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A.O. ~Angel Organization(天使機構)~  作者: ぶーたん
第一章 『宿命の者』~【権田 一郎】篇
3/3

その二 ~想定外の男~

表現等が旧いかもしれませんが

宜しくお願い致します。

    


  突然、叫んだこの女子に対して

 一郎はとりあえず振り返りはしたが

 どう見ても関心は全くないようにしか

 見えなかった。


  「は~っ、ってゆ~かさ、

 結局、助けたじゃん。

 あんたのことさ・・・・・・もういいよな。

 それとさ、あんたの声さ、

 悪ぃけど耳がキンキンするんだよな。

 あんた、何企んでんだかしらねぇが

 こーゆー美人局(つつもたせ)みてぇな

 真似止めた方がいいぜ、じゃ、

 そーゆー訳で」


  そう言い残すと彼はそのまま歩き出した。

 しかもゆっくりと歩いている割には妙に

 早い、そんな彼をこの少女は半ば放心状態で

 見送っていた。


  「あっ、ちょっ、ちょっと・・・・・・」


  「ヒューッ」


  そんな彼女にまるで追い打ちをかける

 ように冷たい風が吹いて来た。

 風はお約束のように彼女のスカートを

 捲り上げると思いっきり縞模様のショーツが

 丸見えになっていた。

 にも関わらず、彼女はしばらく固まったまま

 だった。


  何故こんなことになったのだろう?


  彼女にはまるで理解が出来ていなかった。

 少なくとも彼女は自分の可愛さには自信が

 あった。

 そして女の子らしい可愛い声も気に入って

 いた。

 だがそんな彼女の細やかなプライドが

 一瞬で粉々に打ち砕かれたのだった。

 それも糞豚野郎と実の母親にまで

 呼ばれている不細工なオッサン顔の男子に

 ・・・・・・


  そんな放心状態の彼女にたまたま横を

 通りかかった人の良さそうなおばちゃんが

 元気よく言った。


  「ちょっとぉ、やだよぉ、あんたさ、

 見えてるよっ、大事なもんがさぁ~っ、

 アハハ~っ」


  彼女はその声に我に返るとゆっくりと

 下を向いた。

 すると彼女は急に真赤になると突然、

 その場から逃げるように走り出した。

 無論、スカートは直したようだが・・・・・・


  「い、いやーっ!!何なのっ、

 何なのこれはぁぁぁ~っ

 (な、なんなんですかぁっ、あの人はぁっ、

 あの人・・・・・・私のお相手なんですよねっ、

 『宿命の者』なんですよねぇっ、

 それなのに・・・・・・それなのにぃぃぃ~っ、

 私を、こんなに可愛い私を美人局扱いって、

 ど~ゆ~ことなんですかっ、

 しかもっ、あの人、この世界を救う英雄

 なんですよねっ、

 それなのに私を助けないなんて・・・・・・

 あり得ませんっ、

 絶対にあり得ませんっ!!

 

  予想外ですっ、いいえ、

  規格外ですっ、いいえ、

  想定外です~っ!!)」


  一郎に言われたことが余りにショック

 過ぎたのか、彼女はかなり混乱して

 しまっているようだった。


  だが、彼女は大事なことを見落としていた

 のだった。先程、彼が四人の間抜けな輩に

 対して言った言葉、そう一郎が彼らに対して

 発した言葉、


  『・・・・・・助けるのはそこの

 バカ共四人だろ』


  彼が発したこの言葉の意味とは

 どういうことなのだろうか・・・・・・



 ・・・・・・・・・・・・・・


  一方、一郎は何事もなかったように

 歩いているように端からは見えたのだが

 実はそうではなかった。

 

  ヌボーっとしているようにしか見えないが

 内心かなり考え込んでいた。


  「う~ん、それにしてもあの女は

 一体何者、つ~か・・・・・・何なんだ?  

 (・・・・・・あの女の背中に生えてたのって、

 ありゃ、羽だよなぁ・・・・・・

 コスプレにしちゃ妙にリアルってか、

 なんて~か、しかもあの女、うちの制服

 着てたしなぁ~、よくわかんねぇが・・・・・・

 しかも俺の見立てじゃあの女、

 そーとー強ぇぞ・・・・・・まともに

 やり合ったら今の俺じゃ厳しそうだな、

 ってところだよなぁ~っ、

 違うか・・・・・・【俺の中の化け物】)」

  

  彼は心の中でそう言っていた、

 まるで彼の中には何かがいるように。

 彼には物心がついた頃辺りから

 おかしな物が見えるようになっていた。

 それはこの世ならざる存在・・・・・・

 所謂、魔物や悪魔と云った存在を

 関知することが出来たのだった。

 そして年齢を重ねる毎にその能力は

 どんどん研ぎ澄まされていった。

 彼は自身が危険を感じた存在の持つ

 戦闘力を知覚として感じることが

 出来たのだった。

 そんな彼には乃愛の偽装等、

 最初から通じる筈もなかった。


  彼には何故、そんな能力が具わって  

 いるのだろうか。

 彼自身が感じている【彼の中の化け物】

 とは一体どのようなものであるのか。

 それに関しては残念ながら彼にもよくは

 分からないようだった。

 ただ一つだけ彼が認識していたことが

 あった。

 彼がその化け物に対して確信していたことは

 その化け物を絶対に表に出してはならないと

 ということだった。


  一郎はそんなことを考えながら一応、

 学校に向かっていたが、その途中で

 何かに気づいたようだった。


  「ん、ありゃあ、隣のクラスの連中だな、

 確か・・・・・・あのちっこいのが 粕谷(かすや)で、

 その周りを囲んでやがんのが

 滝谷(たきや)と犀川(さいかわ)と

 斎藤(さいとう)か?

 へっ、面白そうなことやってんじゃねぇか、

 あいつら」


  一郎はそう呟くとまるで猫が、

 否、虎が玩具を与えられたような顔をした。

 

 

 





  




 

 

 


 


 

 

 

更新が我ながら遅くて情けないのですが

ご意見、ご感想お待ちしております。

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