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でかわとの日々はだいたい幸せ  作者: 宙子


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21/22

どうもありがとうっピ!

 

 私はほんの少し、春の陽気に浮かれている。


 今日の気温は最高24度。

 テレビを見ていても、夏と錯覚している人がインタヴューに応えていた。

 地域によってはかき氷も売れたらしい。


 高原へ行きたい。

 一面のネモフィラを今年こそ鑑賞したい。


 オンシーズンの休日は並ぶほどの人出になりそうな予感がするけど。




 3月末ごろ、とある事情で私もでかわも体力が低下した。


 食べられないシンドさ、ウィダーインゼリー桃のありがたみを知った出来事だった。


 でかわは未だにお布団にもぐる時間が長い。

(私もでかわのこと言えないけど)



 2人とも省エネで暮らしていると、冷蔵庫の在庫も比例していく。


 そんな冷蔵庫に喝?を入れるべく、私は週末、買い物へ出かけた。


 高原へいくなら体力もつけておきたい。

 となると、短い距離でも歩いていく。



 その帰り。

 もう慣れたものだけど重たい荷物を両手に分散させ、私はお行儀よく足でスーパーのドアを開けた。


 牛車の気分。



 少し歩いたところで、それは聞えた。


 言葉にできないほど美しく、可憐な旋律。


 私は思わず立ち止まり、鳴き声の主を探した。


 最近は見ない日のほうが少ない、アジア圏風の若い人々が自転車で私を追い抜かしてゆく。



 ……いた。きっと、あの鳥だ。


 とはいえもう夕方で、5メートルくらい上空だからほぼシルエットだけど。


 時折、飛び上がりながらも、場所を移動せず鳴き声を発している。



「とっても、いい声だね」



 呼びかけてみる。周囲に人がいないのは一応、確認しておいた。


 しばらくして、思いがけない鳴き声が返ってきた。


「どうも、ありがとうっピ!」


(え……)


 心の中で目が点になりながらも、現実の両手にかかる重みを思い出す。


 くるりと背を向け、元の道を辿り始める。


「もう少し、聞いていけばいいのに~」


(えっ……えっ)


 後ろ髪惹かれる思いで、私は何度か振り返りながら歩いた。


 鳴き声の主とはまた別の、すこしムックリとした鳥が、近くの電線にとまった。

 それで、着いてきたのかと思った。



 そんな日もある。

 だって春だから。



 え?でかわの反応?


 安定の、ノーコメント。



 今度は明るい時間に出かけて、ゆっくり観察してみたい。


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