21話:コボルトの祠
お陰様で1000ポイントを超える事が出来ました。
次は目指せ2000ポイントですかね。
今後も宜しくお願いします。
ダンジョン『コボルトの祠』入り口
コボルトの大群を全滅させて、カノンの道案内の通り進んむこと5分。
一同の前に現れたのは、ぱっくりと口を開いた大穴。
至る所に木の根が這っており、所々が緑色に包まれた石の洞窟。
明らかに人工物と思われるそれは、相当古い物らしくどこか神秘的な面影さえ感じ取れた。
「カノンさん、コボルトが出てきたのはここからか?」
「そうそう、じゃあ早速入ろっか」
「えっ、その前にちょっと休まないっすか?」
カノンの意見に反対したのはテオだ。
どうやら新しく覚えたスキルと、先の戦闘でレベルアップした際に手に入れたステータスポイントの割り振りがしたかったらしい。
「分かった、じゃあ暫くここで休憩しよう。私もやりたいことがあったからな」
「アカネちゃんが言うならそうしよっか。ミハ君達もレベルアップしてるんじゃないかな?」
カノンの言葉にミハはきょとんとした顔をするが、思い出したように直ぐに自分のステータスを振り分け始める。
その表情はどこかとても嬉しそうで、小さな背もあいまって、とても可愛らしく見えて、カノンの頬の筋肉が少し弛んだ。
「カノンさんはショタコンだったのか、意外だった」
「あっ、アカネちゃん!?な、なに言ってるの?」
「ほう、カノンさんが焦っている。初めて見たな…面白い…」
アカネからの不意打ちに顔を真っ赤にするカノンであった。
(さてと、俺は俺でステータスを確認しようかな)
仲良さげな2人を横目にテオは自信のステータスを開く。
プレイヤー:テオ
Lv:5→21
HP:32→112
MP:20→52
攻撃力:22(+10)
魔法力:3
物防 :12(+2)
魔防 :7(+3)
知力 :0
器用 :6
敏捷 :16(+3)
残りステータスポイント96
スキル:大剣術III 音速の斬激
称号 :一端冒険者 初級大剣使い
装備 :武器 銅の大剣
頭 -
胴 -
腕 皮のグローブ
腰 -
足 皮の靴
アクセ ー
大剣術のレベルがあがっているが、先の戦闘で何十回も振り回したのだから当然だろう。
そんな事より今は音速の斬激だ。
テオはまだこのスキルの効果を知らないのである。
音速の斬激:攻撃時、武器の先端の速度が一定以上で1000の範囲固定ダメージの追い討ちを放つ。(プレイヤーが相手の場合100の範囲固定ダメージ)
ナニコレ、チート?
プレイヤー相手に100の固定ダメージと言うことは、詰まるところそれだけで現在のテオのHPの90%近くを刈り取っていく火力なのだ。
それも追い討ちだけで。
だからもし普通の攻撃も当たっていれば余程高防御でもない限り即死。
仮に防御力が高くても、現在のレベル帯のプレイヤーなら2回もスキルを打てば死んでしまうのだ。
「カノンさん、ちょっとこれ見て貰えますか?」
「ん?何かな?」
テオはカノンを読んで自分のステータスを見せる。
何故かと言えば、アカネの魔法の影響で得たスキルである以上、カノンでも簡単に習得出来ると思ったからだ。
そして、テオはそれをカノンに伝える事にした。
「なかなか強そうなスキルだね」
「あのですね、これの習得条件何ですけど…」
こうしてカノンは次の戦闘でアカネに時間加速をお願いすることを決め他のたった。
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「さて、そろそろ入りましょう」
万全の準備、と言うわけではないが、一通りやることをやって、休憩も取った一向は遂にダンジョンに潜入することにする。
カノンはベータテストの際に一度入っており、中の様子を大体知っているのだが、今回先導するのはテオだ。
勇敢な男気溢れるプレイヤーという役を演じるのだ。
「「ライト」」
アカネ、そしてリリンが光属性の初級魔法で当たりを照らす。
アカネの杖の先にある光の玉の方がデカいのは恐らく魔法力の差だろう。
一歩、また一歩と足を進めるテオ。
洞窟の中は冷たくて、時折天井からピチャリと落ちる水滴の音が神秘性をより一層引き立たせている。
ダンジョンであるはずなのに襲ってくるモンスターは一体もいない。
どうやら全て出て行ってしまったらしかった。
そうこうするうちに一行は広いスペースへと出る。
部屋が広くてライト程度の魔法では足りなかったので、アカネは新しく『エルライト』を唱える事にした。
瞬間一気に明るくなった部屋で、カノンは信じられない者を見ることになる。
ベータテスターであり、このダンジョンの様子を知っているからこそ信じられなかったのだ。
目に映るのは真っ黒な塊。
黒い兜や黒い鎧。黒い大剣に黒い盾。
大量の黒い装備が目の前には散らばっていた。
「なんですか!?これ!もしかして装備?こんなに沢山!?」
「待って!ミハ君!」
走り出したミハをカノンは慌てて静止させる。
何故かと言えば、目の前に転がっているのは装備などでは無いからだ。
「あれは殆ど全部モンスターの亡骸。本来ここにはいないはずのダークナイトっていうゴーレムの残骸」
「どういう事ですか?カノンさん」
「倒したモンスターはランクに応じて消滅するまでにある程度時間があるのは分かるでしょ?コボルトみたいな弱いのはすぐ消えちゃうけど、強いモンスターは剥ぎ取らない限り30分くらいは消えないの」
「なる程、それで本来ここにはいないって言うのは?」
「ダークナイトは私がベータテストしてたときには3つめの街の近くのダンジョンのボスだったの、だからここにいるはず無いんだけど…」
「まぁ、取りあえず色々調べてみますか」
テオがそう言うとミハ達は待ってましたとばかりに鎧の元へ走っていく。
話を聞く限りあの鎧はまだアイテム化された訳じゃないようだから、漁るなら今の内だろう。
「あぁ、消えてっちゃう…」
とか言っていると、本当に青い粒子になって消えていく鎧達。
それを見ていたら、流石にもったいなく感じたらしく、テオも、そしてカノンも急いでドロップアイテムを回収しにいくことにした。
一方でアカネはと言えばそんな彼らの事などいざ知らず。
一人真剣そうな顔で『エル・イリュージョン・マップ』を眺めていたのだが…
+++++
「ふぅ、もう全部なくなっちゃったっすね」
「うん、でもまぁこれだけあれば当面は困らないかな」
「テオさん!こんな武器を手に入れましたよ!」
回収出来る物を回収し尽くしたテオの元に駆け寄るミハ。
その手には黒色の片手剣が握られている。
ブラックサーベル Lv1
レア度:C+
攻撃力:44
魔法力:12
テオの知力でも確認できる程度の性能の武器。
だが、その攻撃力はテオが現在装備している大剣の4倍強あって、初心者が持つには十分過ぎる程の性能だった。
「いい武器っすね。暫くはその武器で大丈夫だと思いますよ」
テオがそう答えると嬉しそうな顔をするミハ。
ひょっとするとリアルは中学生位なのかも知れない。
「あ、アカネさん。これ、どうでしょうか?」
ふと向こうの方では、リリンが白いブレスレットを持ってアカネに声をかけていた。
どうやらテオの知らぬところでアカネはリリンからの信頼を勝ち取っていたらしい。
「アカネさん?アカネさん、聞いてますか?」
顎に手を当てて仏像の如く動かないアカネにリリンは再度呼びかけるが、それでもアカネは気づかない。
どうやらスイッチが入ってしまっているらしい。
「アカネさん!!」
痺れを切らしたリリンが叫ぶ。
それも出来るだけアカネの耳に近いところで。
「ん?あぁ、なんだ、リリンか、どうかしたか?」
「アカネさん、これ何ですけど」
「ん?あぁ、いいブレスレットだな。拾ったのか?なら大事にするといいぞ」
漸く気づいたアカネは適当に返事を返す。
とは言っても、普段のアカネを知らない限り、まともに返答しているように見えるのは、アカネが武器の性能を見ることが出来るのをリリンも感づいていたからだろう。
「アカネさん、何してたんすか?」
何も見つけられなかったのかミハやリリンの後ろで暇そうにしているアズマとアルバートに一瞬視線をやってから、テオはアカネに訪ねる。
「いや、ここを進んだ所に何かあるなと思ってな」
「ここを進んだ所って、ここ多分行き止まりっすよ」
「いや、まあ見ていてくれ」
そう言うと部屋の端の方へ歩いていくアカネ。
そして彼女が部屋の角の壁を勢いよく押した。
ゴゴゴゴゴ…
大きな音を立てて部屋の中央が変形していく。
洞窟全体が生き物のように揺れて、その床は全く違う形を作り上げていく。
数秒後には、巨大なより地下へと進む階段が出現していた。
読んでくださりありがとうございます。
近々章分けを行う予定です。
今までの話しと後数話で纏めて第一章にしようと思っています。
今後もこのお話を宜しくお願いします。




