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少年期編・死闘章『不滅のノイズ・ゴブリンと、2つの連携(エディット)』

初めての投稿です。

誤字脱字が多くなると思いますが、よろしくお願いいたします。

途中で、脱線することもあると思いますが、ゆっくりと見守ってください。

では、参ります!!

新たな旅路


13歳の春。僕たちの旅路に、伝説の地底族ドヴェルグであり強力な地魔法使いのゴルドンが加わったことで、世界の切り取りルートは一気に賑やかさを増していた。


小さな職人の街「エイル」を立ってから数日。街道は徐々に険しい山道へと姿を変え、周囲には【風】と【地】の幻素が荒々しく吹き抜ける険しい渓谷が広がっている。


「いやはや、イサナギのこの『濃縮キューブ』というやつは、何度食っても驚きじゃ。指先ほどの塊を口に放り込むだけで、体内の地マナがじわじわと満ちてくるのがわかるわい!」


ゴルドンが背中の大土鎚グランドハンマーを揺らしながら、豪快に笑う。 僕の【収納1(買い物カゴ・30L)】の片隅に収められた小さな布袋。その中には、【料理レベル3】の技術で極限まで体積を縮小した携帯食がぎっしりと詰まっている。大食漢のゴルドンがどれだけ消費しようとも、中身を「濃縮」しているため、30リットルの容量制限(カゴの余白)を圧迫することは一切ない。


「でも、油断は禁物よ、ゴルドン。この先は魔物の出現率が跳ね上がるエリアだって、マーサさんの地図に書いてあったもの」


レイラが白い法衣の裾を気にしながら、周囲の【くう】の幻素の乱れを警戒するように杖を握り直す。 あの支配者ヴァルガとの死闘を経て、僕の魔法は【15コマ】へと退行してしまったけれど、レイラとの絆の同調シンクロ、そして新しく目覚めた【剣スキル1】の近接戦闘能力によって、僕らは確実に前途多難な旅路を切り拓いていた。


そんな僕たちの前に、その「不測の事態アクシデント」は突如として転がり込んできた。


――ザザッ、ドサリ。


「う……、あ、あな……た達、は……」


前方の茂みから這い出てきたのは、全身を泥と鮮血にまみれさせた、一人の『異形の青年』だった。 僕ら人間よりも細身で、頭部には野生の狼を思わせる、ピンと立った獣の耳としなやかな尾。傷口からは、生命の流動性を司る【水】の幻素が、濁ったマナと共に溢れ出している。


(この特徴……中央都市の周辺に住むという『獣人族ウォルフ』か……!?)


「しっかりして! 今、傷を癒すわ!」 レイラがすぐさま駆け寄り、杖から清らかな水の治癒魔法を紡ぎ出す。 僕もすぐに【収納1】から、バルカンさんの街で買い足しておいた清潔な布を取り出し、青年の傷口を縛った。


「す、すまない……。だが、ワシに構わず、早く……近くの『キバの村』へ行ってくれ……っ! 獰猛なゴブリンの群れが、村を、襲って……!」


青年の琥珀色の瞳には、深い絶望と恐怖の色彩カラーが張り付いていた。


「ゴブリン……? 辺境の小魔物じゃない。大人のハンターが数人いれば、追い払える相手のはずだけど……」 僕が疑問を口にすると、獣人の青年は激しく首を振った。


「違うんだ……! あいつらは、普通のゴブリンじゃない! 身体から『ドス黒い不協和音ノイズ』を放ち、傷つけても傷つけても、ゾンビのように立ち上がってくるんだ! 武器だって、まるで中央都市の兵隊が使うような、上等な鉄の剣を持っていた……! このままでは、村の同胞たちが全員、皆殺しにされてしまう……っ!」


「――っ!? 黒いノイズだと!?」


ゴルドンの目が、一瞬で鋭い狩人のものへと変わった。 僕とレイラも、顔を見合わせる。 間違いない。普通の魔物の暴走じゃない。あの世界の支配者、天幻卿ヴァルガの【天】の幻素による『強制エディット』の被害が、ここにも及んでいるのだ。


「イサナギ、行こう! 私たちの力で、今度こそノイズを叩き潰すのよ!」 レイラが僕の目を真っ直ぐに見つめる。13歳の春、オアシスを守り抜いた僕たちに、もう迷いというフレームは存在しなかった。


「あぁ。ゴルドンさん、この人を近くの安全な岩陰まで運べるかい?」


「任せとけぃ! 少年、レイラのお嬢ちゃん、ワシの【地】の怒り、あの緑のチビどもに叩き込んでやるわい!」


僕らは傷ついた青年を保護すると、彼が指し示した渓谷の奥――黒い煙が立ち上る『キバの村』へと向かって、一気に駆け出した。


少年期編・死闘章『不滅のノイズ・ゴブリンと、2つの連携エディット


第1章:変異した集落と、30リットルの「目くらまし」


渓谷を抜けた先、粗末な木柵で囲まれた獣人族の集落『キバの村』は、すでに生き地獄の様相を呈していた。


「ギギギ、ギャギャギャッ!!」


不快な金属音のような鳴き声。 そこにいたのは、僕の知るゴブリンとは完全にかけ離れた『異形の兵隊』たちだった。 皮膚は健康的な緑色ではなく、どす黒い紫色に変色し、その表面にはひび割れた結晶のようなマナが浮き出ている。青年が言った通り、彼らが手にする長剣や盾は、辺境の魔物が持てるはずのない、中央都市の高度な魔鉱技術で作られた一級品だった。


(7つの幻素のうち、空間の【宙】と、生命の【水】が完全に狂わされている……! アニメーションで言うなら、キャラクターのカラーパレット(配色)が、バグで滅茶苦茶に反転してしまっている状態だ!)


村の中央では、数人の獣人の戦士たちが命がけで防衛線を張っていたが、数の暴力と、何度斬り倒しても傷口から黒いマナを噴き出して起き上がってくる「不滅のゴブリン」を前に、全滅は時間の問題だった。


「おのれぇっ! 世界の美しき幻素をここまで汚すとは、あの天の支配者め、絶対に許さんぞ!」 ゴルドンが大土鎚を構え、今にも飛び出そうとする。


「待って、ゴルドンさん! 正面から突っ込んだら、数の暴力ですり潰される。まずはあいつらの『視覚フレーム』をハッキングして、分断するんだ」


僕は【収納1(カゴサイズ)】の残量を意識した。 現在のカゴの中身は、バルカンさんの小盾と、少量の水瓶、そして――


(エイルの街を出るときに、念のために『入れるだけ』で仕込んでおいた、あの山の『発光石の粉末(約20L)』……! 今ここで、全フレーム一斉解放(全レイヤー統合)する!)


「レイラ、風の幻素で僕の出す粉を村全体に拡散させて! ゴルドンさんは、僕の合図で地面を叩いて!」


「了解よ、イサナギ!」 「おう! どんと来いじゃ!」


「【収納1】――全出力放出フル・ポップアップ!!!」


僕が空間の歪みを開放した瞬間、30リットルの買い物カゴを満たしていた真っ白な発光石の粉末が、滝のように虚空から溢れ出した。


「【風】の幻素よ、吹き荒れなさい――フラッシュ・ストーム!!」


レイラが杖を振るうと、突如として発生した局地的な烈風が、発光石の粉末を巻き込み、ゴブリンたちの集落全体へと一気に拡散させていく。


「ギギャ!? ギギ!?」 暗い渓谷の中で、突如として視界を真っ白な「光のノイズ」で埋め尽くされたゴブリンたちが、一瞬でタイムラインを見失い、その場に立ち往生した。アニメーションで言うなら、画面全体を『ホワイトアウト(白飛び)』させて、敵のレンダリング(認識)を強制停止させた状態だ。


「今だ、ゴルドンさん! グランド・エディット!!」


「ワシの【地】の怒り、思い知れぃ! ――アース・クエイク!!」


ゴルドンが身の丈ほどもある大土鎚を、大地の底へと全力で叩き込んだ。 強烈な【地】の幻素が地面を伝わり、ゴブリンたちの足元の石畳や土が一瞬で流動化(液状化)する。


ズガガガガガガッ!!!


「ギギャァァッ!?」 視界を奪われ、足元を完全に崩された数十頭のゴブリンたちが、一瞬にして地割れの隙間へと落ち込み、その身動きを封じられた。


「よし、第一フレーム(第1段階)クリア! レイラは村人の救護と結界の維持を! 僕とゴルドンさんで、敵の本陣を叩く!」


「気をつけて、イサナギ! 奥から、さらに巨大な『ノイズのコア』が来るわ!」


レイラの発した警告の通り、集落の一番大きな天幕を破って、それは姿を現した。


第2章:15コマの魔剣 vs 変異種ノイズ・ジェネレーター


「……ギ、ガガガガガ……。システム、排除、対象……発見」


現れたのは、通常のゴブリンの3倍以上の巨体を誇る『ゴブリン・ジェネラル(変異種)』だった。 しかし、その姿はもはや生物とは呼べなかった。右腕は巨大な漆黒の結晶と化し、その結晶からは、周囲の【地】と【火】の幻素を強制的に吸い上げる、おぞましい魔力の渦が放たれている。その胸元には、ヴァルガの紋章によく似た、不気味な「天の刻印」が刻まれていた。


(あいつ自身が、ノイズの発生源ジェネレーターか……! あいつを止めない限り、周りのゴブリンたちは何度でも『描き直されて(再生)』しまう!)


「少年、あのデカブツはワシが――」 ゴルドンが土鎚を振りかぶろうとしたが、ジェネラルがその結晶の右腕を地面に突き立てる方が早かった。


――ズドォォォォォン!!!


「なっ……地脈が……ワシの【地】の幻素が、内側から爆ぜるだと!?」 ゴルドンの足元から、黒い結晶の棘が爆発的に突き出し、百戦錬磨の地魔法使いの身体が宙へと吹き飛ばされる。ヴァルガの紋章を持つ変異種は、ゴルドンの得意な大地のマナそのものを、反転させて攻撃に利用してきたのだ。


「ゴルドンさん!」 「ワシに構うな、少年! あやつは、世界の理の外側から力を引き出しておる! 普通の攻撃は通じんど!」


地面に激突したゴルドンが、苦しげに叫ぶ。 残されたのは、僕一人。 巨躯のジェネラルが、その血のように赤い瞳で僕をギロリと睨みつけ、中央都市製の大剣を頭上高くに振りかぶった。


(魔法は15コマに戻った。24コマのような絶対的な速度はない。……でも、バルカンさんの工房で掴んだあの感覚がある。物理的な『剣の質量』と『15コマの緩急ウェイト』を完全に同期させれば、世界を編集する力にだって、傷を負わせることはできる!)


僕は腰の鉄剣を抜き、両手でしっかりと柄を握りしめた。 13歳の春。僕のタイムシート(精神世界)に、極彩色の15枚のフレームが整然と並び立つ。


起動セットアップ――【魔力追生アニメーション・セルフモーション・壱ノ型】!」


ドクン、と心臓が波打つ。 僕の視界オニオンスキンに、ジェネラルが振り下ろす大剣の「未来の残像」が、15枚のレイヤーとなって重なり合う。


1コマ目。大剣が最頂点に達する。 2コマ目。黒い結晶のマナが、ブレードの軌道に沿って空間(宙の幻素)を歪めながら加速する。 3コマ目。その絶対的な破壊の光線が、僕の脳天へと向かって振り下ろされる――。


(4コマ目、左へ15センチ。5コマ目で、鉄剣の腹を相手の刃の『ノイズの結び目』に接触させる!)


キィィィィィィィン!!!!!


鋭い金属摩擦音が、渓谷に響き渡った。 正面から受け止めたのではない。15コマのフレームの中で、ジェネラルの大剣が放つ「黒いマナの波形」が最も不安定になる一瞬の『コマの間』を狙って、僕の鉄剣を正確に滑り込ませたのだ。 物理的な剣の質量を使って、相手の攻撃の軌道を強制的に外側へと「リダイレクト(受け流し)」する。


「ギ、ガ!? 攻撃が、外れ……バグ、発生……!?」 ジェネラルの巨体が、自身の放った力の反動で大きく前方に前のめりになった。完全な隙(ポーズの硬直)だ。


(ここから、一気に僕の『ツメ(最大加速)』のアニメーションを開始する!)


6コマ目。僕は地を蹴り、ジェネラルの懐へと潜り込む。 7コマ目。剣を引き絞り、すべての魔力を鉄剣の切っ先へと集中させる。 8コマ目。ターゲットは、胸元の「天の刻印」。


(9コマ、10コマ、11コマ――すべてのフレームを、1点に『統合コンポジット』しろ!!)


「はああああああああああっっっ!!!」


僕の放った刺突は、もはや1本の剣の動きではなかった。15コマの残像がすべて重なり合い、まるで15本の光の刃が同時にジェネラルの胸元を貫くような、圧倒的な「多重レイヤー(オニオンスキン)」の視覚効果エフェクトを伴って放たれたのだ。


ズガァァァァァァァァン!!!!!


「ギ、ギャ、ガガガガガガガガガッッッッ!!!!!?」


ジェネラルの胸の刻印が、僕の15コマの魔剣によって粉砕され、中から抑え込まれていた黒いノイズが、凄まじい大爆発を起こして四散した。 世界を歪めていた『ジェネレーター』が、僕の泥臭い、だけど完璧に計算されたアニメーションの前に、完全に機能停止シャットダウンしたのだ。


第3章:30リットル(買い物カゴ)の『緊急避難』と、勝利の晩餐


「ギギ……ギ……」 コアを破壊されたジェネラルの巨体が、ドスンと地面に倒れ伏し、やがて黒い霧となって消滅していく。 それと同時に、周囲で不滅の再生を繰り返していたゴブリンたちも、体内のノイズの供給を絶たれ、ただの脆弱な辺境の魔物へと戻り、獣人族の戦士たちの反撃を受けて次々と逃げ出していった。


「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……!!」 僕は鉄剣を地面に突き立て、激しい息を吐き出した。 脳の芯が、焼け付くように熱い。15コマの精密制御は、やはり13歳の身体にはかなりの負荷だ。鼻から一筋の血が垂れる。


「イサナギ!!」 防衛線を維持し終えたレイラが、涙目を浮かべながら走ってきて、僕の身体を抱きしめた。 「バカ、バカ! またそんな無茶をして! はい、動かないで、【水】の幻素よ、彼の熱を冷ましなさい!」


心地よい冷気のマナが、僕の脳のオーバーヒートを優しく鎮めていく。


「ふぅ……。ありがとう、レイラ。でも、これで村は助かったね」 僕が微笑むと、倒れていたゴルドンも、大鎚を杖代わりにしながら、ヨロヨロと立ち上がってきた。


「いやはや、とんでもない少年じゃ。15コマのレベルであの変異種を圧倒するとは……。ワシの【地】の魔法が形無しではないか。ハッハッハ、ゴホッ、ゴホッ」


「ゴルドンさんも、無事でよかったです。あいつ、土地のマナを反転させて使ってきましたからね。相性が悪かっただけです」


村の広場には、傷つきながらも生き残った獣人族の村人たちが集まり、僕らを取り囲んでいた。彼らの瞳には、恐怖ではなく、村を救ってくれた辺境の英雄たちへの、深い感謝と敬意の光が宿っていた。


「旅の御方よ、本当に、本当にありがとうございました……っ! あなたがたがいなければ、我が『キバの村』は今日、地図から消え去っていたでしょう……!」 先ほど助けたあの獣人の青年が、村の長老らしき老人の支えを借りながら、僕らの前に進み出て、深く深く頭を下げた。


「お礼に、我が村に伝わる最高の『獣人の秘薬』と、この渓谷で採れる特産の『魔力の乾し肉』を、あるだけ差し上げます! どうか、受け取ってください!」


村人たちが持ってきたのは、大きな木箱に詰められた、大量の乾し肉や薬草の束だった。総重量はおよそ50キロ、体積にすれば優に40リットルは超える大荷物だ。


「わぁ……たくさんあるね、イサナギ。でも……これ、どうやって持っていこう? 私たちの【収納】は、もう……」 レイラが困ったように、僕の背中の小さなリュックを見つめる。


そう、僕の【収納1】は現在の最大容量が30リットル(スーパーのカゴサイズ)。先ほど発光石の粉末をすべて吐き出したため、容量の『余白』は丸々30リットル分空いている。けれど、村人たちがくれた荷物は40リットルを超えている。普通に入れようとすれば、確実に容量オーバーで弾かれてしまう。


「フン、お困りのようじゃな。ここはワシの――」 ゴルドンが荷物を背負おうとしたが、彼の背中の大鎚だけでもかなりの重量だ。これ以上の大荷物を持たせれば、次の街への移動速度が極端に落ちてしまう。


「いいえ、大丈夫です。バルカンさんの街の粘土と同じですよ。……カゴのサイズが限られているなら、中に入れるものの『密度』を、僕のスキルで最大まで上げればいいんです」


僕は村人たちに向かって微笑むと、差し出された大量の『魔力の乾し肉』を、すべて厨房代わりの大きな大釜の中へと投入した。


「バルカンさんの街の『濃縮携帯食』の応用さ。今度は、この村の『薬草』の成分も一緒に練り込むんだ」


僕は大釜の前に立ち、腕をまくった。 【料理レベル3】の起動。 脳内に浮かび上がるのは、大量の乾し肉の繊維を一度極小の粒子へと分解し、薬草の有効成分(治癒マナ)をその隙間に完璧に吸着させた、新しい『高密度・治癒携帯食ヒール・ビーフ・ジャーキー』のビジュアルだ。


ゴルドンが直してくれた健やかな【地】の火を借りて、大釜の中の乾し肉を一気に煮詰め、水分を完全に飛ばしていく。 肉の旨味と、薬草の爽やかな香りが、渓谷の夜風に乗って村中に広がっていく。


わずか30分。 大釜の中にあった40リットル以上の大荷物は、僕の【料理3】の調律によって、手のひらサイズの「小さな黄金色のキューブ」およそ50粒へと、完璧に『濃縮(圧縮)』されていた。


「よし、これなら……【収納1(入れるだけ)】!」


空間の歪みを開き、50粒のキューブを放り込む。 30リットルのカゴの、ほんの底に、小さな布袋が一つ収まっただけだ。容量の『余白』は、まだ25リットル以上も残されている。


「な、何というマジックだ……! 大量の荷物が、一瞬で小さな袋に……! しかも、あのスープと同じ、凄まじいマナの匂いがするぞ!」 ゴルドンがゴクリと唾を飲み込む。


「はい、ゴルドンさん。これは戦いで傷ついた身体を瞬時に癒す『特製のジャーキー』だよ。一粒食べてみて」


「おう! どれどれ……モグ、……モグモグ…………。――う、うおおおおおっっっ!? 身体の奥の傷が一瞬で塞がっていくわい! それに、美味い! 肉の凝縮された旨味が、噛めば噛むほど溢れ出てくる!」 ゴルドンが再び涙を流して感動し、村人たちもその奇跡のような光景に、割れんばかりの歓声を上げた。


その夜、キバの村では、ノイズの脅威から解放されたことを祝う、盛大な大宴会が開かれた。 僕らは村人たちから手作りの果実酒を振る舞われ、僕が作った特製シチューをみんなで囲みながら、夜が更けるまで語り合った。


13歳の春。 僕たちの旅路は、確かに前途多難で、魔法のレベルは戻ってしまい、収納のカゴは小さいまま。 けれど、限られた15コマのフレームの中で、僕らは世界の歪みを確かに切り裂き、30リットルの不器用な空間カゴを工夫することで、また一つ、大切な命の背景(美術)を守り抜いたのだ。


「イサナギ、次の街では、どんな美味しいものが待ってるかな?」 レイラが、僕の肩に寄り添いながら、満天の星空を見上げて微笑む。


「さぁね。でも、どんな場所に行っても、僕らのカゴ(収納)と15コマの剣があれば、最高に面白い物語を描き続けられるよ」


僕は隣で豪快にイビキをかいて眠るゴルドンの大鎚を見つめながら、まだ見ぬ中央都市へのタイムラインに向かって、静かに、だけど確かな闘志を燃やすのだった。


みなさま、どんな風に感じてもらったのでしょうか?

少しでも面白いかもと思って頂けましたら幸いです。

励みになりますので、☆☆☆☆☆をチェックしてもらえると嬉しく存じます。

これからもお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

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