子守唄
「ウルフ。先に言おう」
ライトは椅子に座った。
「一体、何があったの。あなたの大切な人と…」
ライトは重い口調で言った。昨日の夜のことを。ウルフはあまりの壮絶さに泣きそうになった。
「君はわからないと思うが、闇の帝王はこの世を破壊する力を持っていると言われている。で、彼の血が」
ライトはベットの方を見た。
「受け継がれてるんだ」
「そんな…」
「でも、人間にされてしまった。だから、しばらくは何もできないと思う。龍では大人と言われる十六歳までは。でも、私もよくわからん。闇の帝王の子なんて今までに無かったから。どうなるかはわからん。その前になんらかのスイッチが入るかもだし」
「…」
すると、ベットからナイトがライトに目掛けて飛んだ。
「起きたのか?」
机に着地した。ライトは優しく撫でた。
「君は、卵の頃に色々見てきたもんな。だから、明楽の事もわかってるんだろ?偉いな」
ナイトはご機嫌だった。
「ありがとうな。本当に」
すると、ナイトはライトの肩に乗り涙を舐めた。
「あぁ…君のお母さんも私の涙を拭ってくれたな」
「ライトさん。少し、休んだ方がいいですよ」
ライトはウルフを見た。
「わかってる休も…」
すると、明楽が起きたのか泣き始めた。その泣き声でクロも目を覚ました。
「明楽ちゃん。どうしたのかな?」
クロは明楽を優しく抱っこしてあやした。その光景を見たライトは笑顔になった。
クロ。大きくなったな。
ライトはベットへ歩いた。
「クロ。もしかしたら、明楽トイレしたかもな。見てて」
ライトは手際よく明楽のオムツを変えた。
「叔父さんすごい…」
「君が赤ちゃんの時もしてたんだぞ?」
「そうなの?」
「そうだよ。なぁ?ウルフ」
ライトはウルフを見た。
「えぇ。そうよ。懐かしいわね」
明楽は泣き止んだ。
「さて、クロ。稽古に行くか」
「え…叔父さん、大丈夫?」
クロもライトが疲れていることがわかっていた。
「大丈夫。でも、今日は軽めだ。君たちも見てみるかい?」
ナイトはライトの肩に飛び乗った。
「よし行こうか」
みんなで稽古場へ向かった。
「叔父さん。今日もありがとうございました」
クロはライトに挨拶した。
「偉いぞ」
クロの頭を撫でた。
「ライトさん。明楽ちゃんお腹空いたのかな?ぐずりそう」
ウルフは明楽を抱っこしていた。
「もう夕飯の時間だしな。みんなでご飯食べるか」
みんなで兵士たちの食堂へ向かった。中に入ると、兵士たちも驚いていた。
「え!?誰の子!?」
「ライトさんの…」
明楽は泣きそうになった。
「コラ!いきなり大声上げたら驚いて泣くだろ!この子は、色々事情があって今こっちにいるんだ。シェフ」
ライトはシェフを呼んだ。
「はい!どうしました?」
「できなかったらいいんだ。赤ちゃん用のミルクって…」
ライトは恐る恐る聞いた。
「あぁ。できますよ?どのくらい欲しいですか?」
ライトとウルフは驚いた。
「できるの!?」
「はい。えぇっと一人分?」
「いや。彼もだ」
ライトはナイトを指差した。
「わかりました。席に座って待っててください。あと、クロさま。お手伝い頼んでいいかな?」
「頑張ります!」
クロはシェフと一緒に厨房へ入った。ナイトは明楽を見つめていた。
「今日はゆっくり休みたいけど…子育てあるしな」
ライトは明楽を抱っこしていた。
「私も見ますよ?」
ウルフはライトが倒れないか心配だった。
「ありがとう。私が大学へ行っている間はお願いするよ。ナイトが全て教えてくれる」
ライトはナイトを見ると、任せてくれと言わんばかりに胸を張った。
「頼もしいな。でも…この環境は、悪いよな。本当は…」
すると、クロは明楽とナイトのミルクを持ってきてくれた。
「はい!」
テーブルに置いた。
「ありがとうな。クロ」
ライトはミルクを明楽に与えると、勢いよく飲んだ。ナイトも恐る恐る皿のミルクを舐めると、そのまま舐め続けた。
「この子達、すごく飲みますね」
「いい事だ」
すると、クロが今日の夕飯を持ってきてくれた。
「叔父さん。ウルフ。持ってきたよ」
「ありがとう。クロ」
三人でいただきますをした。
「そう言えばクロ」
「ん?」
「最近よく食べてるけど、あんまり太らないよな」
その言葉にウルフは驚いた。
「ライトさん!知らないの!?」
ライトの目が点になった。
「へ?」
「だってクロ。早朝に厩舎で作業と馬乗って、日中は学校でしょ。夕方は稽古して…」
「ん!?」
「休日も早朝から厩舎で作業と馬乗って、日中に勉強か稽古にでしょ?」
ライトはクロを見た。
「え…お前…家で寝て早朝にここ来て学校行ってるんか!?」
クロは頷いた。
「うん。そうだよ?」
まじかよ。体力おばけ…?
ライトは拍子抜けした。
「叔父さんも俺と同じ時、こんな感じの生活だったの?」
「あ〜うん。叔父さんは…何してたかな…」
言葉を濁した。
「ふーん」
クロはご飯を食べ続けた。
「子供の体力怖いな…」
「それ、ライトさん言えるの?」
ウルフに突っ込まれた。夕飯を食べ終えると、三人と一匹でお風呂に入った。
「気持ちいいな」
「うん」
明楽とナイトも気持ちよさそうにお風呂を堪能していた。
「ライトさん。明楽ちゃん洗い終わったら、教えてね」
脱衣室でウルフが待機していた。
「はーい」
ライトは丁寧に明楽を洗った。明楽は嫌がらずに洗われてた。
「ウルフ。明楽頼むぞ」
「はーい」
ウルフは明楽を受け取った。
「ナイト。お風呂気持ちいいね」
クロの言葉にナイトは嬉しそうに鳴いた。お風呂も終わり、みんなで部屋でくつろいでいた。
「ウルフ。明楽をありがとうな」
「ううん。また呼んで」
ウルフは部屋を出た。
「あとは、トイレして寝るだけだな」
ナイトは大きなあくびをした。
「ナイト。明楽を守ってくれてありがとうな。でも、自分の時間も確保してね?」
その言葉にナイトは頷いた。
「よし」
ライトは久しぶりにレコードを流した。
「久しぶりに聴くといいな…」
クロはレコードの曲を聴いた。
「いいね!」
「だろ?たまに聞いてるんだ。コンフィーってグループでな。私は昔から好きなんだ」
「いいな〜」
「クロも好きになればいい。クロなら私が居ない間に聴いててもいいよ?」
「いいの?」
「あぁ。あそこにいっぱいある」
指さす方をみると、棚にギッチリとレコードが詰まっていた。
「うん!ありがとう!」
すると、明楽は眠そうに目を擦った。
「もう眠いよな。トイレしたかな?」
ライトは明楽のオムツを変えた。
「さて、寝ようか」
レコードを止め、ベットへ向かった。クロも一緒にベットに行った。
「クロ」
「ん?」
ライトはベットに座った。
「この子守唄は覚えていて欲しい。毎晩この子達に聴かせる。この子達が大きくなったら、歌う時が来るかもしれん。だから、覚えておいて?」
「うん…」
ライトは魔力を入れながら優しく子守唄を歌った。
「…!」
クロは記憶に叩きつけていた。歌が終わると、明楽とナイトは眠った。
「よく眠ってるね。いい夢見て」
すると、クロも眠そうだった。
「なんだ。クロも眠いか」
「うん。明日学校じゃないから、一緒に寝ていい?」
「もちろんさ。一緒に寝よう」
部屋の明かりを暗くして四人で眠った。
ライトは夢を見た。
「…ん」
目の前には星々が散りばめられた綺麗な夜空。地面はどこまであるのかわからない草原が広がっていた。
「ここは…」
辺りを見渡したが、何もない。
「…?」
しばらくすると、冷たい風が吹いた。
「さっむ!」
あまりの冷風にライトは身震いした。すると、背後から生暖かい風が吹いた。
「え…?」
振り向こうとした所で目が覚めた。
「…ん?」
窓を見ると、もう朝になっていた。
「泣かなかったのか…」
メガネをかようとしたら、何かがぶつかった音がした。
「イッテェー!」
その声にライトは振り向いた。
「クロ。大丈夫か?」
ライトはメガネをかけると、あまりの見にくさに思いっきりベットから落ちた。
「ぎゃ!」
その声で明楽が泣いた。
「叔父さん…何処?」
クロはライトを探していた。
「クロ…メガネ私のつけてるぞ…」
ライトはメガネを外した。
「ごめんなさい…」
クロは反対方向を歩いていた。
「なんでそうなる!メガネ返せ!」
ライトはクロからメガネを奪った。
「はぁ…」
クロもライトからメガネを受け取った。
「やっと見える。叔父さん。馬のところ行ってくるねー」
クロは部屋を出た。ライトは明楽をあやした。
「はぁ〜全く。朝からごめんね」
明楽のオムツを変えた。
作者「ライトさん。ヤバい。ガソリン高すぎる…」
ライト「昨日入れてきたんだろ?」
作者「今日一気に30円上がってた」
ライト「30円!?」
作者「車ないと生きて行けない田舎はきつい…」
ライト「ヤバすぎだろ。しょうもない戦争早く終わるといいな」
作者「ですね。




