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女装剤  作者: 嬉々ゆう
22/91

第21話 「魔法使いの服と付与魔法とケモ耳と」

やっと、本物の冒険者になった晴蘭達ポンコツ3人娘達!

そのお祝いとして、良子からプレゼントを買ってもらえる事になったが、またやらかしてしまう。

そして魔法使いとは、重大なミスを起こすと、師として使える魔法使いから罰を与えられる。

その罰とは・・・



文章力が無いので、もしかしたら読み辛い部分もあるかも知れません。また「紀州弁」を意識して書いたので見苦しい所もあるとは思いますがご了承ください。あえて主観「紀州弁」を設定しました。



••✼••冒険者ギルド••✼••



「よくやった! ポンコツ3人娘達よ!」


「「「はい!!」」」


「途中で何度も助けに入ろうかと身を固くしたが、どうやら杞憂じゃったな」


「「「えへへ・・・・」」」



 晴蘭達は、良子に褒められてウキウキだった。

 ところが・・・・



「それより何じゃ! あの魔法は?!」

 泣き出しそうな表情で「Why?」の姿勢な良子。


「「「はい?」」」


「エア・バレット? 茨のムチ? かんしゃく玉?」


「「「・・・へ?」」」


「挙句の果てには、串刺し? スターダスト? ショットガン?!」


「「「・・・???」」」


「お前達は、あの森を破壊するつもりか?!」


「「「ええっ?!」」」


「なんなんじゃ! あのバカげた威力は?! 1000年前の勇者達の技に匹敵するではないか!!」


「「「えええ━━━?!」」」



 あれれ? なぜか怒られてしまった。

 1000年前? 勇者達に匹敵する? なにそれ?

 良子に、自分達の新しく開発した魔法の事を言われて、魔法を開発する事とは、この世界では「禁忌」なのか?と焦ったが、どうやらそう言う事ではないらしい。



「しかも!!」

 魔法の杖を向けられる。


「「「ひっ!!」」」


「魔法とは、魔女や魔法使い達が、何年も何十年も、考え、悩み、研究し、寝る間も惜しみ、身を削り、血の(にじ)むような努力をし、ときには挫折して、それでも(くじ)けずに、やっとの事で少し構想する魔法を形にできる事ができ、更に! それから長年もの精霊との対話や交渉によって、やっと、やっと、やっとの事で、ひとつの魔法が完成するもんじゃのに、お前達ときたら、たったの数時間で完璧な魔法を作り出しおってからに!」


「「「・・・・・・????」」」


「お前達は、この世界を支配するつもりか?!」


「「「えええええ━━━?!」」」



 良子からの話しによると、「魔法」とは、魔女や魔法使い達が、何年も何十年も研究して、そしてやっとの事で、ひとつの魔法が形になり、それから更に何年も何十年もの精霊との対話や交渉によって、やっとひとつの魔法が完成するのだとか。


 知らんがな!!


 だが、それは仕方がないことなのだ。

 なぜなら、この世界とは、常識や、既成概念や、既有概念が違い、また、物理的法則の概念が、この世界には無いのだ。

 当たり前である。

 この世界は、地球で言うなら、中世時代に相当する。

 0が発見されて、数百年といったところか。

 地球とは、科学的概念の歴史の流れこそが違うのだ。

 なぜならこの世界には、「魔法」があるからだ。

 なので、「科学や物理」という概念が、未だに希薄なのだ。

 それらよりも、「スピリチュアル」な思想が強いと言える。


 でも晴蘭達には、学校や家族や前人や先輩から教わる、専門家ほどではなくても、最低限の常識的範囲の物理的、科学的知識がある。

 それらを魔法に取り入れる事によって、晴蘭達はこの世界の人々には持ち得ない魔法概念を確立し、簡単に新しい魔法を開発してしまったのだった。


 ただ幸いにも晴蘭達は、科学者でも、物理学者でも、量子力学者でもない。

 ただの一般人である。

 晴蘭はエンジニアの父親を持ち、晴蘭自身もエンジニア気質ではあるが。

 もし、前者がこの世界に来たなら、もっと恐ろしい魔法を開発していたに違いない。

 そこは、不幸中の幸い言うべきか。



「今後は、常識的な範囲で、魔法に取り組むようにな!」


「「「はあい!!」」」



 取り敢えず、返事はしたのだが、「常識的範囲」とは何なのか、理解できない晴蘭達だった・・・・・・



「いや、すまん! ちょいと興奮してしもおたわい」


「「「いえ・・・・・・(汗)」」」

 縮こまるポンコツ3人娘達。


「まあよい せっかく冒険者になったのじゃ 駆け出し冒険者クエストを受け続けて、魔物(モンスター)を討伐できるランクにまで上げておくのじゃ」


「「「え? はい!」」」



 こうして晴蘭達ポンコツ3人娘達は、駆け出し冒険者クエストを受ける事になった。

 駆け出し冒険者クエストとは、主に雑用や薬草などの素材採集である。

 良子は、駆け出し冒険者用のクエスト依頼書を貼り付けてある掲示板まて晴蘭達を誘導する。



「ここじゃ! この伝言板に貼られているものが、駆け出し冒険者用の依頼書じゃな」


「「「おおお~~~」」」



 晴蘭達も、何度か見た事はあるが、こうしてマジマジと見たのは初めてである。

 駆け出し冒険者用の依頼とは、主に雑用なわけで、この街の住人達からの依頼が殆どで、数も他のクラスの依頼よりもかなり多い。

 掲示板には、隙間が無いほどに、ビッシリと依頼書が貼り付けてあった。



「いいかよく聞け!」


「「「はい・・・」」」


魔物モンスターの討伐ができる『初心の冒険者』になる為には、駆け出し冒険者用のクエストを受けて点数を稼がなければならない」


「「「おおお~~~」」」


「そしてな、クエストひとつ完遂する事で、1ポイントが貰える」


「「「ふんふん」」」


「そして、駆け出し冒険者から卒業できる点数とは、100ポイントなんじゃ!」


「「「ひゃくぽいんとぉ?!」」」



 なんと! 駆け出し冒険者としてクエストをひとつ受けることにより、1ポイント貰えるらしい。

 駆け出し冒険者を卒業するためには、そのポイントを100ポイント集めなきゃ卒業できないと言うことだ。

 つまり、100個のクエストを完遂しなければならないのだ!

 1日1個のクエストを完遂したとしても、単純計算で3ヶ月半?!



「がぁあぁあぁあぁ~~~ん!!!」


「これも仕方がない事なのじゃ! この世界の駆け出し冒険者達は、これらの依頼をこなし、そして肉体も精神も鍛えるのじゃ 駆け出し冒険者とは、それほどにか弱い存在だと言える それにこの世界の魔法使い達は、お前達ポンコツ3人娘達の様に、無尽に魔法をバシバシ発動できるものではない たとえベテランの魔法使いの冒険者でもな」


「「「・・・???」」」

 首を傾げる晴蘭達。


「んぐぐ・・・解ってないようじゃな?」


「「「・・・・・・???」」」

 もっと首を傾げる晴蘭達。



 確かに、晴蘭達は、解ってなかった。

 なぜなら晴蘭達は、魔法を発動する時は、精霊と上手く意思疎通が出来ているので、精霊から借りた魔力をどの様に使い、どの様に発動するのかが精霊と上手く理解し合えているし、自分の魔力の消費も、1度の魔法で最低限の魔力1で発動できるのだ。


 だが、この世界の魔法使い達は、そうではない。


 まず、精霊との意思疎通が上手く出来ていない。

 魔法の概念、四大元素の概念が確立していないので、魔力でどんな魔法を発動させるのか、魔力をどの様に操り、どこまで抑えられるかと、この世界の人々には理解が追い付いていない。

 その点晴蘭達は、精霊と上手く意思疎通ができ、交渉に成功していた。

 なので、この世界の魔法使い達に限らず、全ての人々は、精霊と意思疎通が出来ていないし、魔法を上手く使えこなせていないと言えるのだ。

 なので、どうしても力任せな、非常に効率の悪い魔法の使い方となり、足りない魔力を魔石に頼る魔法の発動方法になってしまっていると言えるのだ。



「とにかくじゃ、これからはしばらく、駆け出し冒険者用のクエストを受ける毎日になるじゃろうな」


「「「うぇ~~~il||li」」」


「そう悲観するな 誰もが通る道じゃ」


「「「はぁ~~~い・・・」」」



 こうして晴蘭達は、駆け出し冒険者用のクエストを受ける事になった。



「よし! お前達ポンコツ3人娘達が駆け出し冒険者となった祝いじゃ!」


「「「え?・・」」」


「私から、今のお前達の装備可能な、初級魔法使いの装備をプレゼントしてやろう!」


「「「ぃやったぁああああ━━━!!」」」


「いぇ~~~い!!」

 飛び跳ねる晴蘭。


「ひやっほぉ~~~い!!」

 ガッツポーズの海音。


「いえいいえ━━━い!!」

 両手の親指を立てて上下に振り喜ぶ千春。


「クスッ まったく、凹んだり、喜んだりと、せわしなく現金な奴らじゃ♪」



 こうして晴蘭達と良子は、街の繁華街へと向かった。




••✼••トスターの繁華街••✼••



 トスターの街の繁華街は、冒険者ギルドから、「始まりの地」の、「噴水広場」を挟んで反対側に位置する。

 中心から、宮廷、王都、王都騎士団街、上級貴族街、下級貴族街、商店街、平民庶民街、繁華街、噴水広場、冒険者ギルド街となっている。

 冒険者ギルド側では、主に冒険者や商人たちがよく目立ったが、繁華街には、一般人、傭兵、商人達が目立つ。

 3車線ほどの広さの未舗装の道路が伸び、道路の両サイドには、ビッシリと数多くの露店が並び、庶民達の家なども露店の奥に建ち並ぶ。

 更に奥へ行くと、庶民街と商店街とを隔てる壁があり、その壁を超えると商店などの建物が建ち並ぶ商店街となっている。

 そこまでが、一般人庶民や、冒険者達が行き来できる範囲だ。

 そして商店街の向こうにある高い壁の向こうには、モザイクタイルのようなタイル張りの道路になっており、下級貴族街となっているとか。

 さらに奥が、上級貴族と王都となっているらしい。

 晴蘭達の様な一般人や冒険者達は入れない区域だ。


 だが、晴蘭達には、そんな場所には興味など無い。



••✼••繁華街••✼••



 晴蘭達は、繁華街に居た。



「さて、先ずは防具類などを選ぶかの」


「「「はぁ━━━い!」」」


「向かって右側が防御装備類に魔導具や魔法薬類、向かって左側が様々な職種の武器などが売られている店じゃな」


「「「うわぁ~~~!」」」


バタバタバタバタッ!

 縄の切れた鶏のように縦横無尽に駆け出す晴蘭達。


「あっ! こらっ!・・・ふふふ、まったく」



 晴蘭達は、我先と店を見て回った。

 以前にも、良子と一緒に来た事はあるのだが、今回は欲しい物を買いに来たのだ。

 ゆっくりと見て回る晴蘭達。


 晴蘭は、良子が着ている様な、魔法使いの服が欲しかった。

 今晴蘭達が着ている服装は、ノルウェー女性の民族衣装に似た服で、裾を短くしたようなもの。

 とても可愛らしい服なのだが、魔法使いというより、完全に「町娘」だ。

 晴蘭が、裾を捲り上げてロープでベルトの様に縛り、「移動スキル1馬力」で走る姿は滑稽だった。

 かと言って、魔法使いの服で、スカートをめくり上げて1馬力で走るのも、滑稽だとは思うが。

 それはそれ。

 とにかく、魔法使いの服を探す晴蘭。

 そして、見付けた!



「あった! あ・・・装備を可能レベル20かぁ」



 今の晴蘭のレベルは、クリスタル級のレベル15である。

 今晴蘭が欲しがっている魔法使いの服は、装備可能レベルは、アメジスト級のレベル20以上である。

 装備をするには、まだまだ研鑽が必要だ。

 実力はそれ以上にあっても、経験値が足りないのだ。

 しかも、高い!!

 魔法使いの服25万Tia、魔法使いのエナン帽20万Tia、魔法使いのマント22Tia、魔法使いの靴20Tia、魔法使いの杖35Tia、魔法使いの指輪35Tia。


 っっっ高あっ!!


 全部揃えようとすると、150万Tia以上?!

 これは流石に、強請ねだれない。

 諦めるしかなかった。


 それより、今の自分のレベルで装備できるものを探そう。

 そして見付けたのが、「魔法使い見習いの服セット」だった。

 魔術師の服、魔術師の帽子、魔術師のマント、魔術師の靴、魔術師の杖。

 魔法使い見習い=魔術師なのだろうか?

 セットなので、どれかひとつ省くとか、選ぶことはできないが。

 でも、お手頃価格とは言えないが、「魔法使いの服」を買い揃えるより安い50万Tiaだ。

 デザインは、魔術師と言うより、アラビア風の服に似ている。


 晴蘭が、魔術師の服を見ていると・・・



「なんじゃ? 魔術師の服が欲しいのか?」


「え? あ、いえ・・・」


「なあーん、遠慮するんじゃないぞ? 私からのお祝いなんじゃから」


「あ、あの、えっとぉ・・・」



 晴蘭は、「魔術師の服」ではなく、本当は、「魔法使いの服」が欲しいとは言えなかった。

 実際、遠慮していたのもあるし、レベルが足りなかったのもあった。

 それに、まだ晴蘭には良子からの借金100万Tiaがある。

 なおさら言えない・・・



「どうしたんじゃ? もしかして、借金の事を気にしておるのか?」


「えっ?! あ、は、はい」


「はっはっは! それはそれ、これはこれじゃ! 気にする事じゃない 私は、お前達を本当に祝いたいと思っておるんじゃからな」


「はい・・・」

 


 そうしていると、海音と千春がやって来た。

 


「何か良いものあったあ?」


「なに見てんのな?」


「うん? セーラがの、どうやら魔術師の服が欲しいようなんじゃが」


「「魔術師の服?」」


「え? どれ? ・・・・・・あ! 可愛いやん!」


「おー! なれほど」


「どうじゃ? お前達も、セーラと同じ魔術師の服にするかえ?」


「えー私は、魔法使いの服がいいなぁ!」


「?!・・・」


「あ、俺も魔法使いの服が欲しい!」


「!!!・・・」


「んあ? そー言えばお前達、そんな事も言っておったな? じゃがなあ、ありゃあレベルが足りんぞえ?」


「はっはぁーん! あと5上げればいいやーん!」


「そうそう! 5なんてあっちゅーま!」


「・・・・・・」


「そうかえ? ほなぁ、セーラも魔法使いの服にするかえ?」


「え?・・・・ええのお?」


「じゃから、これは私からのお祝いじゃ! 子供が遠慮なんか、するんじゃないわい!」


「!・・・・・・グスン(涙)」


「「え?!」」


「はあ? おぃおぃ、なんで泣くんじゃよ? そんなにアレが欲しかったんかえ?」


「・・・・・・うん」


「うんうん! そうかえそうかえ! よし、分かった! 買ってやるぞ!」


「「やったぁ━━━!!」」


「!!・・・・・・ありがとう」


「ふふふ 構わん構わん! その代わり、借金は頑張って返すんじゃぞ?」


「「「はい!!」」」



 こうして、晴蘭達ポンコツ3人娘達は、魔法使いの服セットをゲットした!



 そして、この日の夜━━━




••✼••宿屋の部屋••✼••



 晴蘭は、良子に買ってもらった魔法使いの服を壁に掛けて、ニコニコニマニマと嬉しそうに眺めていた。



「ねえねえ! セーラちゃん!」


「うん? なに?」


「私らの魔法使いの服に、いっぱい付与してよ!」


「へ?」


「おおー! そうそう! 俺のも頼むわ!」


「あーうん ええよう?」


「「いえ━━━い!!」」



 晴蘭は、良子に買ってもらった魔法使いの服に、思い付く限りの魔法やスキルを付与した。




 ★魔法使いの服(魔法攻撃耐性+75%、物理攻撃耐性+75%、攻撃速度+25%、防破、所有者設定)


 ★魔法使いのエナン帽(MP+25%、INT+25%、幻覚耐性+99%、魅了耐性+99%、恐怖耐性+99%、防破、所有者設定)


 ★魔法使いのマント(全属性状態異常耐性+75%、防寒、防熱、防汚、防水、防破、呪耐性+99%、隷属耐性+99%、所有者設定)


 ★魔法使いの靴(移動速度+50%、ダッシュ(10分クールタイム/1分)、10mテレポーテーション、防破、所有者設定)


 ★魔法使いの杖(MP回復、HP回復、状態異常回復、蘇生、防破、所有者設定)




「よし! でけた!」


「ありがとうー!!」


「おーさんきゅ!」


「いえいえ、どいたまして!」



 晴蘭は、魔法使いの服セットの付与を終えた。

 するとそこへ、良子が部屋にやって来た。



 コンコン!


「「「はーい!」」」


 ガチャ!


「おおい、明日のことなんじゃがな? うん? 何をしとったんじゃ?」


「あ、はい! セーラちゃんに、良子さんに買ってもらった魔法使いの服に魔法とかスキルを付与してもらってました!」


「そうそう」


「えへへ」


「なんじゃと?! 付与じゃとお?!」


「「「・・・え?」」」



 良子は、一気に青ざめた。



「セーラお前、付与なんて出来たのか?!」


「え? ああ、はい」


「ちょっと、見せてみぃ?」


「あ、はい」



 晴蘭は、自分の魔法使いの服セットを良子に渡した。

 すると・・・



「んなんっ?! なんじゃこりゃあああ?!」


「「「ひっ?!」」」


「な、なん、な、なん、なんじゃ、なんじゃこりゃああああ・・・・・・」


「「「・・・・・・????」」」



 良子は、晴蘭の魔法使いの服を持ちながら、ガタガタと震えていた。

 いったい、何が何だと言うのか?



「こ、こんなもん・・・・・・国宝級を遥かに超える代物じゃぞ!!」


「「「こくほーきゅう?」」」


「で、伝説級、いや、もう神級と言っていい!」


「「「 かみきゅう?」」」


「そうじゃ!! ハッキリ言って、もう無茶苦茶じゃあ!! お前は、この世界を滅ぼす気かぁ!!」


「「「ええっ?!」」」


「こんなもの、もし買うとしたなら、10億や100億では買えんぞ!! 1000億でも買えんわ!!」


「「「えええ━━━?!」」」


「それになんじゃ! 蘇生ってぇ!! 有り得へん!!」


「えっ?! なに? セーラちゃん、蘇生って、そんなに凄いの?」


「え? いや、ただ、死んだ人を生き返らせるだけで・・・」


「生き返られるだけって、魔女にすらそうそう出来へん魔法じゃぞ! セーラよ、お前さんいったい・・・」


「そ、そうなんや? そんなに凄いこと?」


「当たり前じゃあ!!」


「きゃあ!」


「「ひっ!」」


「エリクサーや女装剤でさえ、蘇生なんてできんのに、しかも『魔法スキル』で蘇生じゃとう?! 有り得へん!!」


「「「あわわわわわ・・・」」」


「しかも! 『防破』が施されておる! 壊すことすら不可能とはなんじゃ!?」


「あ、あの、壊れないようにと・・・」


「こん愚か者があ━━━!!」


「「「きゃいん!」」」


「大魔女じゃあるまいし、もう触るのも恐ろしいくらいじゃああああ━━━!!」


「そ、そんな大袈裟な・・・(汗)」


「お前はまぁ~だ、そんな事を言うとるんかえ?! こんなもん、戦争で奪い合うほどの代物じゃあ!!」


「「「はあい?!」」」


「こんな恐ろしいものは、今すぐ封印じゃあああああ━━━━━━!!!!」


「「ええええええ━━━!!!!」」


「いやあぁあぁあぁ~~~!!!!」


「こん・・・ばっっっかもぉおおおおお━━━ん!!」


「ひぃいぇえぇえぇえぇ~~~ん(号泣)」




 晴蘭はまた、やらかしてしまったようです。


 良子は、世界中の各地の誰にも知られないような場所に、深く深く奥深く、それはそれは嫌という程地底奥、勇者だろうが、賢者だろうが、魔王だろうが、決して開けられない封印を施し、「秘密の地下室」を造り、そこへ晴蘭が作ってしまった「神級の魔法使いの服」を、それぞれ世界のどこかへバラバラに封印すると言う。


 また、その際に使った多額の費用も全て、晴蘭の借金となるのだった。


 これにて、晴蘭の借金は、10億を超えたとか超えないとか。。。




「「「えぇえぇえぇ~~~ん(泣)」」」


「それと、お前達ポンコツ3人娘達には、罰を与えなければならん!」


「「「ひいぃっ!」」」


「二度とバカなモノを作らぬように、ポンコツ3人娘達には、戒めの魔法をかけさせてもらう!!」


「「「えええっ?!」」」


「な、なにを、なにをする気、で、ですか?」


「すみません!すみません!すみませーん!」


「いやぁあぁあ~!! まだ死にたくなぁ~い!!」


「どわぁれが殺すかぁ!! ポンコツ3人娘達には、ケモ耳の罰を与える!」


「「「けもみみのばつぅ?!」」」


「セーラ! お前には、猫耳と尻尾じゃ!!」


 ポン!


「うにゃあ?!」



 晴蘭の頭には猫の耳が生え、お尻には猫の尻尾が生えた!



「そして、ミント! お前には、犬耳と尻尾じゃ!」


 ポン!


「きゃわん?!」



 海音の頭には、犬の垂れ耳が生え、お尻には犬の尻尾が生えた!



「チャル! お前には、兎の耳と尻尾じゃ!!」


 ポン!


「だぴょん?!」



 千春の頭には、兎耳(うさみみ)が生えて、お尻には兎のまん丸い尻尾が生えた!



「いいか、よく聞け、このおバカなポンコツ3人娘達よ! 今後また悪さをすれば、その姿に変身する事を、よぉ~~~く覚えておけ!!」


「「「そんなぁ~~~(泣)」」」


「安心せいっ! 30分経てば、元の姿に戻るわい!」


「あんみゃ~~~(泣)」


「きゃいん!きゃいぃいぃん!」


「酷いうさぁ~~~!」


「まったく・・・お、おま、ぷぷっ! お前達は、ホンマに・・・ぷぷぷぅ!!」


「「「・・・・・・???(泣)」」」



 なんと!! 良子はポンコツ3人娘達に、「戒めのケモ耳変身魔法」をかけたのだった!

 ポンコツ3人娘達が何か悪さをすれば、ケモ耳の姿に変身するという魔法だった。

 しかも、INTが10分の1になるという呪い付き!

 つまり、ケモ耳に変身している間は、魔法効果が10分の1になってしまう訳だ。

 良子によると、30分で元の姿にもどるらしいが、良子の言う「悪さ」とは、どの様な基準なのかは、良子にしか分からない。

 それは、ポンコツ3人娘達が、身をもって知るしかないのだ。


 良子は、自らがポンコツ3人娘達に戒めの魔法を施したにも関わらず、ポンコツ3人娘達のその余りにも可愛さに、思わず吹き出すほどだった。

 それほどに、似合い過ぎて可愛かった。



「な? これに懲りて、もうおバカな真似は・・・くくぅ、ふぷうっっ!」


「うみゃあ~「きゃいぃぃん「だっぴょ~ん!」


「うぷぷぷぷぷっ・・・あはっはっはっはっ!!」


「「「ええええ~~~ん(号泣)」」」



 この日から晴蘭達は、無闇な付与魔法は行わなかった?とか?ないとか?

 ・・・は、怪しいところである。




 そして後の世に、『大魔女が作った』とされる、『無敵の魔法使いの服』として、魔女や魔法使い達、そして冒険者達が、それを求めて、また新たに冒険の伝説が始めるとは、思いもしなかった晴蘭達であった。。。



 そして、この夜、晴蘭達の部屋の外で、聞き耳を立てていた奴がいた。

 奴はいったい何者なのだろうか。



どうやら晴蘭の魔法は、魔法使いのレベルを超えているようです。

良子によると、大魔女クラスとか?

晴蘭は、いったい何者なんでっしゃろねえ?


それより、部屋の外で、晴蘭達の話しを立ち聞きしていた奴は何者か。



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