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ギルドマスターも知らないホッカイの過去①

ホッカイ(19)

輝くような銀髪に青い目を持つハーポーンの英雄。

農業初心者だが、農業が好きすぎて農業をしているとしょっちゅうデフォルメされた二頭身の姿になっている。

 ホッカイの朝は早い。


 日が昇る直前くらいには活動を開始する。


 これは体に染み付いた習慣だった。


 両親を失った五歳の時に初めて剣を握り、死線をくぐり抜けてきた。


 当時はまだ戦争が当たり前の時代だった。


 あれから十四年。


 世界は劇的に変わった。


 二年前に大災害が起きて。


 精霊の怒りだと人々は口にした。


 戦争を繰り返し、互いに殺しあう愚かな人間に罰を与え、その行いの愚かさを知らしめるために。


 国々が戦争をやめるまで、各地で戦乱が続いていた。


 今では考えられないような地獄絵図。


 そのただ中でホッカイは戦い続けてきた。


 生きるために傭兵となり、戦地を渡り歩いた。


 もともとはハーポーンの生まれではない。


 戦場を渡り歩いて十三の時にハーポーンに来た。


 ハーポーンは比較的穏健な国で積極的に他国に攻めるような国ではなかった。


 戦場を渡り歩いてきたホッカイにとっては安息の場所ともいえる土地であった。


 十四の時、盗賊団に襲われている村を発見し、これを殲滅。


 いくら積極的に戦争を行わない国で比較的平和とはいえ、この手の事はよく起こる事だった。


 ハーポーンも戦争をしていなかったわけではない。


 攻められれば応戦する。


 戦になれば傷つき失う者が出る。


 その行き着く先は他人から奪う事。


 そういった野盗の類は決していなくなる事はなかった。


 当然、他国から流れてくるならず者もいた。


 その時に村を襲っていた連中がどんな輩だったのか、今ではもうわからない。


 当時のホッカイは、ただただその行いを見過ごせず、盗賊団を壊滅させた。


 死者数は盗賊団と村人数名を足した数。


 ホッカイはものの数十分でそれをやってのけた。


 そして一年後。


 ハーポーンを活動の拠点としていたホッカイ。


 たまたま泊まっていた宿にわけありと思われる男達数名が後からやってきた。


 一人はほどほどの使い手だが、その周りにいる男達は相当の使い手である事がすぐにわかった。


 明らかに護衛を連れた一団だ。


 見るものが見ればすぐにばれるだろう。


 夜中に、気配を殺して宿に侵入する者の気配を察知し、ホッカイはすぐに先ほどの一団が狙われている事に気付き、愛剣を手にあの宿泊者がいる部屋へ向かう。


 すでに護衛の者と暗殺者が戦闘に入っていたが、幸い死者はでていない。


 暗殺者は宿内に五人。


 外にも待機しているようだ。


 逃げられないように包囲していた。


 室内で戦うにはホッカイの剣は長過ぎたが、ホッカイには暗殺者を撃退するにあたってそれくらいはハンデにもならない。


 抜剣するまでもなく暗殺者を撃退し宿の外へ追い出すと、外に待機していた暗殺者集団と戦闘になった。


 封じられていた剣を抜くと、一振りで一人倒れる。


 片手の指で足りなくなる程度倒すと、暗殺者達は身元を特定させない為に、死んだ仲間の死体を回収して逃げていった。


 これがホッカイが白翼褒章を授与されるきっかけになった事件である。


 表に出ているホッカイの戦績はこれくらいだが、実際には多くの戦場を渡り歩いてきた中で数え切れないほど敵をしとめてきた。


 ホッカイは己の手を眺める。


 自分の手は血に塗れている。

皆さん、いつも読んで下さってありがとうございます。


今回初めてイバラークが登場していない回になります。

いつもイバラークがいるので、シリアスにギャグを入れられるんですけど、やつがいないとシリアスの時はシリアスのままになっちゃいますね。

ま、たまにはいいよって温かい目で読んでやって下さい。

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