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33話 戦いの決着は?

「どうやら今回はワシの技が勝ったようじゃな」


 勝利を確信したセリフを吐くロゴスは、うつ伏せで気を失ってるアディアを見下ろして続ける。


「さて……当初の予定通り、お主の命をもらい受けるぞ」


 言葉通りに止めを実行するため、物言わぬ彼女の首筋に片脚を乗せると……


「昔のよしみじゃ。せめて苦しまぬように逝かせてやる」


 そのまま力を込め、躊躇なく踏み抜く……!


「そこから離れろ!!」

「!?」


 突然の声に行為を止めて視線を向けるロゴス。その先には五、六歳程度の子供が銃を構えて立っていた!


「……小僧、そんなものを人に向けてなんのつもりじゃ?」


 呼ばれた小僧の魔王は淡々と答える。


「貴様にそこから退いてもらうつもりだ」


 当然この答えを「はい、そうですか」と受け入れる気はないロゴスは言う。


「退かぬ……と言ったらどうするんじゃ?」

「コイツで貴様の頭に風穴を空けてやるだけだ」

「そうか。では仕方ない……のぉ!!」


 まさに一瞬のことだった。ロゴスが目にも止まらぬスピードで魔王の持つ銃を手刀で叩き落としたのは!


「し、しまった!」


 慌てて銃を拾おうと手を伸ばすも!


「おっと!」


 それが届く寸前、ザクノバに銃を踏みつけられて拾うのを阻まれてしまう!


「オイ! その汚い足をさっさと退かせ!!」


 怒りに任せた命令口調で言い放つ魔王。これにザクノバは、薄ら笑いを浮かべて答える。


「悪いなボウズ。これはお前さんには過ぎた玩具(おもちゃ)だから没収だ♪」

「貴様……!」

「オイオイ。そんなに睨みつけても、この足は退かしてやらな……ギャアアアーーーー!!」


 子供の見かけに油断していたか、銃を踏みつけていた足には鋭く尖ったものがグサリと突き刺さる!


「杖を折られた魔法使い風情(ふぜい)が意気がるな。貴様は黙ってその足を退かせばいいだけだ」

「て、てめえ……よくもやってくれたな……」


 激痛から足を退かして引き下がるザクノバに、魔王は手に握っていたものを自慢気に見せびらかせて言う。


「余が退治してやった熊の爪だ。記念になるかと持って帰ってみたが、案外役に立つものだな」

「く、くそ……うっ!」


 よろけて堪らず尻餅を着くザクノバ。刺された箇所からはおびただしい血が流れる。


「さて……」


 銃を拾った魔王は、再びロゴスに向かって構える。


「これで仲間の助けはなくなった。あとは貴様の頭に風穴を空けるだけだな」


 魔王の逆転勝利……そう思えたが、ロゴスはどういわけか不気味な笑みを浮かべる。


 パチパチ……!


「青いな」

「何を?」

「周りをよく見てみるんじゃな」

「周り……だと?」


 チラリと視線を移してみるとそこには……


「な、なんだこれはぁぁぁーーーー!?」


 魔王が大声を上げて驚愕するのは無理もない。何故なら彼等の周囲には燃え盛る炎によって囲まれていたからだ!


「くそっ、ファイヤー・アロー(さっきのヤツ)の火がこんなに広がっていたか!」

「フォフォフォ! どうやらこの戦いは水入り……いや、この場合は火入りといったところか? どちらにしろ、早く脱出せんと互いのためにならんぞ?」

「ぬぐっ!」


 悔しいがその通りだ。早く脱出しないとここにいる全員が丸焼きになる!


「じゃあ悪いが、ワシ等はワシ等で勝手にいかせてもらう。いくぞ、ザクノバ」


 ロゴスはそう言って負傷しているザクノバに肩を貸す。


「ジ、ジイさん……すまねぇ」

「なぁに、お主には借りがあるんじゃ」

「あ、ああ……なら、これで貸し借りなしになるな」

「そういうことじゃ。では急ぐぞ」


 追手二人が自ら通って来た玄関から逃げ出す一方、魔王とアディアは深刻な事態に陥っていた。


「ぐっ、ぐぐ……この……」


 倒れたアディアを懸命に引きずって外に連れ出そうする魔王。だが悲しいかな、子供の身体で気を失った大の大人を連れて逃げるにはあまりにも無理があり過ぎる。


「ゴホッ!ゴホッ……!」


 おまけに間近にまで迫る炎と煙の脅威に晒されるせいで視界がぼやけ、呼吸も苦しい。


「ま、まずいな……このままだと共倒れになりかねないぞ」


 まさに絶体絶命の状況。二人の運命は一体どうなるのか!?

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