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34話 燃え盛る炎のなかで

 燃え盛る炎の中からロゴスとザクノバの二人が脱出した後、取り残された魔王とアディアは深刻な事態に陥る。


「ハァ、ハァ……まったく、何を食ってるかは知らんが、なんて重い女なんだ……」


 魔王は懸命に気を失った大人のアディアを引きずって脱出を試みてるが、子供の身体である彼にはにっちもさっちもいかない。しかし、だからといって彼女をこのまま放ってはおけないので……


「こ、こうなったら一か八かだ!」


 意を決し、アディアを無理矢理に抱え上げる!


「うおおおおおーーーーーー!!」


 そして、持てる力を振り絞って前へ進む!


「ハァ、ハァ……魔王たる余が……どうしてこんなに必死になってるんだか……」


 己の行動に疑問を持つ魔王。その時だ!


 メキッ!

「!?」


 不吉な音に反応して見上げると、先程の戦闘で脆くなった天井の(はり)が今にも崩れ落ちそうになって……


 バキバキッ!!

「ま、まずい、落ちる!!」


 頭上から落下する破片から咄嗟にアディアを庇おうと身を(よじ)るが、その瞬間に彼の身体はフワリと浮いてその場から高速で移動する!


「え?」


 狐つままれたような感覚に戸惑ってると、聞き覚えがある声が。


「危なかったわね魔王」

「き、貴様……目を覚ましたのか!?」


 声の主はアディア。どうやら、ギリギリで目覚めた彼女が逆に魔王を抱えて危機から脱してくれたようだった。


「それにしてもあの二人……派手にやってくれたわね」


 散々やられて憤りの表情をみせるアディアに、魔王も続く。


「ああ、何もかも丸焼けだな」

「まったくよ。この借りは返さないと気がすまないわ!」

「同感だ……ところでものは相談なんだが、そろそろ下ろしてくれないか?」

「え? あ、ごめん!」


 アディアは自分が魔王をお姫様抱っこにしていたのに気づき、慌てて彼を解放する。


「やれやれ、ようやく地に足が着けたところであとは脱出するだけだな」

「そうね。それじゃあさっそく玄関から……」

「待て、そっちはヤツ等に待ち伏せされてないか?」

「そうかも。よく気づいたわね」

「貴様が言ってたからな」

「へぇ、過去の私はしっかりしてるわ」

「……」


 自身に感心する彼女を他所に相手に、魔王は話を進める。


「……とにかく急いで脱出だ。待ち伏せされてる可能性があるなら、反対側の壁をぶち破れば出し抜けないか?」

「いいアイデアね。どうせこの家は燃えて失くなるんだから、遠慮なくやってやるわよ!」


 アディアはそう開き直り、奇跡的に無傷で燃え残っていた大槌を拾って振りかぶる。


「じゃあやるわよ!」

「一応静かにな。ヤツ等に気づかれたら面倒だ」

「ハイハイ、その辺は心得てます……よっと!!」


 ドン!!

 壁は見事に破壊され、目の前には立派な脱出口ができた。


「急ぐわよ!」

「ああ……って、何をしてる?」

「肩車。急がないといけないから」

「……絶対に揺らすなよ」

「善処はするわ……それっ!」

「うぉ! いきなり走り出すヤツがいるかバカぁぁぁぁーーーー!!」


 恐怖の叫びと共に颯爽とその場をあとにする二人。彼は一体どこへ向かうのだろうか?

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