませた。
ズバァァァァァァァァァン!!!!!
「なっ……プラズマが、切り裂かれて……相殺されただと……っ!?」 ギルティナが天秤の勲章をジャラジャラと鳴らして目を見開いた。
「シルフィアさん、ドラキュラさん、今だ!!!」
「アハハハ! 待ってましたさ! ――ソニック・アクセル(超音速突撃)!!」 シルフィアが私の作った新しい絶縁スタビライザーを閃かせ、プロメテウスの変形キャノンの砲身へと超音速の爪撃を叩き込んだ。
「ルナ・ディザスター(月引力崩壊)!!」 ドラキュラがプロメテウスの足元に極大の重力場を展開し、彼の白磁の巨体を液体マナのプールへと引きずり落とそうと引き絞る。
「ガ、ア、ア、ア、ア……ッ!? システム……エラー……出力、低下……」 プロメテウスの動きが、僕たちの完璧な連携によってガガガと硬直バグを起こし始める。
(いける……! このままプロメテウスの洗脳コードを叩き切れば、ノワールを救い出せる!)
私が勝利を確信して、プロメテウスの頭部OSの制御パーツへと鉄剣を振り下ろそうとした、その瞬間――。
キィィィィィィィィィィィン!!!!!
動力炉全体の空間が、突如として不気味な『赤紫色のグリッド』によって一瞬で強制フリーズ(一括停止)させられた。
「……ハハハ! 引っかかったね、調律師の雛ども。私の真の役目は『総督補佐』。……前回の戦闘データ(ログ)から、君たちの攻撃パターンがこのタイミングで最適化されることなんて、最初から仕様書に織り込み済み(計算通り)なんだよ!」
ギルティナが万年筆を床の制御パネルへと突き立て、血の滲むような残酷な笑顔を浮かべた。
『――システム緊急命令。動力炉の『自爆プロトコル(コア・オーバーロード)』を強制起動。……このセクターのすべての全オブジェクトを、今すぐ道連れに消滅させなさい』
ドククククククククククククククッッッッッ!!!!!
プロメテウスの胸の炉心が、不気味な赤紫色のバグ光を放ちながら、限界を超えて膨張を始めた。プールの中の純白の液体マナが沸騰し、空間全体のデータ整合性がミリミリと崩壊していく。
「バカな……!? 自爆だと!? 四天王自ら、この要塞都市の心臓部をスクラップにする気か!」 ドラキュラが驚愕に声を震わせる。
「アハハ! ヴァルガ様の世界バージョン2.0は、いくらでもバックアップから復元できるのさ! だけど、君たちのその一回きりの不要データ(命)は、ここで消えれば二度とリブートできないんだよ!」 ギルティナが狂ったように笑う。
(ダメだ……プロメテウスの炉心の暴走エネルギーが、僕たちの許容量を遥かに超えている……! このままじゃ、ノワールを救い出す前に、僕たち全員のグラフィックがこのセクターごと完全に消去されちゃう……っ!)
「みんな……ごめん……! 『もう一度、撤退する』しかない……っ!!!」
私は血を吐くような思いで、リベンジの失敗(プロットの破綻)を認め、叫ばざるを得なかったのだった。
みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?
少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。
励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。
これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
この作品を読んでくださる方がいていただけて、とても、うれしくありがとうございます。




