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ギルドマスターも勉強が必要

 早朝からオサカのもとにはギルドマスターのイバラークが訪ねてきていた。


 昼食をはさんで日が真上を過ぎた頃、オサカにとっては先輩に当たるエヒムがやってきた。


 先輩と言ってもオサカより年下の十歳である。


 さらさらの金髪を揺らして歩く姿はいいところのお嬢様・・・・・・もといお坊ちゃまに見える。


 小さな体に今日も荷物を背負っている。


「オサカさーん、畑は順調ですか・・・・・・って、あれ? 来てたんですか?」


 昼食を食べ終えてオサカが畑の草取りを再開したところにエヒムはやってきたのだが、エヒムにとって想定外の人物がそこにいた。


 早朝から居座り続けているイバラークだ。


 何をするでもなく、オサカが草取りをしているのを眺めていたようだ。


「おう、エヒム。この間はお疲れさん。今日はどうしたんだ?」


「僕はオサカさんの畑の様子を見にきたんですよ。マメな方なので、思ったよりうまくいってますね。そういうイバラークさんはどうしたんです? 徘徊ですか?」


「ボケとらんわい!! ちょっとアキータが混ざってたぞ!?」


「う・・・・・・気をつけます・・・・・・」


「まぁいいや。俺もオサカの畑の様子見にきたんだよ。ホッカイは超人的なフィジカルの持ち主だし、アキータはあれで頭がいいからな。当然お前は別格で農業スキル高いし。だが、オサカは違う。奴は頭に大砲乗せた一般人だからな」


 一般人は頭に大砲は乗せない。


 それは置いておくとして、イバラークはイバラークなりにオサカを心配しているようだ。


「よう、エヒム。言われたとおり雑草抜いたやつまとめておいたぜ。これでいいのか?」


「はい、大丈夫ですよオサカさん。この大災害跡地では雑草ですら貴重ですから、有効に利用しましょう」


 エヒムは背負ってきた荷物を降ろすと、中身を取り出す。


 取り出した荷物は布袋のようだが。


「? なんだそりゃ?」


 オサカが首をひねる。


 イバラークはすぐに察したようで距離を取った。


 エヒムが布袋を開けると強烈な臭いが漂う。


「うおっ!?」


「モンスターの糞と堆肥です。先日ララミシアの森に行った時に採集してきました」


 二重にしてある布袋の一部をオサカが集めておいた雑草の上に出した。


 今度は慣れた手つきで鍬を振るうと、雑草とモンスターの糞、堆肥が均一に混ざり合う。


 そこに水をかけて出来上がり。


「本来なら革のシートをかぶせておきたい所ですが、無いのでそのまま放置です」


「あ? これだけでいいのか?」


「はい、今のところは。三ヶ月後にはこれをもう一度混ぜて上の層と下の層を入れ替えましょう」


 イバラークとオサカが興味津々に出来上がったものを見つめる。


「「で、これが何なんだ?」」


 イバラークとオサカの声が重なる。


「あはは・・・・・・そこからですか。堆肥、肥料作りです。すぐにはできあがらないので、使えるのは一年以上先です。でも、何もしないよりは絶対にいいですから」


 苦笑いを浮かべたエヒムだったが、すぐにその顔は未来を見据える男の顔になった。


 イバラークより大人な気がする。


「僕たちはここで生きていくんです! そのためにやれる事はやっていきましょう!」


 とても生き生きとしているエヒムを見てイバラークもオサカも気合が入る。


 イバラークは親指を立て、オサカはおう、と応えた。

読んでくださる皆様、いつもありがとうございます。


今日はですね、献血をしにいったんですが、血の濃度が足りなくて献血を断られました。

十年くらいやってますけど初めてです。

看護婦さんに「疲れてます?」って聞かれて何を言ってるんだこの人は、と思いながら「いや、別に・・・」と答えたのですが、「体は正直なんですよ」と言われてしまいました。

全国の血を必要としている方々、力になれず申し訳ないです!

ほうれん草食べて出直します!

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