Epilogue03『光と土の狭間にいる僕』
眼を開けた瞬間に映ったものは白色しかなかった。辺りを見渡しても、白色以外は何にもなかった。まるで、この場所は病室のように感じた。いや、あそこはまだ色というものが少なからずあったはずだ。強いて言うのであれば、真新しいノートに試し書きとして書かれた棒人間になったような気分だった。
それにしても、この部屋はどうして白色以外何もないのだろうか?こんなにも白色ばかりだと、眩しくて眼がまともに開けられない。まるで、太陽を一日中ずっと眺め続けているようだった。眼の辺りが熱くなってきているのも、そのせいなのかもしれない。これ以上、見続けていたら僕の精神が崩壊してきそうだった。とりあえず、別の色が欲しくて僕は自分の掌を見てみた。だけど、そこには白だけしかなかった。あの人間の身体でしか表せない色が、どんな場所に行ってもあるべき当然の色がそこにはなかった。僕はあまりの唐突な出来事にただ動けずに、あるはずだった掌を眺め続けていた。
「一体、どうすればいいんだよ……」
眼の前の身体が僕だとすれば、この世界に僕以外は誰もいない、ということになる。つまり、ただ待つだけでは物語は一向に進まない、ということだ。だけど、待つ以外に僕ができることなんてない。ここには白色以外何もないのだから。結局のところ、何をしたところで物語を進めることなんてできない。僕はずっとこの何もない世界に住み続けなければならない。未来のないこの世界で、息絶えることなく生き続けなければならない。どうしようもない過去を振り返りながら。僕は馬鹿な人生を過ごしていた。自分にはやるべきことがあったはずだった。勉強だって、部活だって、読書だって、創作活動だって、やれていたはずだ。それなのに、自分の人生は不幸だと嘆き続けていた。何もかも止めたままにして、一歩も進めなかった。ここにいることになってしまったのも、今まで自分が怠ってきたからだ。こうして、また僕は過去の行いを後悔した。
そのとき、僕はあることに気付いた。この何もない世界に、白色しか存在しないこの世界に、色を付け足すことができるのではないか?今の僕には何もないのかもしれない。だけど、この頭のなかには過去がある。今までの自分がある。そこには、風景がある。他人がいる。そして、あいつらがいる。簡単なことだったんだ。この世界は白色しかないということは何色にもなり得るということだ。空白があるから、何か別のものを埋めることができるんだ。
そして、僕は眼を瞑った。そうすると、過去の映像が走馬灯のように流れていく。僕の身体に重さを感じる。きっと、今自分は色を取り戻しているんだ。本来はあるはずのない色を創造しているんだ。僕はこの世界に来て、初めて気づいた。本当は何もなかったんだ。何色も存在していなかったんだ。それを、僕が勝手に想像していただけだった。だから、この世界なんて恐れることなんてない。本来の世界を取り戻そうとしていただけだ。それが嫌ならまた創造すればいいことだ。過去はそのためにある。今の自分に色を付けるためにある。
本来の自分の重さを取り戻したことを自覚した僕はゆっくりと眼を開けた。きっと、この世界に白色は存在しなくなるだろう。そう思っていたのだが、眼の前に広がっていたのは白色の世界だけだった。ただ、前と違っていたのは眼の前にいたあの薄い輪郭だけの存在の自分の身体がいなくなっていた。その代わりに、一枚の紙が落ちていた。そこには、『光と土の狭間にいる僕』と書いてあった。僕はそのタイトルのような文字を見て、自分の間違いに気づいた。そして、この紙はきっと一枚だけではないのだろう。
「僕は『光と土の狭間にいる僕』だったのか?」
そう呟くと、天井から次々と『光と土の狭間にいる僕』が落ちていった。それは留まることなく落ちていった。また、『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。『光と土の狭間にいる僕』は落ちていった。
それはいつしか積み重なっていて、一つのある本になっていた。その光景を見た僕はあることに気付いた。あの世界から見えているのはこの姿なんだということを。結局、僕の存在は肉付けされていない状態なんだ。薄っぺらい紙のなかで、ただ意味もなく嘆いていただけだった。僕はその場に座り込み、世界に絶望してしまった。
そうすると、一枚の紙が僕の元へと舞い降りてきた。それを手に取ってみて、書いてある文字を読んでみることにした。
『どうか、このことだけは分かっていてほしい』
空を見上げてそう呟くのだった。




