じゅういちわー 苛つく私と味のしない紅茶と相変わらずウザイ親友
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私は現在、私のアバターである「みこと」として、街を闊歩しております。
ふんーふーふー
機嫌がいいのですね、自分でもわかります。
いやー、この「みこと」を作ってくれた方に合えると思うと機嫌も良くなりますって!
ドドドドドドドドドッ
さてさて、「青のフィールド」でしたか?転送ゲートから向かいますかねー。
「まてまてっまーーーてーーーーい」
うるさいですね!何なんでしょうかねこのうるさいハエは、とりあえずつぶします。
と、私が振り上げた裏拳は、確かな感触の元、親友のアバターの顔面にめり込んだのだった。
「ふうか、これもう親友に対する接し方じゃないよね」
あら、失礼な人ねー
「これが、私の愛情表現だよ!」
ズビシ、と、地面に倒れこみながら、オヨヨと泣いている親友風味のアバターにいってやりました。
そう、いってやりましたとも!!!!
あー、すっきり。
「お前は、ゆがんでいる!!!!」
あーうるさいな!!
なんか、親友が叫んでいますね、あれ、私の足がかってに?
ゲシゲシ
「え、ちょっと?ふうかさん?いやーーーーー!!」
ゲシゲシ、ドゴ、バキ、ゴキ。
「それで?どうしたの、そんなに急いで」
所変わって、私達は近くにあったカフェに入りました。
あー、早く感覚情報が実装されないかなー。
この、甘いパフェが食べたいです、こっちだったら、いくら食べても太らないでしょ?
と、まだ、味のしない紅茶を気分だけですすって見る。
うん、なかなか?
「あのねー、大変いいにくいんだけど、「青のフィールド」にはグラフィック部以外はいれないんだよ」
目の前で、深々と頭を下げている親友。
あれ、なぜ机に頭をそんなにがんがんぶつけているのですか。
あら、良くみたら、頭の上には私の手が?不思議ですね?
「ちょ「ガンガン」きいて「ゴス」ち「メキ」ふうか!」
ちっ!振り払いやがった。
「はあはあ、まあ、いいわ、いつものことだし」
それは、こっちの科白だ!
「いや!私の科白よ!」
親友が、天に向かって咆哮をあげました、この子にはそろそろ黄色の救急車を呼んであげたほうが良いのでしょうか?
「やめて、ジョークになってないから!」
まあ実際、過労やストレスで運ばれた生徒は数知れずですしね。
「はあ、それで?私は「青のフィールド」に入れないと?」
とりあえず、紅茶でものんで落ち着きましょうか。
「うん、あそこは私達の領域だからね、流石に管理者と行っても、ただで入られたらほかの部員に示しがつかないと思うし」
はあ、そういうことですか。
「それで、何を条件にすれば入れてくれるのかしら?」
まあ、できるくらいの譲歩ならくれてやろう。
「うーん、うちらもみんなこのゲームにはかなり命かけているからさ、固有武器が欲しいな」
へ?
「あら、そんなものでいいの?」
私の言葉には、今度は向こうが驚いたようだ。
「いいの!?」
まあ、実際、上ではそういう話もあったのだ。
今回の功労者達にそれぞれ、何かアイテムか武器でも送ろうかっていう話があったりしたのだ。
まあ、とりあえず本営業までは見送ろうという、決定になっていたのだが。
それを、即急に進めればいいだけの話しなので、そこまで苦労もしない。
「いいわよ、もともとバイト代を増やすより、固有武器を与えたほうがあなた達は喜ぶだろうって話が合ったくらいだもの、すぐ欲しいなら、一週間後までにグラフィックなどを纏めておいてね」
「うん」
とても、いい笑顔でした。
「それで?これで『青のフィールド』に入れるのかしら」
「いいよ!...でも、何でそんなにあの子に会いたいの?」
え?そういえば、なぜ私はこんなにも必死になっているのかしらね?
「そうね、わからないわ、でも、あったらわかりそうな気がするの」
まあ、わからなかったわ、悩んでもしょうがないし。
「まあ、いいや!『青のフィールド』には転送ゲートに『青き清浄なる地』て打ち込んでから、パスワードに『最後の天使』って打ち込めばいいわ」
『最後の天使』?はあ、まあうちの学校はそんな奴ばっかりだけど。
「だれ?そんないたいパスワードつけたの?」
「え?私だだけど?」
お前かーーーーー!!
身近に、一番いたい人がいたのに驚愕した私だった。
「なぜ私は、こんな奴の親友をやっているのだろう」
はあ、とため息をついて、味のしない紅茶を一気に飲み干す。
おかげで、
「こっちの科白よ...」
彼女の声は聞こえなかった、ええ、聞こえませんでしたですとも。
後で、殺す!!!
この後、すっきりとした顔でゲートに向かう男性キャラと、喫茶店の路地裏でHPバーが0の状態で倒れている少女のアバターが目撃されたそうだ。
やっと、会えますね。
次回です。