CHAPTER2 PART12-1
(温かい…。
体が、何かに包まれているような…)
あたしは、あたしを包んでいる何かを、抱きしめた。
(こうしていると落ち着く…。
これは何…?誰…?)
目を開けようとするけど、開けられなかった。
すると耳の近くで、優しい声が聞こえてきた。
『アリス…。
私はあなたといると、自分が自分でなくなるような気がします。
私は今まで、祖母の意向に添って生きてきました。
自分が生きる理由も、目的も…、何一つ持たずにいました。
けれどあなたと出会って、少しわかりました。
ヒトが生きる“意味”というものが。
ヒトは何のために生まれてくるのか。
だから……。
……だからどうか、あなたは無事でいてください。
他のものを犠牲にしようとも、あなただけは……。
それが…私の願いです…』
そこで終わり、声の主であろう人は遠ざかっていった。
─────……………
「……!?」
気がついたら、帽子屋さんの姿はなかった。
(手に温もりが残ってる…。
ついさっきまでここにいたんだわ…。
………まさか!)
嫌な予感がして、あたしは走り出した。
(お願い…帽子屋さん…!
どうか無事でいて…!!)
あたしは、無我夢中で外に飛び出していった。
バアンッ!!
勢いよく扉を開き見えた光景は、衝撃的だった。
傷つき倒れている三月うさぎさんとヤマネ。
意識はあるものの、ボロボロの帽子屋さん。
帽子屋さんを押さえている、おじさんらしき人。
そして、真っ赤な髪をして、ダイヤのタトゥーをした
「……っ、ロード…。
…いいえ、ジョーカー…!」
彼が、妖艶な笑みを浮かべていた。




