15.ライバル対決!?ももとマリアちゃん
ダンジョンの中は薄暗くて、ちょっと怖かった。
いや、前世の記憶からするとこの程度は全然たいしたことはないはずなんだけど、そんな知識だけ持っていても全然関係なく、正直言うとちょっとじゃなくて今のわたしにはかなり怖かった。
今回はこの中にモンスターとかはいなくて、わたし含めて6人のメンバーで争うだけ・・・っていうのはわかっているんだけどね。
それと、6人の中で誰と初めに遭遇するんだろう、っていうのはかなり気になる。
まず、いきなりセリカと遭遇っていうのは絶対避けたい。
もしそうなったらわたしは戦うつもりはないけどね。
いや、ホントはわたしの勇者の力を別の誰かに奪われるより、素直にセリカにあげちゃった方がいいのかな。
だって、現状明らかに一番弱いわたしが勝ち残れる可能性なんて初めから皆無に等しいんだから。
でも、本音をいえば、他の子の勇者の力を少しでも手に入れて、その力ごとみんなセリカに託すのが理想的。
わたしが消滅しちゃう前にちょっとでもセリカの役に立ちたい、っていうのもあるからね。
だったら、最初に会うのに理想的なのは自分から負けフラグを立てまくってたルイス君かエミュリさんかな。
実力的には到底わたしが勝てるとは思えないんだけど、なんとなくあの子たちは自滅してくれるパターンのような気がする。
そんなに都合よくは行かないかな・・・。
けど、実際に初めに遭遇したのは、今考えたうちの誰でもなく、マリアちゃんとレミアちゃんの姉妹だった。
「はは・・・いきなりあっちゃったわね」
妹のマリアちゃんがちょっと冷や汗。
わたしもまったく同じ気分だ。
それからマリアちゃんはレミアちゃんの方に小走りにかけていって、2、3言葉を交わすとまた小走りで戻ってきた。
そして、
「ねえももちゃん、あたしと1対1で、正々堂々勝負しよう。お姉ちゃんには手出ししないようにお願いしたから。どっちが勝っても恨みっこなし。それでいいよね?」
わたしにとっては願ってもない条件だけど、マリアちゃんにとってはなんのメリットもない申し出だ。
マリアちゃん、セリカほど頼りになりそうな感じじゃないけど、立派な勇者様になれる素質はありそうな気がするよ。
なんかカッコイイ。
みんなが勇者になれるっていう訳じゃないのが残念で仕方ない。
マリアちゃんが出してくれたその立派な条件を、わたしが断る理由は何もなかった。
けど、マリアちゃんの方が一つ年上だし、勇者の力もわたしよりは強くって、この条件ですらわたしに勝ち目は薄いんだけど・・・。
でも、ほんの少しだけど、マリアちゃんになら負けても仕方ない、っていう気持ちもあったんだ。
そして、わたしとマリアちゃんはお互いに剣を構えて向かい合った。
マリアちゃんは体操服にブルマ、わたしはセリカとお揃いの勇者様の装備、と、恰好だけ見ればわたしの方が立派だったけど、剣の構えではマリアちゃんの方が圧倒的にさまになっている。
わたしは同世代の男の子たちとチャンバラごっこをしてただけでちゃんと剣術を習ったことなんてなかったけど、マリアちゃんはきっとちゃんとした剣術の先生に習っていたに違いない。
前世のことは、何があったか、は覚えてるのに剣術の型とかは全然と言っていいほど覚えていないのだ。
ハッキリ言って構えだけでも大きな差があった。
開始の合図すらまだだというのに、何をやっても負ける未来しか想像できない。
まさに蛇ににらまれた蛙っていう状態だった。




