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静かな挑戦状 1
誰もいない空間にまた一人取り残された気分になった。
でも、そんなことしてる暇はないと自分に言い聞かせ、無理やり体を動かし手がかりになる物を捜すことにした。
さっきまで作っていた酒や材料達は、無造作に台へ置かれている。
その奥に、ひとつの写真たてがあった。
随分前の写真なんだろう、少し赤み掛かって色褪せていた。
「・・・これって・・・。」
よく見ると、そこに写っていたのは・・・
「・・・ヒバリとマスターと・・・・
俺・・・?」
見るからに二十年以上は前の写真であることは、マスターの容姿を見ればわかる。
だから、これが俺なわけではないことは明らかだった。
じゃあ、これは一体・・・。
俺は、写真たてを裏返した。
《 197Ⅹ年 Hibari-R, Zin-S, Ralu-A. 》
ラル・・・A・・?
もしかして・・。
疑問が答えに変わろうとした矢先、裏口の扉が開く音がした。
「ラル、大丈夫か?」
一瞬マスターが戻ってきたのかと思ったが、現れたのは息を切らしたカイ達だった。
自分の仲間が近づいてきたことも気づかなかった自分に少々焦った。
これがもし敵だったなら、完璧に油断していたことになる。
「うん。大丈夫だよ。」
そして、とっさに手に持っていた写真をズボンの後ろポケットに仕舞い込んだ。
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