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第19話 残響

止まっている。


動かない。


警報だけが、

遠くで鳴っている。


銃口。

こちらへ。


目。


固定されたまま。


理解が、遅れている。


一拍。


――掌。


金。


欠片。


縁が、

食い込む。


鋭い。


離れない。


――内側。


触れる。


応答がない。


空ではない。


閉じている。


完全に。


流れが、

存在しないまま。


維持されている。


使うものが、

ない。


――引かれる。


肩。


後ろ。


布。


強く。


もう一度。


迷いがない。


振り向く。


近い。


顔。


呼吸。


荒い。


目。


止まらない。


「……動いて」


声。


短い。


引き。


今度は――


身体が従う。


――走る。


足。


重い。


遅い。


引かれるまま。


腕が振れる。


揃わない。


呼吸。


浅い。


速い。


喉が焼ける。


酸い。


肺が、

追いつかない。


――後ろ。


足音。


金属。


声。


遅れて、

世界が動く。


――通路。


長い。


直線。


白。


同じ。


同じ。


終わらない。


扉。


横。


閉。


押す。


動かない。


彼女が押す。


力。


私が、

手を添える。


重さ。


一度。


もう一度。


鋼が、

掌に返る。


鈍い振動。


跳ね返る。


閉じる。


衝撃。


向こう側。


止まらない。


離れる。


また走る。


――内側。


触れる。


閉じている。


揺れない。


完璧に。


何もないまま。


保たれている。


使えない。


それだけが、

確か。


――曲がる。


視界。


ずれる。


その先。


人。


一人。


警備。


銃。


構え。


止まっている。


目が合う。


撃たない。


動かない。


理解が、

遅れている。


一拍。


すり抜ける。


横を通る。


触れない。


通過。


――その先。


別の通路。


開けている。


違う。


音が違う。


光が違う。


横。


開口。


視界。


その中。


――蓮見。


認識は、

分割される。


位置。


姿勢。


距離。


警備員がいる。


一人ではない。


銃。


だが、

向けていない。


会話。


成立している。


遮らない。


止めない。


流れの中にいる。


顔が、

わずかに動く。


こちらへ。


遅れる。


一拍。


目が合う。


完全ではない。


気づいていない。


だが、合う。


何も起きない。


声もない。


合図もない。


引かれる。


視線が切れる。


通路が、

後ろへ消える。


残る。


未解決。


――前。


エレベーター。


開いている。


止まっている。


乗る。


すぐに。


振動。


閉まる。


遮断。


衝撃が、

遠ざかる。


足音が消える。


声が沈む。


上昇。


数字が変わる。


止まる。


開く。


光。


外。


空気。


触れる。


冷たい。


流れる。


頭上。


遮るものがない。


広がる。


距離がある。


出る。


数歩。


止まる。


膝が揺れる。


支えられる。


崩れない。


――見上げる。


空。


変わらない。


そこにある。


――掌。


開く。


金。


欠片。


繋がらない。


戻らない。


隣。


気配。


まだいる。


同じ距離。


何も言わない。


――内側。


閉じている。


何もないまま。


静か。


動かない。


――指が閉じる。


残ったものを、

握る。

第19話「残響」。

外に出た。

空は変わらない。

掌の中だけが、戻らない。

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