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捨てられた薬師は、のんびり毒草園を育てます  作者: ジェミラン


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【エピローグ】

灰熱病は、三週間で終息した。


患者の数がゼロになった日、ソニアが王都からの知らせを持ってきた。彼女は珍しく表情を崩して「本当に助かりました」と言う。僕は「よかったです」と返す。それだけで十分だった。


リオン・クラウスという名前が王都に広まっているらしい。行商人が教えてくれる。ギルドでも話題になっているとか、どこかの貴族が興味を持っているとか、色々聞こえてくる。


畑のブラックリーフは今日も元気だ。


フィアは朝から来て、デビルモスの収穫を手伝っている。手つきがずいぶん慣れている。最初は腰が引けていたのに、今は僕より丁寧に扱う。


ガルド爺さんは縁側で昼寝をしている。膝の湿布が効いているらしく、最近はよく歩くようになった。いいことだと思う。


その午後、ソニアが来る。


「ブラックモスの花が咲いたと聞いて」


「誰から聞いたんですか」


少し間がある。


「……通りすがりに」


グラン村に通りすがる人間はほとんどいない。終点の村だから。でも、何も言わない。


〈アイアンベルが機嫌がいい。〉


「そうか」


今日も毒草は元気だ。


それだけで、十分だった。

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