じゅうさんわー 時間が来た私とビクビク少女と友達
風花さんキャラ崩壊中。
今回こそはクールなキャラに!
ようやく打ち解けてくれたのか、彼女はやっとまともに話をしてくれるように成りました。
「それでは、貴方の好きなタイプを教えてください」
打ちとけるために使う常套句ですが、これで、彼女もイチコロです!
「え、...その、あえて言うなら、人を殺すような目つきを浮かべない人が...」
私と、目を合わせるか微妙なところでチラチラ、可愛い!
なに、この上目遣い、天才ですか、彼女は人を悩殺するスキルをお持ちなんですね!
「好きな色とかは、ありますか?!」
ハアハア。
「え...と、あおでしょうか」
いま、一歩後ろに下がりましたよ。
まあ、気にせずに。
彼女が作ったこの「青のフィールド」を見渡して見る。
「そうですね、確かに君は青が好きみたいですね」
と、しみじみと呟くと。
「え?わかるんですか?」
心底、驚いた声をもらしております。
でも、ねえ、周りを見ればわかりもしますよ。
だって、
「ここには、貴方の気遣いが、優しさが、あふれていますから」
身体をくるりと回す、360度、世界すべてこの「青の世界」をいっぺんも見逃すことがないように。
「ここには、貴方の気持ちが詰まっていますから」
と、笑いかけた。
嘘じゃない。
流れ返すあの青い母成る海も、風と共に踊る草原も、鬱蒼としながらどこか好奇心をくすぐる原生林も。
すべてが、すべてに、この目の前の、彼女の愛があふれているように見えた。
そして、どこまでも透き通る空に、あの青く澄み渡る空に、彼女の笑顔が見えた気がした。
なに?
意味がわからないって?
こういうのは気分なんだからいいの!
どれ位、話しただろか。
長いような、短いような、あっという間に時間が過ぎてしまったような気がする。
「あっというまだね」
思わずもれてしまった言葉。
「うん、たった三十分位だけどね」
へ?それだけ?
「そのうち、十分は鼻血を出したおにーさんが気絶いていて、その後、十分ほど追いかけられて、十分ほど話したね」
それは、あっという間ですね、わかります。
ところで、おにーさんって私?そういえば男キャラでしたっけ。
まあ、いいや、名残惜しいけど、明日も忙しいですから今日はもう落ちないとですね。
明日から、目の前の少女を含めた功労者達に送る固有武器の製作を行わなければいけない。
これは、忙しく成りそうだ。
と、少し憂鬱な気分を振り払いながら。
「それでは、私はそろそろ落ちます、今日は楽しかったですよ」
目の前でオドオド、プルプルしている、可愛い魔法少女さん。
これは、アレですね、良くある展開ですね。
例のアレです、こう手をだして名前を言い合う場面展開ですね。
「また、会えたらお話してくれますか、魔法使いさん?」
そう、笑いかけると、彼女はあきらめたように返事をくれた。
「ええ、もう血まみれで追っかけてこないと誓ってくれるなら」
む、心外だな。
私は、ただお友達に成りたかっただけなのに。
お友達?ああ、そうだついでにフレンド登録もお願いすればいいですね。
出していた手を引っ込めて、変わりにステータスカードを取り出す。
「良かったら、フレンド登録もお願いできますか?」
彼女は、何もいわず私のフレンド欄に名前を書き込んでくれました。
「ふうか、ですか...」
奇しくも私と同じ名前を、持つ可愛い魔法使いさんとの出会い。
それが、始めて彼と会った時の私の記憶です。
帰ろうときびすを返してから、ふと、思い当たりました。
そういえば、このままノリで、友達に成ってしまえばいいんじゃないでしょうか。
フレンドなんてそんな、表面だけの付き合いじゃなくて。
こう小説とかでもあるような「ぼ、僕と友達に成ってください」みたいな!
あ、アリですね!
決心した私は彼女にむけて言葉を発します。
急に振り向いた私に、驚いたような怪訝そうな表情を浮かべている彼女に。
-私と、友達に成ってくれませんか?
「好きです、私と、付き合ってもらえませんか?」
あれ、口の調子がおかしいですね?
-ログアウト-
ハアハア、クールにかけたかな?
え、かけてない?
そうですよね。