表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

第1話

   

 小さい頃、母方(ははかた)の祖父から「うちは南フランスの一族の血を引いてるんだよ」と言われたことがある。ただし祖父の時点で既にハーフやクォーターでなく、何分の一なのか何十分の一なのかわからないほど、薄い薄いものだったらしい。

 当時の私には「ハーフ」も「クォーター」も意味不明な言葉だったが、とりあえず「薄い」はわかるので、祖父が言っている内容も何となく理解できた。

 ごくわずかではあるものの、自分にも外国人の血が混じっている。それは何だか素敵な話に思えたけれど、私が嬉しそうな表情になると、祖父は暗い顔で首を横に振っていた。

「いいかい、この話は内緒にしておくんだよ。南フランスでは、うちの祖先は迫害されていた、という話だからね……」


 当時は印象深い話だったとしても、いつのまにか記憶の中で風化していったらしく、すっかり忘れていたくらいだ。

 それなのにふと思い出したのは、あの男のせいだろう。数ヶ月前の夜、私は奇妙な男に出会ったのだ。

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ