AIにキャッチコピーやあらすじを考えてもらうのはだいぶありだと思う
さて、ここ最近、AIに関する創作論やエッセイを何本か書いた。
AIに小説を書かせることについて。
AIを使って創作することについて。
あるいは、創作者がAIとどう付き合っていくべきなのか。
そんな話を色々と書いてきたわけだが、最近ついた感想の中に「たしかに」と思うものがあった。
なので、今回はその話について書いてみようと思う。
内容は、タイトル通りだ。
**AIにキャッチコピーやあらすじを考えてもらうのは、かなりありだと思う。**
もちろん、最終的に自分で決めるという前提ではあるけれど。
むしろ個人的には、小説の本文を書かせるよりも、こういう用途のほうがAIとの相性はいいのではないかと思っている。
というのも、キャッチコピーやあらすじというのは、意外と難しい。
小説本文は何万文字も書けるのに、それを数十文字で「面白そう」と思わせる。
あるいは、何十万文字もある物語の内容を、短い文章にまとめる。
これが、本当に難しいのだ。
書いている本人にとっては、自分の作品には思い入れがある。
あのシーンも重要だ。
このキャラクターも魅力的だ。
世界観についても説明したい。
伏線だってある。
しかし、あらすじに全部は書けない。
キャッチコピーなら、なおさらだ。
だからこそ、「読者にとって最初に面白そうだと思える部分はどこなのか」を客観的に考える必要がある。
そして、そこでAIが役に立つ。
たとえば、自分の書いた作品について、
「この作品の最大の売りは何だと思う?」
「カクヨムの読者に伝わりやすいキャッチコピーを十個考えて」
「このあらすじを、もっとテンポよく読みやすくして」
と聞けば、AIは色々な案を出してくれる。
その中には、正直「これは違うな」というものもある。
だが、それでいい。
十個出してもらって、一個もそのまま使えなくても問題ない。
「これは違う」
「でも、この表現は使えるかもしれない」
「そうか、俺の作品ってこういう方向性に見えるのか」
そんなふうに、自分一人では気づかなかった視点が手に入ることもあるからだ。
創作において、AIを「答えを出してくれる機械」として使う必要はない。
むしろ、**壁打ち相手として使うだけでも十分に価値がある。**
特にキャッチコピーやあらすじは、その価値が大きいと思う。
本文については、やはり作者自身の文章や感性が大切だ。
自分で書いた文章だからこそ、自分の作品になる。
だが、作品をどう紹介するかという部分は、必ずしも一人で悩み続ける必要はない。
AIに案を出してもらう。
それを見て、自分で選ぶ。
気に入らなければ書き直す。
最終的に決めるのは、自分だ。
この使い方なら、AIは創作者の代わりに創作する存在ではなく、作品をより多くの読者に届けるための補助役になってくれる。
そして何より、キャッチコピーやあらすじは「正解が一つではない」。
だからこそ、複数の案を一瞬で出してくれるAIとの相性がいいのだろう。
自分一人で一時間悩んで一案しか出ないところを、AIなら十案、二十案と出してくれる。
もちろん、その中から選ぶのは自分だ。
しかし、選択肢があるというだけで、考えやすくなる。
だから最近は、AIにキャッチコピーやあらすじを考えてもらうことについて、以前よりずっと肯定的になっている。
小説そのものを書くのは自分。
物語を作るのも自分。
キャラクターを愛するのも自分。
ただ、その作品を読者にどう届けるのかを考えるとき、AIに少し手伝ってもらう。
そのくらいの距離感が、今のところ自分にはちょうどいいのかもしれない。
――あ、ちなみに。
タイトルやタグについても、俺はAIに「良さそうなものを考えて」と聞くことがある。
これも別に悪い使い方ではないと思う。
思いつかなかった単語が出てきたり、自分では考えなかった方向性を提示してくれたりすることもあるからだ。
特に、作品の内容をある程度説明したうえで「タイトル案を二十個出して」と頼めば、それらしいものは大量に出てくる。
なので、アイデア出しとして使う分には便利だ。
……ただ。
個人的には、こちらはキャッチコピーやあらすじほど「そのまま使える」と感じることは少ない。
理由は単純だ。
**タイトルとタグは、作品の中身だけでは決まらないからだ。**
たとえばタイトルなら、同じようなタイトルの作品がすでに多くないか。
ランキングに並んだとき、他の作品の中で埋もれないか。
パッと見た瞬間に、どんな作品なのか伝わるか。
あるいは逆に、あえて内容を隠したほうが興味を引けるのか。
そういったことまで考える必要がある。
AIは作品の内容から「それっぽいタイトル」を作るのは得意だ。
しかし、「今この投稿サイトで、この作品がどう見えるのか」まで含めて考えるとなると、なかなか難しい。
結果として。
「悪くはない」
「ちゃんと内容にも合っている」
「でも、これだ! という感じではない」
そんなタイトル案が大量に並ぶことになりがちだ。
タグについても似たようなところがある。
AIは関連しそうなタグをたくさん出してくれる。
しかし、たくさんつければいいというものでもない。
実際にその作品を読む読者に届くのか。
そのタグで検索する人は、作品のターゲットと合っているのか。
どの要素を前面に出すべきなのか。
そういう判断は、最終的には作者自身が作品の方向性を考えて決める必要がある。
だから俺の場合、タイトルやタグについてAIに聞くときは、答えをもらうというよりも、
「こんな方向性もあるのか」
と、選択肢を増やすために使っている。
キャッチコピーやあらすじは、AIの提案をそのまま採用することもある。
だが、タイトルとタグについては、あくまで参考資料。
最終的には自分で考えたもののほうがしっくりくることが多い。
このあたりも、AIを使う上では結構大事なことなのかもしれない。
AIが出したものを全部使う必要はない。
便利なところだけ使えばいい。
キャッチコピーは使えるなら使う。
あらすじも参考になるなら参考にする。
タイトルは案だけもらう。
タグも候補として眺める。
そして、最終的に自分が「これだ」と思ったものを選ぶ。
AIを使うか、使わないか。
その二択で考える必要はないのだと思う。
**自分にとって役に立つ部分だけを使えばいい。**
たぶん、それが一番気楽で、一番創作を楽しめる使い方なのではないだろうか。
少なくとも、今の俺はそう思っている。




