CHAPTER2 PART11-3
帽子屋さんがヤマネ達に何か指示をしていたけれど、あたしの耳には全然入ってこなかった。
ただ、怖くて怖くて。
「アリス…。
あなたに大事な話をしなければなりません。
聞いてくれますか?」
あたしは帽子屋さんのベッドに寝て、帽子屋さんはベッドに座った状態で話す。
あたしはコクンと頷いた。
「あくまで私の予想ですが…。
あなたの夢に出てきた男は、ジョーカーだと思われます」
(ジョーカー…?)
「ジョーカーは、このワンダーランドを統べる王。
この世界で最も恐ろしい男です」
(ロードが…ジョーカー…)
「前に、ジョーカーの腹心の部下…ジャックが訪れてきました。
その時彼は『ジョーカー様がアリスという少女を探している』と言っていました。
もちろん、わかっていてあなたをここに置いたのです」
帽子屋さんが、優しく頭を撫でてくれる。
「わかっていましたが…。
まさかあなたへの執着がそこまでとは思いませんでした…。
怖い思いをさせてしまって、すみません」
帽子屋さんが本気で悲しそうな顔をして謝るから、あたしは頭を左右に振った。
(帽子屋さんが悪いわけじゃない…)
あたしが否定すると、帽子屋さんはホッとしたように微笑む。
「…アリス、もう少し寝てください。
まだ深夜です」
(でも…また夢を見たら…)
そんなあたしの気持ちを感じ取ったのか、帽子屋さんは、
「心配はいりません。
私がずっと側にいますから」
と言って、手をギュッと握りしめてくれた。
その手に安心して、あたしはもう一度目を閉じた。




