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妻が寝取られたので自殺したらその妻の双子の妹に懐かれたんだが?  作者:
第一章 自殺した、先

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17、記憶消滅

処置室に向かうと...優菜が居て。

俺に対して「...」となり俺を見ている。

その姿に何だか違和感を感じた。

何だかまるで無数の蠅が俺の足に絡みつく様な。

何だこの感覚は。


「優菜...だいじょ...」

「...すいません。貴方はどちら様ですか?」


そう言われて俺は青ざめゾッ...とした。

予想は当たっていた。

優菜は記憶喪失?になっていた。

看護師さんは眉を顰めてから「...その」と言う。

するとその言葉に挟む様に「予想していたけどねぇ」と医者の声がした。


「...どういう事ですか?」

「簡単に言うと思い出した強いフラッシュバックで記憶喪失になっているんだ。それはあまりにも強いショックでね」

「の、脳に異常とかないんですか?」

「無いよ。...恐らく強い衝撃でメンタルがやられたんだろうね」

「...」


優菜は「?」を浮かべている。

俺はその姿に「...優菜。俺だ。分からないか?」と投げかけてみる。

だが優菜は「?」を浮かべているばかりだった。

俺は「...」となってから「記憶は戻りますか」と聞く。

すると「...したのは簡易的な検査だ。詳しい検査が要るけど...戻るとは思う。...だけど断言は出来ないね」と医者は返答をした。


「...優菜...」

「...?」


俺に対して優菜は笑みを浮かべている。

その姿に「...」となってから無言になる俺。

それから俺は前世を思い出す。

コイツにとってそれだけ強烈だったと。

そういう事だろう。

ぐっと拳を握りしめ俺は優菜を見る。


「優菜。俺は夕日優っていう。初めましてだな」

「...」


優菜は「ですか」と笑顔になる。

そして優菜は「私は誰なんでしょうか」と周りに尋ねる。

俺はその姿を見ながら居ると「とにかく親御さんに連絡をしないとね。...親御さんの連絡先分かるかな。彼氏君」と俺を見てくる医者。

その言葉に俺は頷きながら「はい」と返事をして連絡先を書く。

手が震える。

まさか優菜がショックで記憶を失うなんて思わなかった。


「ありがとう。じゃあ...電話してくるから」

「...はい」

「そこの看護師と一緒に居てね」

「...はい」


そして俺は看護師さんを見る。

看護師さんは足を曲げてから優菜と視線を合わせる。

それから「優菜さん。ここがどこか分かるかな?」と聞いている。

優菜は「病院ですね。...私は何でこの場所に?」と返事をする。

俺はその言葉に「...」と唇を噛む。


「えっとね。...突発的な発作が起こったの。それでこの場所に居るのよ」

「...?」

「...そうねぇ。...えっとね。胸が苦しくなる発作、みたいな」

「そうなんですね」

「そう」


看護師さんは必死に記憶を呼び起こそうとしている。

だけど正直。

記憶が戻るかどうかは...俺は曖昧な感じがした。

俺は「...」となりながら看護師さんを見る。

そして俺は優菜を静かに見る。

看護師さんは「好きな食べ物は思い出せる?」と優しく聞く。

その言葉に「はい。...私、オムレツが好きです」と答えながら優菜は微笑む。


「...そっか。じゃあ質問して良い?」

「はい?」

「...彼氏さんが居たのを覚えてる?」

「彼氏ですか?私は...彼氏は居ないです」

「...そっか。分かった。ありがとうね」


それから看護師さんはゆっくりその場で立ち上がる。

そして看護師さんは「少しだけ離れますね」と優しく俺に言った。

「すぐ戻って来ます」とも言いつつ。

俺はその言葉に「はい」と返事をした。


「あの」

「はい?」

「...彼女は...その」

「今は精神面の安定性を考えると大丈夫とは言えませんけど...落ち着いてから話をまたしたら...良いかもしれません」

「!」

「こういう経験をしたことが無いので...私も未熟ですが。でも信じる力は必要だと思います」

「...ですね」


俺は唇を噛みながらまた優菜を見る。

優菜は周りを見渡しながら楽しそうにしていた。

俺はそんな姿を見てから複雑な顔になった。

正直...なんとも言えない感じだ。


「...優菜」

「はい?」

「...俺はお前の傍に常に居た人間だから助ける」

「え?...あ、はい」

「...だからゆっくりでも良いから自分が何なのかを...考えてくれたら嬉しい」

「...!」

「俺はお前が無理をしたんだと思っている」

「...多分私もそう思います」

「すまない。そうしか言えなくて」

「大丈夫です」


優菜は俺に優しく微笑む。

俺はその顔を見ながら「...」となる。

本当に...俺にクソッタレだな。

まさか記憶を失うとは思わなかった。

予想外だな完全に。



そして鏡花と花蓮が合流した。

叔母さんも居る。

俺に対して「ごめんなさいね。うちの子が」という叔母さん。

しかしそう言われるが何も迷惑は掛かっていない。

俺は考えながら「お兄(お兄ちゃん)。迷惑をかけてゴメンね」と言ってくる2人の頭を撫でる。


「...気にすんな。こういう事もあるさ」

「でも...」

「俺は優菜の復活を信じてる」

「...」


鏡花は複雑な顔をする。

その姿を見ながら俺は「...」と沈黙した。

鏡花が何が言いたいかは分かる。

だが今そんな事を考えても仕方がない。

優菜は記憶を失ったのだ。

だからこそ今はそんな事を考えるよりは。

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