21(18) 最悪の事態
いよいよ、決行まで残り二日となったその日、三人は一つのテーブルを囲んでいた。
「まずは作戦の全容を説明する前に、最後となる今回の保管庫について確認しておきたい事がある」
ヘイヴンはそう切り出すと、テーブルの上に投影された施設の立体図へ視線を落とした。
「最後の保管庫は言わずもがな、保安局本部にある。アグニの設計図も、おそらくここだろう。ただし、これまでの四か所とはわけが違う。ネヴェスターの盾であり、槍でもある保安局、その総本部だ。当然、警備はカチカチ、内部の認証から監視体制まで、あらゆる面で最高水準の防御が施されている。生半可な作戦では、中に入ることすらできない」
指先で立体図を拡大しながら、ベルナールは続けた。
「何より厄介なのは、保管庫の解錠に財務大臣だけでなく、保安局長の承認まで必要になることだ。つまり、イアン局長をどうにかしない限り、最後の扉は開かない」
「イアン局長を懐柔する。それが今回の鍵ということですね」
ルナの言葉に、ベルナールは小さく頷いた。
「その通り。では、作戦を説明する。とはいっても、簡単だがな」
「……簡単?」
ルナが怪訝そうに聞き返すと、ヘイヴンは何でもないことのように肩をすくめた。
「セキュリティっていうのは、面倒であればあるほど強固になる。認証の手順が増え、確認する人間が増え、複数の権限が必要になるほど、外部から侵入する側にとっては厄介なものになる。例えばパスワードだってそう。適当な文字列は覚えるのが大変だけど、だからといって固有名詞や既存の単語を使えば安全性が落ちる。人間にとっての利便性と、システムにとっての安全性は、必ずしも一致しない」
ヘイヴンはそこで一旦区切り、人差し指を立てる。
「ただし、どれだけ複雑な仕組みを用意したところで、正規の手続きを踏める人間がいれば話は別、ということ。国にとって、重要かつ十分に信用できる人間の権限を利用できれば、外側から壁を壊す必要なんてない。最初から内側にいるのと同じだからね」
「つまりは、その権限を持った人間になり済ませばいいってことだ。なら、誰になり済ませばいいのか」
「……まさか、総理大臣?」
ルナの問いに、ヘイヴンは一瞬だけ目を丸くしたあと、苦笑した。
「それも考えたけど、さすがに大ごとになりかねない。だから、保管庫に直接関わり、内部の手続きを知り尽くした人間だよ」
そこで彼女は、テーブルの向かいに座るヘイヴンへ目を向けた。
「アキノエ、ですか?」
「その通り」
ヘイヴンは満足そうに笑った。
「あの男なら、本部への入館認証から保管庫まで、必要な手続きをすべてクリアできる」
特にアキノエは、棚卸しの担当なので現場にいる監視官も納得しやすい。
「まずは、明日の勤務時間が終わるまで待つ。あいつが本部から出てきたところを確保して、あとはこれまでと同じ。必要なものを用意して、本人の代わりに中へ入るだけ」
あまりにもあっさりと言い切るヘイヴンに、ルナは思わず眉をひそめた。
これまで四つの保管庫を巡ってきた彼女には分かる。簡単という言葉の裏側には、失敗すれば取り返しのつかない危険がいくつも隠れている。まして今回は、国の治安を担う組織の本拠地だ。これまでとは比較にならないほど、失敗したときの代償が大きい。
「問題は、誰がアキノエになりすまして内部へ侵入するか、だな」
ベルナールが腕を組み、テーブルの上に広げられた図面を見つめた。
「背丈や体格だけで考えれば、ヘイヴンが最も近い。しかし、こいつには財務省のサーバールームからサポートするという役割がある。そうなると、残るのは俺かお前だが……」
言いながら、ベルナールはルナへ視線を向けた。
隣に座るヘイヴンも、同じようにこちらを見ている
二人の顔を交互に眺めたルナは、しばらく黙ったあと、小さく息を吐いた。
「……やればいいんでしょ」
「え?」
「私が引き受けますよ、その大役を」
そう言うと、ヘイヴンはぱっと顔を明るくした。
「助かった〜。君しかいないと思っていたからさ、自分から志願してくれて本当に助かる」
「言わせたのはそっちですよ」
「まあまあ、細かいことはいいから」
ヘイヴンは悪びれる様子もなく笑い、それから少しだけ声の調子を変えた。
「君は私たちと同じくらい、いや、それ以上に有能な人間なんだから」
「……私が? あなたたちと同じ?」
「そう。同じ」
ヘイヴンは迷いなく頷いた。そんな出過ぎたことを言われても、今まで劣等感を感じるばかりだったが。
「私は官僚であり、エンジニア。ベルナールは金融のプロであり、機械技術者。そして君には、並外れた身体能力と、卓越した想像力がある」
「無理やり褒めるところを引き出した感がありますけど」
「細かいことはいいって言ったでしょ。それに、君は演技力にも長けている。実際にアキノエと会って、話をして、相手の反応まで知っている」
「……そういう問題ですかね」
そう言いくるめられなくても、自分以外に適任者がいないことは、最初から分かっていた。ヘイヴンは省内で作戦を支えなければならず、ベルナールも図体的にアキノエを演じるのは無理がある。なら、道具を用いて身長を調整できる自分しかいない。残された選択肢が自分しかない以上、迷っている時間もなかった。
「では、ここから先は一つずつ確認していこう」
ヘイヴンは立体図を切り替え、保安局本部の内部構造を表示した。
入館から内部の移動、保管庫への接近、そして目的を達成したあとの脱出まで、ルナは説明を聞きながら一つひとつ頭に叩き込んでいく。経路の途中には複数の認証箇所があり、通過するたびに判断を求められる場面もある。監視の目をかいくぐり、予定外の事態にも対応しなければならない。
すべてを聞き終えるころには、ルナの頭の中にも本部の構造がかなり鮮明に描かれていた。
「保管庫に到達したら、あとは時間との勝負だ」
ベルナールが低い声で言った。
「設計図を見つけたら、すぐに持ち出せ。正体が露見したとしても、捕まらなければいい。お前が本部を出たところで、俺が車で拾う。いつもの印がある車だ。間違えるなよ」
「はい」
「私も回収を確認したら、すぐに省を出る。あとは合流次第、オルフェウスへ渡るだけ」
ヘイヴンの声には、いつもと変わらない落ち着きがあった。彼女にとって、この作戦は無謀な賭けではないのだろう。必要な条件を揃え、障害を取り除き、最後に残った手順を実行する。それだけのことだと言わんばかりだった。
「ここまで思い切った作戦を立てられるのも、オルフェウスへ渡ってしまえば、こちらのものだからね」
ヘイヴンは椅子の背にもたれた。
「いずれ保管庫が確認されて、私たちが関わっていたことが明らかになったとしても、もう手遅れ。連中が真相にたどり着いたところで、我々はもうこの国にはいない」
ここまで来れば、もう後戻りはできない。保管庫から設計図を持ち出し、国を離れる。これまで自分が関わってきたすべてが、その瞬間を境に別の意味を持つことになる。
「それと、省を出たら君の実家へ向かう。そこでお母さんも連れていくけど、いいんだよね?」
不意に話を振られ、ルナは顔を上げた。
「ああ、まあ……はい」
返事はしたものの、声にわずかなためらいが混じっており、ヘイヴンはその変化を見逃さず、ルナの顔をじっと見つめた。
「……もしかして、まだ説明してない?」
「…………」
ルナは答えなかった。その沈黙だけで十分だったのだろう。ヘイヴンは何かを察したように目を細め、やがて小さく息を吐いた。
「そっか」
ルナにとってそれがどれだけ難しいことか、ヘイヴンも重々わかっている。腕時計を確認しながら、笑顔を向ける。
「あと四十二時間ある。大丈夫だよ」
「……そうですね」
これまで自分が何をしてきたのか、これからどこへ向かうのか、そしてもう、この国には戻れないかもしれないということを。
どんな言葉を選べばいいのか、まだ分からないのに、決行の日は待ってくれない。
ルナは膝の上でそっと拳を握り、腹をくくることにした
「最近、景気がどんどん悪化してるね〜」
「……そうだね」
母親といつものように食卓を囲みながら、ルナは曖昧に相槌を打った。
家に二人きりという生活にも、すっかり慣れてしまった。もう誰かが帰ってくることはないし、母親もあの日以来ほとんど外へ出なくなったため、ルナが仕事に出ている間、家には母親一人だけが取り残される。
だからこそ心配だった。
自分がそばにいない間、母親は何を考え、何を思いながら過ごしているのだろう。何かあっても、誰にも相談できずにいるのではないか。そう考えると、できる限り一緒にいてやりたかった。
けれど、それと同時に、どうしても伝えなければならないことがあった。
オルフェウスへ渡るまでもう二日もない。
時間がないことは分かっている。早く伝えなければならないし、伝えたところで簡単に受け入れてもらえる話ではないだろう。それでも、何から話せばいいのか、どんな言葉を選べばいいのか、考えれば考えるほど分からなくなってしまう。
「……お母さん」
「ん? どうしたの?」
茶碗を片手にテレビへ向けていた視線を、母親がこちらへ移した。
「……調子が悪かったら、ちゃんと言ってね」
「分かってるよ」
穏やかに笑う母を見て、また勇気が引っ込んでしまう。
本当に伝えたいことがあるはずなのに、口を開けば別の言葉が出てくる。目の前にいる母親の顔を見るたび、今までどれほど心配をかけてきたのかを思い知らされ、結局何も言えなくなってしまう
そんなルナの様子を見て、母親は変にとらえてしまったのか、少しだけ言いにくそうに口を開いた。
「……あのね、明日、久しぶりに外に出ようかなって思ってるんだけど」
「え、外に?」
思わず聞き返したルナに、母親は笑顔を向けた。
ルナの身元を調べられる可能性を考えれば、外出を控えてくれることは都合がよかったが、それを喜ぶ気にはなれなかった。
「そっか……」
「でも、一人じゃちょっと不安だから、ルナも……付いてきてくれない?」
「私も?」
今、一人で外出するのが不安なのは当然だろうけれど、ルナにとっては別の問題もあった。
もし母親と一緒にいるところを保安局に目撃されれば、これまで積み上げてきたものが崩れかねない。アリミ・ヘイヴンという人間についてさらに調べられれば、両親を亡くしたという経歴にも疑いが向けられ、やがて消されたはずのルナ・スカーレットという存在まで掘り起こされるだろう。
それでも、目の前の母親を一人で外へ送り出すことはできなかった。
ルナはしばらく考えた末、顔を上げた。
「いいよ、明日仕事休みだし」
未来の危険より、今の母親を優先したかった。
この一か月から、仕事という名目で家を空けることが多く、以前のようにそばにいてやることもできなかった。自分の都合で母親を一人にしてきたのに、ここでもまた見放すわけにはいかない
それに、二人で出かけることは、亡命の話を切り出すきっかけにもなるはずだった。
そう考えれば、断るという選択肢は消えていた。
翌日、二人は家の近くにあるカフェを訪れていた。
「昼でもないのに、サングラスなんて珍しいのね」
「この目、目立つからさ」
ルナはコーヒーを口に運びながら、サングラス越しに店内を見渡した。
もちろん、こんな郊外の小さなカフェに保安局の人間がいるとは思っていない。それでも万が一を考えれば、できるだけ顔を知られないようにしたかった。
目立つというのは、理由としては嘘ではない。この目は昔から人の視線を引きつける。離れた場所からでも目立つほど鮮やかな赤い瞳は、今のルナにとって、隠しておきたいものの一つだった。
「……ごめんね、無理に付き合わせちゃって」
「え? あ、いや、全然大丈夫だよ」
どうやら、周囲を気にしていたルナの仕草を別の意味に受け取ったらしい。母親は申し訳なさそうに眉を下げていた。
精神的な不調を抱えていたことなど忘れてしまいそうなほど、ルナは以前よりも元気に過ごしていた。しかし、母親にとっては、たった一か月で娘の状態がすべて元に戻ったとは思えないのだろう。心配する気持ちは、まだ消えていないようだった。
「でも、最近はルナの顔にも活気が戻ってきたような気がして、母さんも嬉しいよ」
心底嬉しそうな表情でそう言われると、ルナは思っていたことを打ち明けるように、口を開く。
「……確かに、私はこの前まで、小さなことで落ち込んで、何に対しても勇気が出せなくて、誰にも胸の内を話せない、ひ弱な人間だった」
母親は何も言わず、静かに聞いていた。
「でもね、そんな私や、お兄ちゃんを女手一つで育ててくれたお母さんを裏切りたくなかった。いつか必ず恩返しをしたい、その思いで生きてきたんだよ」
ルナはカップを両手で包み込んだ。
「お母さん、私の病気を知ったとき、自分が娘のことをちゃんと見ていなかったんじゃないかって、責めていたでしょ。娘にとって自分は、大事なことさえ相談してもらえない、ちっぽけな存在なんじゃないかって」
母親は小さく目を伏せた。
「でも、それは違うんだよ。大事だからこそ、話せなかったんだ。親には余計な心配をかけたくないって、子どもはみんなそう思うんだ。もちろん、その考えが自分を追い詰めてしまうこともある。でも……そういう大事な存在がいなかったら、私はもう諦めていた」
そこで一度言葉を切り、ルナは少しだけ微笑んだ。
「それに、最近のお母さんを見ていたら、自分の不安なんて二の次で、お母さんの身を案じてばかりだったよ。だから、私のことはもう気にしなくていい。もっと自分を労ってほしい。……私のためにもね」
母親はしばらく黙っていたが、やがてゆっくりと頷いた。
「……うん、分かった。お母さんも早く元気になって、元の生活に戻らなきゃね!」
少しばかり明るい声を作り、母親は笑った。あの残酷な現実からたった一ヶ月で、この笑顔を見せることができる母親を心から尊敬した。
「だから、ルナのことも影から応援する。でも、何かあったら前みたいに溜め込まないで、すぐに言ってよ」
「そうだね……」
ルナはその言葉を胸の中で繰り返した。今の自分なら、勇気を出して胸の内を話せるかもしれない。少なくとも、何も言えずに逃げていた頃とは違うはずだった。
「だから、お母さん」
「なに?」
「一つ、聞いてほしい話があるんだ」
ついに、その時が来た。ルナは背筋を伸ばし、すぅ、と深く息を吸い込んだ。
「単刀直入に言うね。私と……私とこの国を」
最後まで言い切ろうとしたその瞬間、視界の端を何者かが横切った。
カフェの窓の外、店先を通り過ぎようとしていた男の姿に、ルナの身体が硬直する。
見間違えるはずがなかった。
先日、アリミ・ヘイヴンとして面会したばかりの男、アキノエだった
「っ……!」
反射的に顔を伏せ、被っていた帽子で目元を隠す。
「どうしたの?」
母親が驚いたように身を乗り出したが、ルナは答えられなかった。窓の外をそっと確認し、男が通り過ぎたことを確かめてから、ようやく顔を上げる。
アキノエは何事もなかったかのように、そのまま歩き去っていき、安堵した。
「……ルナ?」
「ああ、ごめんごめん。何でもないよ」
「そっか。それで、さっきの話の続きは?」
「えっと……やっぱり何でもない」
せっかく覚悟を決めたのに、予想もしない人物の出現ですっかり気持ちが萎えてしまった。
それ以上に気がかりなのは、アキノエがなぜこんな場所にいたのかということだった。
この辺りは中心街からも離れた郊外で、観光や仕事で訪れるような場所でもない。しかも、彼が歩いていった方向は、自分の家がある方角だった。
まさか、家に向かっているのではないだろうか。
考えすぎだと思いたかったが、今の自分には、どんな偶然も疑わしく感じられた。それにあの男がここにいる理由はそれしか説明がつかなかった。
「今日は帰ろっか」
ルナは唐突に立ち上がった。
「もう? お母さんはそんなに無理してないよ」
「いいから。また今度、遠出しよう」
といっても、それは明日決行するのだが、そんなはどうでもよくて、ルナは母親を促して店を出た。
本当は、もっとゆっくりさせてあげたかった。ほかの店を回ってもよかったし、久しぶりの外出を楽しんでほしかった。
けれど、今はそんな余裕がなかった。
「他のお店も見ていけばよかったのに」
「いいよ。私は……お母さんと一緒にいられただけで十分だから」
そう答えながらも、ルナの意識は周囲へ向けられたままだった。あの男の存在に警戒しつつ、ルナは歩きながら端末を取り出し、ヘイヴンに連絡を送った。
『実家に保安が来たかも』
すぐに返事が来た。
『まじで?』
少し間を置いて、ヘイヴンから新しいメッセージが届いた。
『こっちも、実は面倒なことになってる。欺くために化けた監視官の死体が見つかったみたい』
『まじですか?』
ルナは思わず足を止めそうになった。
『幸い、身代わりのエリー・マーフィーが捕まったから今のところは大丈夫。そっちはどんな状況?』
ヘイヴンの方でも色々問題が起きているようだ。
監視官の死体が見つかったことも、エリーが捕まったことも、決して小さな問題ではない。しかし、それ以上に気になるのは、今この瞬間にもアキノエが自分の家へ向かっているかもしれないという事実だった。
『周辺をあの男が歩き回ってるっぽい。こんな郊外に来る理由、私しかいない』
『すぐ行く』
端的な返事だったが、ヘイヴンも事態の深刻さを理解したのだろう。それ以上のやり取りは途絶え、ルナは端末を握りしめたまま、再び歩き始めた。
やがて、見慣れた家が見えてくる。角を曲がれば、あとは一本道だ。
しかし、角を曲がった瞬間、ルナは家の敷地内へ入っていく人影を見た。
「……あれ? 今、誰か家に入っていった? お客さんかな?」
母親もその姿に気づいたらしく、少し早足になった。
「待って、私が先に見てくるよ」
ルナは母親より先に歩き、玄関へと向かった。
アキノエと母親が顔を合わせた瞬間に、すべてが終わる。アリミとしての経歴も、これまでの偽装も、オルフェウスへ渡る計画も、何もかもが露見するかもしれない。
家を囲む塀の横を静かに歩き、玄関へと繋がる道の手前で足を止め、ルナは塀の陰から玄関を覗き込んだ。
そこにいたのは、アキノエではなかった。
質素な白い服を身にまとった、髪の長い女が、玄関の扉の前にいた。ひとまず安堵したものの、見覚えのある背中に違和感を覚える。
声をかけようか迷っていると、ルナの決断を待たずして先に母親が敷地内へ足を踏み入れ、声をかけた。
「あの、どうされました?」
母の問いかけに、女はゆっくりと振り返った。
その顔を見た瞬間、ルナの目が大きく見開かれる。
女もまた、ルナの姿を認めると、口元を不気味に歪めた。
「久しぶり、スカーレット」
そこにいたのは、ヘイヴンから逮捕されたと聞かされていたはずの女、エリー・マーフィーだった。




