CHAPTER2 PART11-2
「あ…、い…いやっ!」
怖くなって、思わずロードの手を振りほどいた。
(誰…!?
彼は……本当にロードなの…!?)
状況が掴めず混乱していると、いつもよりは早いお別れがやってくる。
「待っててね。
すぐに迎えに行くから」
「………いや…」
「君は俺だけのものだ。
たとえ…誰を好きでもね…」
消えていく最中、ロードの怪しい笑みだけが、あたしの頭に焼き付いた。
─────……………
─待っててね。
すぐに迎えに行くから─
(……!!)
「いやー!!!!」
ガタンッ
「アリス!?」
あたしの叫び声に反応した帽子屋さんが、いち早く駆けつけてくれた。
「アリス?どうしました?」
ベッドから落ち、部屋の隅でガタガタと震えるあたしを、帽子屋さんは優しく抱きしめてくれる。
「大丈夫です。
大丈夫ですから」
帽子屋さんの呼吸に合わせ、ゆっくりと息を吸うと、少し落ち着いた。
「…何があったんですか。
こんなに怯えて……」
帽子屋さんに背中をさすってもらうことで、ようやく冷静を取り戻していく。
「あの…えっと……っ」
さっきのロードの顔が脳裏に焼き付いて、思い出してしまって、時々詰まりながらも今までのことを話した。
話し終わると、帽子屋さんは深刻そうな顔をしていた。
「…ごめんなさい。
もっと早く話していれば…」
「いえ。
こちらこそ、気づいてあげられず申し訳ありません。
……とはいえ、“ロード”は必ずあなたを迎えに来るでしょうから、何らかの対処をしなければなりません」
そう言って帽子屋さんは立ち上がる。
「三月うさぎ達にも頼みます。
……一緒に行きますか?」
「…うん…!」
返事をすると、帽子屋さんは優しく横抱きにしてくれた。
「では行きましょう」
あたしは、これから来る“何か”が怖くて、必死に帽子屋さんにしがみついていた。




