まよ脱走事件
少し暑くなってきたある日。エアコンをつけるにはまだ早く、けれども部屋を締め切っていると暑い。そんな気候のある日。
電気代の節約のためにもベランダに通じる窓を開けて寝ることにした。網戸をしっかりと閉めて、開けることができないようにストッパーをつけて脱走対策は万全だ。まよは机の上の寝床で寝息を立てている。さぁ私も寝るか。窓からは夜の涼しい風が入ってきて心地よかった。
そして朝。
「おはよう、まよ。よく眠れたかな」
と、いつもの定位置にまよがいない。
ベランダの網戸も開けられた形跡はない。カーテンレールにも登ってはいない。タンスの上にもいない。ふすまも開いていない。まさか神隠し。可愛すぎて神様に連れて行かれたか。なんてふざけたことを考えているとベランダから鳴き声がした。
ベランダの端を見るとまよが座っていた。どうやって外に出たのか?ストッパーはしっかりとついていて外れてはいない。
「まよちゃんは、どうやって外に出たのかな」
まよを呼ぶと一目散に走ってきて、網戸の網を突き破って帰ってきた。よく見ると網戸の網を固定してあるゴムのパッキンが外れており、網が暖簾のようにひらひらと開くようになっていた。破られることは覚悟していたが、網ごと外すことは予定外であった。ベランダから外には出られなくなっているが、何かあってからでは遅いので、それ以来、エアコンに頼るようになった。




