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縛る青
中学生の頃学んだいくつかのことに人は鳥になれるってのがあって、だけどものすごく限られた者たちにしかあの空を飛んでいけたりはしないから、だから見ていた、ずっと君を見てた。見ていたのはぼくだけじゃなかった、何人もの生徒がその日がいつくるのかとしょっ中君のほうを向いて前兆みたいなのがあったりはしないかと注視し続けてて、でも幼さはぼくらじしんを強く縛る。あらゆるふうに縛るから、実際あの空を飛んでいってしまった君のことを、見届けるまでじぶんが言葉をついぞ持ててはいなかったこと、その怠惰に、ぼくはどうしようもなく泣いてしまったんだ。
そこに少女がやってきた、まだおとなになれないぼくに訊いた、君を見かけなかったかと。まだその場所にとどまっていたかったから、仕方なくぼくは答える。黙って卒業証書の筒を空の彼方に向けて持ち上げた。どこまでも深い青の世界の方を。
しばらく二人して遠くを見上げていた。でも少女が動き出さずにそこにいたのは、ただ涙をこんな場面でつかうまいとする愚かなプライドがあったから、それだけ。やがて少女は耐えきって、声もなく踵を返すと門に続く道を歩いて去っていく。
ぼくも続かないと。
でもその日ぼくは動けなかった、青に染まってしまって。そして今でもずっと同じ、ぼくを縛る青をずっとぼくは見ている。




