キラキラ彼氏 Part1
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能、それに加えて明るくて、誰にでも優しくて、爽やかで、みんなから好かれるスーパー超ウルトラ男子...!
それが2年のアイドル、桐山光くん♡♡♡
そんな光くんが今日、私の彼氏になりました♡♡♡
というのも、1年の時から憧れていた光くんに、昨日意を決して告白したのです。
振られる気満々だったけど、光くんの答えは予想に反して「俺も菜穂ちゃんのこと好き」というありがたいお言葉....!!!!
私は顔は普通だし、お金持ちでもないし、頭は悪いし、だらしないし、運動もできないけど!きっとこの為に運を貯めていたのである。
「おはよ、菜穂」
朝、家を出て公園を角を曲がると、光が笑顔で立っていた。
ふああ...!眩しい...!!!!!!好き!!!!
「お、おはよ!わざわざ来てくれてありがとう..!」
菜穂は溶けそうになる頬を抑えながら光に微笑んだ。
「ううん。俺が菜穂と一緒に学校行きたいから」
光は爽やかに微笑み、菜穂は白目を向くほど幸せであった。
学校が近づくと、角を曲がる前に光は立ち止まり、「あ、ねえ」と菜穂を見下ろした。
「え、あ、なに!?」と菜穂が真っ赤な顔で見上げると、光は苦笑した。
「あのさ、俺はみんなに言っても良いっていうか、むしろ言いたいけど..菜穂は俺と付き合ってること、隠したい?ほら、冷やかされて菜穂が嫌な思いしたら嫌だしーーーーーーー」
光の言葉を遮るように菜穂は「いやいやいや!」と言った。
「む、むしろ私も言いたいんだけど...!言っても良いんですか!?」
菜穂がそう言うと、光は嬉しそうに笑った。
「当たり前だよ。ありがとう、菜穂。じゃあ行こうか」
ああ、こんなに幸せでいいんでしょうか....!!
明日事故に遭ったり、癌が見つかったりしないよね???
親が実は殺人犯で、明日から生卵投げられて、トマトとかぶつけられたりしないよね???
教室に入り、菜穂がそんなことを考えながら涎を垂らしていると、「どうした..?すっごい顔してるけど」と声を掛けられてハッとした。
ふと前を見ると、クラスメイトの絵里奈が。
絵里奈は怪訝な表情で一度菜穂を見ると、ニヤニヤしながら言った。
「もう、桐山君と付き合えたからってぼーっとし過ぎ~~。妄想でもしてた?」
「え、うん!!!だってだって、彼氏ってことはァ~~手繋いだりぃぃ~~ぎゅってしたりぃぃ~~~きゃああ♡♡ってことだよ!?それってもう....幸せ過ぎじゃん!!!!」
菜穂はデレデレしながら言った。
「ふは、昨日付き合ったばっかですんごい妄想」と絵里奈は笑い、コーヒー牛乳を飲んだ。
「もうーっ、えっちゃんは彼氏いたことあるから分かるかも知れないけど、私は初彼氏なんだよー?それも光くん....♡♡むふふ...♡」
菜穂はまたよだれを拭く。
「きんも...まあでも、桐山の方も菜穂のこと好きだったんだし、進展早いかもね?」
絵里奈にそう言われ、菜穂は「もう~~~っ!緊張しちゃうじゃんっっ!!♡♡♡」と言って絵里奈の肩をバシバシ叩いた。
絵里奈は「いや痛いわ....」と呆れた顔で菜穂を見た。
するとクラスメイトの男子3人が「おい汐崎~」とニヤニヤしながら歩み寄って来た。
「え、なに」
菜穂は妄想を邪魔され真顔で彼らを見上げる。
「お前、光と付き合ったんだってー?良かったじゃん~~~」
言われ、菜穂は途端にニヤニヤ。
「えーーーーーーもうーーーーっ!噂回るの早すぎいいい~~!!」
と彼らの腕を叩いた。
男子は「いやお前がでかい声で喋ってたんだろ....」と呟く。
「まあでも、お前1年の時から光LOVEだったし、良かったな」
「うん!!!!!まじで良かった!!!!!!ねえ、お祝いしてよ」
菜穂はそう言って嬉しそうに微笑み、彼らに両手を出した。
「はあ~知らねえよ。ほら」
男子はそう言ってポケットから飴を出し、菜穂の手に載せ去って行った。
「え!ありがと!」
菜穂は嬉しそうに飴の袋を開けた。
「いや溶けてるし」




