37話 薬剤師という未来・・・やっぱなし
予約投稿に失敗して本日2本目の投稿となっております。
次の日、少しドキドキしながら薬屋に行く。
あの後どうなったかが結構気になっていたので情報を聞きたい思い半分、あのおばあさんにまた何か怒られるんじゃないかという思い半分だ。
ちなみに何時もの回復薬は作って持ってきている。
少し緊張しながら薬屋に入る。
「待ってたよ。奥に来な。」
入るなりいきなりそう言われた。
当然、逆らう事も出来ず昨日話をした部屋に行く。
「結論から言えば、あの薬は効いたよ。」
良かった。結局あの薬で大丈夫なようだ。犬が死ぬなんて目覚めが悪いしね。
「だからさっさと残りを作りな。」
なんか凄いやっつけな感じで言われてしまった。
「取引は私が主にやるからあんたは薬を作るだけでいい。料金に関しては1本5万で売るからあんたの取り分は・・・まあ9割でいいか。だから1本、45000だね。」
9割でいいかって当然だろ俺が作ってるんだぞ。むしろ1割も持っていくのかよ。はい当然、怖くて言えないです。
「分かりました。」
早速、作りにかかる。
「待った。あんたが薬を作るところは見たくないから私が出ていってから作業しておくれ。」
どうやら俺の作業は見たくないらしい。まあそりゃそうか2週間も3週間もかかる作業が水に石を入れるだけの作業と知ったら俺だったら薬剤師やめたくなるわ。
知らなきゃよかった事なんて世の中一杯あるもんな。
「そうだ。今後、あんたが勝手に作った薬を使おうと思った時は必ず私の所に来て許可をとりな。絶対に勝手に人に使ったりするんじゃないよ。分かったね。」
なぜ俺が作った物を使うのにこのおばあさんの許可が必要なんだろうか。俺は薬を勝手に使う権利がありそれを執行しているだけなのだ。そしてこの権利は誰にも侵害されてはいけない物なのだ。
「分かったら返事。」
「はい。」
まあ薬は危険だからねきちんとした有識者の意見は重要だよね。薬も使いすぎれば毒って言うしね。
別にビビったわけではない。本当だよ、嘘じゃないよ。
そういえば作ったはいいけど一回も使ってない『消化』1.0の溶解液と『麻痺毒』1.0の麻痺毒薬があるがこれは見てもらった方がいいんだろうか。
なんか見せた瞬間怒られそうだから見せないでおくか。人に使う分に危ないから許可が必要かもしれないけど別に魔物に使う分には何の問題もないから別に見せなくていいよね。
「あんたなんか隠してるね。なんか変な薬があるならさっさと出しな。」
ドキッ。
なんでばれてしまったんだ。めちゃ睨まれている、超怖い。
しぶしぶ溶解液と麻痺毒薬を出す。
おばあさんは受け取ると例の薬を鑑定する器具を使って確認している。
確認し終えるとこっちを凄い睨んでいる。
「これは人に使ったりしてないだろうね。」
「してません。」
即答する。
「どっちも危ないから決して人には使うんじゃないよ。もし使っている所を見られたらうちで買ったっていうんだよ。いいね。」
「はい。」
「まったく本当にろくなもんじゃないね。これで全部だろうね。」
「全部です。」
薬として作った分はこれで全部だ。あとは手持ちのスキルで何か作れそうだけどそれを言うともっと怒られそうだから言わない。
嘘は言っていないから大丈夫なはずだ。
「なんか怪しいけどまあいいか。27本分薬を作ったらそこに置いておきな。お金は明日でいいね。」
「はい。後、今日の分の回復薬も持ってきているんですが。」
「それはこっちで預かるか。お金はちょっとまってな。」
そういうとおばあさんは回復薬を別の容器に移し、お金を持ってきた。
「じゃあ作業が終わったら勝手に帰っていいから。さっさと残りを作って帰りな。」
そういうと今度こそこの部屋から出ていった。
なんか凄い厄介者扱いだ。こんなに金儲けを持ってきているのにあんまりだ。
そうだ、お金で思い出した。この新しい治療薬は1本5万で売れるらしい。
前に冒険者ギルドで見た効果が半分の簡易治療薬は1本1万だったから単純に効果は2倍なのに金額は5倍だ。ボロ儲けだな。
1本45000で28本分売れるんだから全部で126万だ。とんでもない、普通にドンが買えてしまう。もう増やさないけど。
こんなに儲かるなら本格的に薬剤師になるのもありかもしれない。
問題はあのおばあさんとずっと怒られながら毎日を過ごしそうなことだ。
やっぱり今のままなんかあった時に少し稼ぐ程度にするか。
そんな事を考えながら残りの治療薬をぱぱっと作っていく。
作ったらさっさと出ていって水瓶を置いたら冒険者ギルドに行く。
昨日はうやむやになってしまったが教官に『剣術』の事を聞きたいのだ。
冒険者ギルドの受付に行くとマリーさんが話しかけてくれる。
「昨日は何か大変そうでしたね。もう大丈夫なんですか?」
「はい。もう大丈夫です。」
「それは良かった。」
「それで教官に『剣術』の事を聞きたいんですけど。」
そう言うとマリーさんが他の受付嬢に話しかけている。何かを確認しているようだ。
「今日はもう教官も帰ってきているみたいですからちょっと話を聞く位ならいいと思いますよ。」
そう言うとマリーは受付の席を立った。
「じゃあ行きましょうか。」
どうやら案内してくれるようだ。
マリーについて行きある部屋に入る。
なんか職員室みたいな雰囲気の部屋で沢山の仕事机と椅子があり何人かの人がいた。
その中で教官の姿を見つける。
マリーさんがそのまま話しかけて事情を説明してくれる。
「それじゃ私はこれで。」
「どうもありがとうございました。」
一通り事情を説明してれたマリーさんが戻っていくのでお礼を言った。本当にわざわざありがとうございます。
「ワタル久しぶりだな。それが噂のクラスアップしたゴブリン達か、3匹も育てるなんて凄いじゃないか。」
「ありがとうございます。」
そう言えば教官に最後に会ったのがゴブリン達を育て始めた時でクラスアップしたゴブリン達に会うのは初めてか。
「「ゲギャゲギャ」」
ゴブリン達を熱心に見ている教官に対してゴブリン達も謎のアピールをしている。
教官もアグーに憧れてたとか言ってたからゴブリンが好きなのかもしれない。
「それで『剣術』について聞きたいらしいな。具体的にはどんな事が聞きたいんだ。」
具体的、そう言われるとなかなか難しい。
「・・・漠然とした質問なんですけど『剣術』って使うとどうなるんですか。」
考えても出てこないのでフワッと聞く。
「どうなるというのはまた難しい事を聞くな。」
そう言うと教官は少し考えてしまった。すみませんこんな漠然とした質問で。
「『剣術』を使った時に他の武術と違う所を聞きたいとかそんな感じかな?」
「いえ。本当に『剣術』を覚えた人と覚えてない人だとどう違うのかとか、『剣術』を使って出来る事とかそんな感じです。」
「なるほどね。ワタルはまだ何の武術スキルも覚えてないんだったけ?」
「はい。」
「まずは武術スキルは全部そうだが2つの動作に集約されている。その武器を使った攻撃と武器を使った受けだ。」
そう言うと武術スキルの基本を教えてくれた。
それによると武術スキルは攻撃と受けの2種類の動きしかないらしい。
防御と言わないのはそこに避ける動きや他の物、例えば盾などを使った防御はまた別のスキルになるらしい。そう言えば教官は『盾術』も3.1と相当高い。
武術スキルを取得するときはひたすらに攻撃と受けを練習して取得するらしい。
そうして動きを体にしみ込ませ考えなくて体が動くようにする物らしい。
しかしそうするとその動きというものはスキルによる物なのだろうかそれとも単純に体に覚えさせた動きなのだろうか。
もしスキル石で『剣術』を付けた場合、いきなりその動きが出来るのかそれが分からない。
さらに俺の場合は剣にスキルが付いているのでまたその辺がややこしい。
現時点では剣が勝手に動いてくれる訳ではないので動きというものはないものと考えよう。
「他に『剣術』で出来ることってあるんですか?スキルが上がっていくと出来る事とか。」
「そうだな。動きが出来るようになればその後は攻撃力が上がる。」
「攻撃力ですか?」
攻撃力パラメータが上がる、そんなゲームみたいな概念があるんだろうか。
「何というかな。『剣術』なら剣に『槍術』なら槍に魔力というか闘気というかそんな力を込める事によって切れ味だったり貫通力だったり打撃力だったりが上がったりすることだな。」
なるほどそういうのがちゃんとあるのか。
じゃあ俺の魔鉄鋼剣も『剣術』補正は効いているのね。良かった全くの無駄じゃなかったのか。
まあまだその補正が効いているのかは確定してないけど、とにかくある前提で考えないと虚しくなってくる。
「まあその辺が一般的な武術スキルのレベルでの違いかな。まあスキルレベルで言えば3までだな。」
スキルレベルってやっぱりあるのか。
「だが当然、武術スキルはその先がある。」
教官は少し悪戯気に笑うと言葉を止める。
何、気になるんですけど。
「武術スキルは4を超えると別物になるんだよ。」
何か凄い意味ありげに溜めるな。
「まあこの話はいいか。」
「良くないです、教えて下さい。」
なんだよそこで止められると超気になるんですけど。
「知りたいか。」
「知りたいです。」
即答する。
「スキルレベルが4を超えるとな使えるようになるんだよ。」
何をだよ。
「・・・・・・必殺技だ。」
溜めに溜めてそう言う。
マジかよあるのか必殺技。テンション上がってきた。
現代で剣道とかやっている奴が必殺技とか言い出したら何言ってんだこいつと思うがここはファンタジー世界だ、なんかスラッシュとか2段斬りとかそういう技があってもおかしくない。
やったぜ!直ぐに4.0にしなきゃ。
「見たいか?」
「見たいです。」
そう言えば教官は『剣術』が4.5あったんだ。
「よしならばついてこい。ちょっとだけ見せてやる。」
「はい。」
「「ゲギャ!」」
「わん!」
なんかゴブリン達やギンも返事している。そうだよな必殺技なんて聞いたらテンション上がるよな。
そんなテンションのまま教官について行き訓練場に行く。
教官は自分用の木の剣と木の盾を持って来ていた。
「よしこの盾を構えろ。そのまま絶対に動くんじゃないぞ。」
そういうと木の盾を持たされる。一体何が始まるんです?
教官は5mは離れた所で剣を構える。
そして剣を振り上げ振り下ろした瞬間。後ろに吹っ飛ばされる。
何が起きたか分からない。
今更手や背中がじんじんしてきた。
「「ゲギャ!ゲギャ!」」
「わんわん!わんわん!」
あいつらもなんか凄い興奮している。
「大丈夫か?大分手加減したんだが。」
「大丈夫です。」
手を差し伸べられたので手を貸してもらって立ち上がる。
「見ての通りだ。これが『剣術』の必殺技だ。魔力とか闘気とか呼ばれている物を剣から飛ばす技だ。凄いだろ。」
「凄いです。」
まさか必殺技がこんな感じの物とは思わなかった。
この世界に来てから派手な魔法とかを見てなかったせいで今回も名前だけでイマイチ普通の技と違いが分からないような地味技だと思ったら、よりにもよって先生に教えてもらうストラッシュだとか月を斬ったりするような奴だったなんてテンション上がる。
そう、そういうので良いんだよ。これは是非とも取得したい。絶対大盛にしてやる。
「今のはかなり手加減しているから威力は低めだな。もっと力を込めれば盾ごとぶった切る事も出来る。」
さらっと恐ろしいこと言うな。じゃあ力加減間違えてたら俺は真っ二つって事か。やばすぎ。
「それに俺のスキルレベルではあまり広範囲には飛ばせないからな。もっと凄い人になると一つの軍団をぶった切った何て伝説もあるくらいだからな。」
それなんてファンタジー。
最近、普通に生活してたら忘れてたけどここはファンタジーの世界だった。
それくらい派手な事もあり得る世界だったんだ。
という事はだよ『剣術』スキルは高くなればなるほどこの必殺技が強くなるという事は魔鉄鋼剣のスキル容量は5.0なんだから『剣術』5.0にすればこの教官よりも凄い飛ぶ斬撃が出来るってことじゃないか。
これはもう魔鉄鋼剣に『剣術』スキルを5.0まで入れて飛ぶ斬撃無双するっきゃねえ。
と思ったけど『再生』を1.0入れてた。
誰だよ『再生』入れた奴出て来いよ。
俺だ。みんな済まない。
でも『剣術』スキルも最大までやれば4.0まで行くのであの必殺技は使う事は出来るという事だ。
これで方針は決まった必ず飛ぶ斬撃を手に入れて異世界無双してやるぜ。
予約投稿失敗のため次回は5/8の00:00に投稿する予定です。




