また作戦会議
俺達は追ってきたシャドンドを片付けた。その後一旦、自分達のアジトに戻る事にした。
「それでは、前の反省を踏まえて改めて作戦を立てましょう」
前の作戦の結末はこうだった。最初に敵のアジトに攻撃を命中させたところまではよかった。しかし、問題はそこからである。敵のアジトがあまりにも大きくて、ほんのちょっとしか壊れなかった。そして、それに気づいたシャドンド達は俺達に向かってきた。そこで笠松は「僕が時間を稼ぐから、みんなは逃げて」と言って一人シャドンドに立ち向かった。でも俺達三人は笠松を見捨てたら、あまりにも後味が悪いので助ける事に事にした。まず、俺達がシャドンドから逃げ切る。取り逃がしたシャドンドは笠松の所へ行く。だから、俺達から笠松へ興味がうつる。俺達はシャドンドに見つからないように笠松を目指す。笠松がすぐにやられらOUTだったが奇跡的に相手のシャドンドがバカだったためすぐにはやられなかった。そして、油断していたシャドンドを背後から襲い全滅させた。まあ、結果的には失敗だった。
「だれか、意見はないですか」
今回の司会進行も俺、六林六郎である。
「だれか、意見はないですか」
「なんで2回言うんだ」
「それは、だれも答えてくれないからですよ」
「そんな簡単に考えられるわけないでしょう」
「え、俺もう考えましたよ」
「はや、でもどうせロクでもないんでしょう。ロックンだけに」
いや、全くかかってませんから。
「そんな事ありませんよ」
俺は須藤さんのギャグっぽい言葉を無視した。いいですか、華麗にスルーじゃなくて無視ですよ。
「仕方ないわね。じゃあ、言ってちょうだい」
「わかりました」
俺はそう言って作戦内容を説明し始めた。
「前回、失敗したのは敵のアジトの大きさがあまりにも、でかかったからです。そのため敵の混乱をあおぐどころか、逆にまとまりを作ってしました。そこで今回は」
俺は、自信まんまんだったので声のトーンを上げた。
「潜入して内部分裂を促す作戦。名付けて(潜入内部分裂作戦)ってのはどうでしょう」
「具体的にどうするのかしら」
「説明しましょう。まず、だれか一人がシャドンドに見つからないように敵のアジトへ潜入します。そして、その後にシャドンドがたくさん集まってる所に向かいます。もちろん、ばれないようにね」
「敵のアジトにどれだけのシャドンドがいるか分からないのよ」
「はい、確かに分かりません。とても危険です。ですからこの役は俺がやります」
「ちょっとロックン」
須藤さんは少しためてから
「OK大賛成」
デストデレクションに思いやりの気持ちはないよな。俺もだけど。
「そして、敵のアジトへ潜入した俺はそこでシャドンドを大量虐殺します」
「言い方が悪いわ。もっと他にないの」
「そして、シャドンドは大混乱。お互いを信じられなくなります。そこへ一斉に攻撃をします」
「私の事完全に無視したでしょう」
さすが須藤さん、華麗にスルーじゃなくて無視って事を分かってるー。
「ちょっといいか六林」
「はい、笠松君」
今回も司会進行役なので、君づけをしている。
「お前の作戦って全部最低だよな」
「何故ですか。とても素晴らしいじゃないですか」
「いや最低だよ。まず仲間をおとりに使う。俺なんて二度もおとりにされたぞ」
「それはですね」
俺は言いかけたが、素直に謝る事にした。
「すみませんでした。もうこれからは絶対にしません」
「許さねえぞ。でもこの場ではその話はもういい」
許さねえのかよ。
「今僕が言いたいのわ、六林の作戦内容の事だ」
あなたさっきそう言いましたよね。二度言われなくて分かります。ついさっきの事は覚えています。そんなに記憶力悪くありません。
「お前が考えた作戦内容は、いつも悪者がするような事ばかり。まず、いきなり斬りかかったり、相手を話巧みに誘導し、罠におとしいれたり、混乱している相手をみんなで襲いかかったり、そんの最低なものばかりだ」
「それは仕方ないじゃないですか。だって正々堂々戦っても勝てないのですから」
「僕は悪者になりたいんじゃない。勇者になりたいんだ」
うぜえ、シャドンドを倒せさえすればどうでもいいじゃないか。
「笠松君、そんな事言ってる場合ですか。ここはゲームや漫画と違って現実なんです。だから、いくらやり方が悪者でもいいじゃないですか。失敗したらリスタートはできないのですよ」
前にもこんな会話をしたような、しなかったような。
「分かったよ、従えばいいんだろう。従えば」
言い方むかつくなあ。まるで俺が無理やり従わせたみたいになってんはねえか。
「それでは今回は潜入内部分裂作戦でいいですか」
「はい、はい、勝手にしろ」
いや、勝手にしたら命おとしますよ。
「じゃあ、がんばってちょうだい」
だから他人事ではありません。
「この悪魔大魔王が」
意味がわかりませんね。ツッコむ気にもなりません。
「さすが変態ロリコンやろうですね」
ありがとう褒めてくれて、呼び方以外は。こうして次の作戦は潜入内部分裂作戦に決定した。




