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93話 勇者ギルハート②

 ギルハートからされた理不尽かつ身勝手な振る舞い。激しく逆上するリィンは、理性を失った猛獣の如く彼へ飛びかかる!


「貴様ァァァァァァーーーーーー!!!」

「やれやれ。お前も他の奴等と同様、ボクの剣の餌食になるのか……」


 彼女の行動を予測していたギルハート。冷静に隙だらけに晒される胴体へ剣を滑り込ませる!


「させるか!」

 パァン!

 パァン!!


 刹那(せつな)、魔王の銃が火を吹いた!!


「ちっ!」


 不意の妨害を受け、咄嗟に後ろへ飛び退くギルハート。おかげでリィンは絶命の危機から逃れられた!


「ま、魔王様……」

「落ち着けリィン。下らない挑発に乗っては勇者の思うツボだ!」

「……ハイ、申し訳ありません」


 諭されて頭を冷やすリィン。魔王はその様子を見届けたあと、再びギルハートへ向き直す。


「……さて、久しぶりの再会だな勇者よ」


 このセリフにギルハートは不思議そうに首を傾げる。


「再会? ボクとキミは以前にも会ったことがあるのかい?」

「ああそうだ。さらに言えば、余はお前に一度殺されてる」

「殺され……? ずいぶんと穏やかじゃないけど、正直ボクには心当たりがない。よければ教えてくれないかな?」


 そう訊かれた魔王は、今の自分の姿なら疑問に思われても仕方ないと教える。


「余は魔王だ。あの戦いで貴様に敗れたあと、地獄の底から甦ったのだ!!」

「ま、魔王だって!?」


 自分が殺したはずの相手が生きていたという衝撃の事実に、ギルハートは目を見開いて驚く!


「い、言われてみれば確かに面影はある。けど……何だか前より縮んでない?」

「言うな!」


 嫌な指摘をはねつける魔王の一方、ギルハートは改めて目の前に立つ相手の姿形を確認。


「え~と、キミが魔王なのは取り敢えず確定として……わざわざボクの前に現れたのは?」

「貴様に復讐するために決まってるだろうが!!」


 さも当然だと言い放つ魔王のセリフに、ギルハートは魔王の主張をそのまま信じる。


「復讐か……なるほど、アディアが言ってた通りか。だけど、キミ達の力でそれができると本気で思ってる?」

「どういう意味だ?」

「見たところキミ達は万全ではない。それに例え全快だったとしても、到底勝ち目がないのは理解してるはず……違うかい?」


 もっともらしく語るギルハート。言っていることは正しいが、それを素直に受け入れてやるわけにはいかない魔王は淡々と言い返す。


「ずいぶんと余裕のある言い回しだな。何なら試してみるか?」

「ハハハ! 御望みなら、いくらでもつき合ってあげるよ♪」


 あからさまな挑発をされて笑顔を見せるギルハート。しばらくの間睨み合ったあと、先に手を出したのは……?


「隙あり! デス・インパクトォォォォーーーー!!」


 上空から奇襲を仕掛けたアディアだった!


「くっ、ここでキミが動くとわね!」


 魔王との会話に気を取られていたギルハート。不意を突かれたせいで慌てて回避行動をとろうとするが、いつの間にか自身へ銃口を向けられているのに気づく!


「こっちもか! 敵ながら見事な連係だよ!」


 空中と地上からの同時攻撃に感心するギルハート。窮地に陥った彼は対応を迫られる!!

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