10.彼らのプロダクション
完璧で完全。
ただそれだけの世界にて。
都を機械的に歩く集団があった。
彼らは序列十位でもなければ、かといって平民というわけでもない。
この集団を表すのに警察という言葉は似つかわしくない。
どちらかといえば、特殊部隊。
警察のように甘くはなく、違和を即座に死というものでもって排除する。無機質に、感情を持たずに。
それが彼らという存在の役割であった。
たとえ天界でも、このように役割分担は行われている。
いや、だからこそ、というべきか。いくら完成された世界だとしても誰もが同じ意思を持つわけではない。そして違う意思はむしろ『完璧であるゆえに』反発を産むのだろう。だから、彼らのような基準となる秩序――すなわち安寧を守る部隊が必要になってくる。
とはいえ、そんな違和は起こることの方が少ない。それだけ統率できているのは素晴らしいことではあるが、それは歓迎すべきことではない。平穏に酔いしれてしまえば突然の変異に対応できなくなってしまう。医者の『患者がいないのは好ましいが全くいないのは困る』と似たようなものだろうか。
だが、彼らにはつい最近に苦い思いをした経験がある。
そう、『ヴィンフォース=シュバルゲンの堕天使化及び天界からの脱走』。これは秩序を重んじる彼らからすれば大事件であり、許すまじ事態であった。
天界自体にとっては不穏因子が自らいなくなってくれた、と好意的に取る輩が大半だったが、彼らにとってはこの上なく苦杯を舐めさせられた気分である。
謀反者は出てはならない。
それが彼らに課せられた義務であるから。
だが、ヴィンフォースが反撃とともに言い放ったことに、苦悩せずにはいられなかった。
『規則というのは少なくとも自分の意思を持つことはできなかったはずだ。無機質に、なんの感情も持つことなく決まりに則る。なら、なぜ、さっきはっきりと殺意を丸出しにしてわたしを潰そうとした?』
たしかに、ヴィンフォース=シュバルゲンに嫌悪感を抱かなかったと言えば嘘になる。出過ぎた異端は、この世界にいるもの全てが嫌うものだ。その異端が執行すべき対象になったことで、個人的な感情を抱いてしまったのは事実。
だが、秩序を守るものたるもの、私利私欲に走っては行けない。
だからあの時感情を抱いてしまったのは恥ずべきこと。二度とこんなことはあってはならない、と決心すらしている。
完璧たる弊害か、各々に似たような後悔を噛み締めて統率の取れた動きで歩いていると、そんなこんなで件の現場に近づいていた。
開けていて、しかし人気のない原。
ここであの黒の堕天使を追いかけたことは記憶に新しい。
そこには反撃を受けて散った羽根や血なんてものは存在せず、ただただ静寂がその場を支配していた。
彼らはそれからしばらくの間、因縁深き場所で、感慨にふけっていた。
それは、果たして何の因果か。
たまたま。偶然。奇遇にも。
それでいて、必然で害悪で何もかもが仕組まれていた。
キュルル、と竜巻が立てるような風の音がして。
「……あれは?」
ちょうど、だ。
ちょうど、無念にも捕らえ損ねた堕天使が穴を開けて誰かから一撃をもらい、落ちていったところであった。
あの時と同様、渦を巻く闇が広がっていた。
それはどこへ繋がっているとも知れぬダークホール。落ちれば最後、どこへ行くかはわからない。
なぜ、突如としてこんな現象が現れたのか、部隊が疑問に首をかしげた直後のことだった。
轟!! と穴の向こう側から獄炎が吹き込まれてきた。
「な……っ!?」
身の危険を感じた優秀な部隊員全員が飛び退った。
加えて連携の取れた動きで被害を抑えるため防護壁を展開しようとしたが、どうやらその必要はないようだった。
勢いが強かったのは最初だけ。時間を経るにつれ、火の手は尻すぼみになってやがて消えた。
「…………、」
いったい、なんなのだろう。
いきなりの襲撃に、一同はしばしの思考時間を要した。
普通に考えれば、これは罠だ。おそらく、穴の向こう側のものが自分たちをおびき寄せるための。
それならば、相手に乗らず、無視するのが筋である。
だが。
スタ、スタ、スタと。誰とも言わず、秩序を守る部隊員はその穴へと近づいていく。
愚かしいようにも思えるその行動。しかし彼らはそうせずにはいられなかったのだ。
そこに異常があるのなら。
直ちに出向き、正さなければいけない。
それが彼らの存在意義であるのだから。
悲しくも哀れな宿命に、だが誰一人としてそれを嫌だとは思わない。生まれた時からついている役職。それを全うするだけなのだから、どうして他の感情を抱くことができようか。
そして彼らは踏み入れる。
真っ黒な世界に。
異常のいる世界に。
この世界とは違う世界へ。それがすなわち詰みとなることも知らずに。
落ちて。
落ちて。
落ちて。
そうしてどこかで邪悪な存在が、左右に口を裂いてほくそ笑んでいた。
✤
「……来たね。じゃあ行こうか」
いったんの待ち合わせ場所にしていた生徒会室にレンが入ると、もう準備は万端という雰囲気を出しているナルミが待ち構えていた。
入ったあとすぐに生徒会室を出るという行動に無駄を感じたレンは聞く。
「屋上で待ち合わせじゃダメだったのか?」
「だって、決闘っていうなら空気出したいじゃん♪」
どこまでもこの天使はマイペースなようだった。お気楽道楽で軽薄。それがこの天使のスタンスなのか。
階段に差し掛かって、のぼり始めるその時に、ナルミはまたペラペラとしゃべり始める。
「いやあ、いいねこの緊張感。これから雌雄を決する戦いが始まる感じがするよ。まあ、実際その通りなんだけどねー☆」
それとは対照的に、無反応に階段をのぼるレンを窺い見つつ、
「集中してるんなら張り詰めた緊張を解きほぐすこの私の話は余計だったかー、ごめんねー。じゃあ、決闘についての説明をしよっか。私とキミとでは相当な乱戦が予想されるけれど、心配はご無用だよ。このできる生徒会長はそんなこと想定済み。結界を張ってあるから衝突しても学校のものが破損することはないはずー」
レンは口には出さなかったものの、少しガッカリしていた。
吹っ飛ばされた時、ド派手にぶっ壊れるから迫力が出るのに。これではインパクトにかける試合になること間違いなしである。
安全第一を考える、できる生徒会長、しかし中二病にとっては余計なことをしでかした加玖ナルミはそんなことは意に介さず、決闘の説明を続ける。
「勝敗判定だけど、これは私も考えた。さすがに背中がついたら負けとかにしたら単なる武術の勝負になっちゃうからねー。それで私が考えたのは、戦闘不能、あるいは降参で負けってことなんだけど……どうかな?」
「ああ。決闘なんてだいたいそんなもんだろ」
素っ気なく、レンは肯定した。
「ありがと。次に、具体的なルールだけど、武器の使用は?」
「ありでいいんじゃないのか。俺は持ってないが」
「そうだね、じゃあ可能ってことで。私も持ってないけど」
ナルミは開いた両手をプラプラとさせて、軽く笑む。
レンは神妙な面持ちで声を発した。
「まとめると、結界が張ってあるので学校に被害は及ばない、勝敗は戦闘不能か降参で決する、武器の携帯は可能、と。ということは、とにかく何をしてもいいから相手を叩きのめせってことだな。わかりやすくて助かる」
「キミ、結構不穏な単語を使うよね……。ま、概ねそういうことだよ。……ほら着いた、バトルフィールドだ」
ナルミはレンより早く階段を登り切り、頑丈そうな鉄扉の前に立ちはだかる。
スタートラインに立つための戦いが始まろうとしている。
勝たねばならない。
そうしなければ、彼女の隣には行けない。
義務のような条件が発生しているにも関わらず、レンは緊張に追い込まれることなど微塵もなく、心が高鳴っているのを感じた。
そう、この高揚感は。
楽しみで、
ワクワクしていることに他ならない。
なぜかは自問するまでもなかった。
虚構を描く中二病が夢にまで見た展開を目の当たりにして、怯えたり緊張する理由などないのだ。
「……はは」
思わず声まで漏れてしまった。
「ふうん? やっぱり、普通の人間ではないよね、キミ」
それを不思議に思ったナルミが覗き込むようにレンを見て、率直な感想を漏らした。
「じゃ、ご開帳ーってなわけで始めようか」
ギギィと鉄扉の開く独特の音を立てて、ナルミは扉の向こう側へと消えていった。
レンも、そのあとに続いた。
龍焔ヶ丘高校の屋上は、その名前に似つかわしくなく普通であった。
開けた屋外だが、隅には貯水槽がある。バトルするならうってつけの舞台装置だが、ナルミの言った通りなら派手に割れて小規模な雨が降るなんていう演出はないだろう。
縁には鉄柵が張り巡らされている。レンたちが出てきた扉は小さな小屋のようになっていて、その上にもまた、貯水槽。
レンは先週確認したことがあるので何の感想も抱かなかったが、強いていえばやはりガッカリだった。
……龍焔ヶ丘なんて言うのだったら、他に何か、他の高校にはないものがあって欲しかった。
(格好いいのは名前だけなんだよな……)
名前だけじゃなくて設備まで見てから学校を選べばよかった、と今さらながらに後悔しつつ、レンは切り替えて自身の敵を見据える。
ナルミは十歩離れたところでこちらを振り返っていた。
「じゃー説明はさっき済ませたし早速始めようか♪」
言うと同時にナルミの背後に純白の羽根が出現し、頭上には光輪が浮いた。どうやらこの天使、最初から本気モードで挑んでくるらしい。
それを確認して、レンは少し考えたが、結局来るべき衝突に身構えて、
「……ああ……」
と頷いた。
レンの心内は変わらず好奇心で満たされていた。
これは彼にとってのファーストバトル。
彼が愛してやまないこの世界ではないものとの、ぶつかり合い。
昂る感情を抑えながら、しっかりと目的は見据えて。
勝つ。
そして、スタートラインに立つ。
静まり返った屋上に、永遠のような刹那が流れ。
どちらからともなく。
動き始めた。
☾
(ヤバいよヤバいよヤバいよこれ……。言ってたこと本当だったし本当すぎて本当にヤバいよ……ヤバい本当に混乱してきた……)
教室の窓に乗り出して、ナツメは目をぐるぐる回していた。
突如天空の一部分に穴のような歪みが感知できたかと思えば、そこから百にものぼりそうな何かが出てきた。
一つ言えるのは。
おそらくその集団が少なくとも単体でナツメを凌駕するのに差し支えない力を持っている、ということ。
世界の終焉、くらいは当然。
それくらいの個体差。
桁違いが何人も。この世界の根幹が揺らいでしまうような目の前の出来事。
しかし。
「読み通りか。敵はざっと百程度。ふむ、かなりの少数精鋭のようだな」
隣の漆黒は気楽なものだった。
しかもこれで少数、という。それならば一気に来た場合、どうなってしまうのか。ナツメは想像すらしたくなかった。
「なに、心配には及ばん。あの程度わたし一人でこと足りる。貴様はそこで指を咥えて見ていればいいのだ」
窓を開けつつ、ヴィンフォースは絶賛パニック状態のナツメを宥める。
たしかに、目の前の堕天使ならば、拮抗しうるだろう。
だが、本当にあの数を蹂躙できるのか。逆にされてしまうのではないのか。
「……失礼だな。殺すぞ貴様。そんなに心配ならわたしを手伝うか?」
顔に出ていたらしく、ヴィンフォースは目に見えて不機嫌になった。
滅相もない。そんな声を出せる喉ではなかったので慌てて両手を振って否定する。
「……それがいいだろう。今日は貴様に、いかにここが危なくなっているかを教える。これを見て、貴様はこれからどうしていくか決めるがいい」
ヴィンフォースはそれだけ言い放って、窓枠に足をかけた。
「では、別世界の戦いをご覧に入れよう」
ぐ、と窓枠に体重をかけたかと思うと。
瞬間。
風を断絶する音とともに、その場に漆黒の姿はなくなっていた。
「……いやあ……。うん。もう考えるのやめよう」
一人教室に取り残された吸血鬼はへたりとその場に崩れ落ちて、呆然と黒い点が目にも留まらぬ速さで動いている窓の外を眺めることにした。
(この先を行かれてる感じ、完全に部外者の立ち位置なんだよなあ……。戦う気なんて元から起きないし。本当、なんであたしに関わって来たんだろ……)
はあ、とため息をついて。
果たして、どんな結果に終わるのか。
ナツメは心の中でどこかそんな傍観者のようなことを考えた。
✤
最初は様子見であった。
刹那、距離を詰めてきたナルミの一撃を、レンは紙一重で避ける。
ここから既にギリギリであった。
(やっぱり見えてるものならどんなに速くても目で追えるが、そこから動きに変換するラグが……! 集中しないと一気にやられる!)
直後の連撃、触れるか触れないか、ナルミの拳がレンの頬を掠める。
さらに猛攻は続いた。
その翼で何か工夫しているのか、華奢な体躯に似合わぬスピードで振られる腕や脚。
とにかく、レンは攻撃の射線上には立たないように厳重警戒した。おそらく一部天使化した今ならば死ぬことはないだろうが、それでも決定的な一打になりうる。
それにしてもこの天使、かなりの実戦経験がありそうだ。動きに無駄がなく、迷いがない。思い切りのいい立ち回りは、戦法に自信がある証拠か。
ひとまず避けに徹することにしたレンは、距離を取るべく地面を滑るように後退する。一回一回を相手にするより、一気に離れてしまった方が消費する体力は少なく済む。
だが。
「甘いね」
そんなに上手くはいかせない、そう言うように、ナルミは深く踏み込んだ。
膨大なエネルギーを蓄えた地面は、反作用によってそのエネルギーをナルミへと返還する。
数段上がった。
スピードが別物になった。
「……っ!」
辛うじて溜めの時、直感で次の動きをある程度予測していたレンは、フライングのタイミングで思い切り横に飛ぶ。
ビュオン!! と近くを新幹線が通ったかのような音と風撃を伴って、レンのすぐ横を弾丸と化したナルミが過ぎ去る。
今度こそ。
今度こそ、ただでは済まない衝撃だった。
もし、勘で何か仕掛けてくると思わなかったら。
ゾクリ、とレンの背筋に悪寒が走る。
しかし、不思議と足は竦まなかった。
「やるね。これでチェックメイトだと思ってたのに……およ?」
結界が張ってでもあるのか、空中に足を着いたナルミが感心したようにレンを見た。
そして、その表情を見て。
「……なるほどねー」
珍しいものでも見た表情で、ナルミは満足そうに笑んでいた。
「そういうこと。キミはどこか人間とは違うと思ってたけれど……。中身に力を隠し持っているってわけじゃなく、メンタル面での話だったんだね☆」
そう。
何度も何度も、ただでは済まないような一発一発を、間一髪で避け、その恐ろしさを目の当たりにしたであろう一人の少年は。
それこそ、無邪気な少年のように。
嬉しそうに、楽しそうに。
心底幸せそうに、笑っていたのである。
「……まあ、たしかに。正常とは少し違った価値観を持っているのは自覚してるよ」
ナルミを見上げたレンは、自身の好き嫌いを再確認しながら、言った。
「それに、今のはお前が最初、ヴィンに撃退された時、ご挨拶にもファーストコンタクトでやりやがったやつだろ。一回見た技なら、避ける目処も立つ」
「……へえ。てっきりただの雑魚だと思ってたんだけどな。吸収力あるじゃん」
「そういうことにおいては慣れてるんでな」
雑魚、という言い分にムッとしたのは事実だが、かといって否定材料もなかったレンは自嘲気味に笑いながら肩を竦めた。
「さ、話はここまでにして、続きをしようぜ」
「そうだね。ごめん、結構真面目な戦いしてたのに」
ナルミはふわり、と結界の見えない壁から跳躍し、器用にも屋上の細い柵に着地する。
「じゃ、行くよ」
「望むところだ」
再度、両者の位置が入れ替わる。
しかし、やはり攻防の向きは変わらない。レンはとにかく攻撃を受けないように立ち回り、ナルミは当たるまでとめどない攻撃。
断続により連続。
何度も繰り返す相変わらない状況に、
「変化をつけたいよね。スパイスを♪」
そんなお茶目な天使の呟きから。
場は一転した。
ゴロルゥ、と。
「危な……!」
同じ動きはせずとも、ある程度の規則的な動きをしていたレンが、カクンと急な方向転換をした。
その、行く予定だった線上。
そこに、予測したように落雷が落ちたのだ。
「く……っ!」
予定変更によってナルミ本体への注意が損なわれ、横から顔面を振り上げる軌道の打撃を受けることになる。
さすがに急所は避けようと、腕を立てて打点を前腕に変更させる。
が。
ビキビキビキバキィ、とまるで木の幹を力ずくで折ったような音。
「がっ、ああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
直後、レンの身体が真横に吹き飛んだ。
結界、とやらにぶつかってか、レンの身体は空中で動きを止める。その衝撃に、否応なく肺から空気が吐き出される。
意識が飛びそうなまま、仰向けに地面へと自由落下を始める。
だが、必死に繋ぎ止める。今隙を見せるわけにはいかないのだ。
地面とのインパクトの瞬間。レンはミクロ単位で接触を避け、横に転がる。ともあれ、地面すれすれで止まれたのは僥倖だった。もし不時着していたなら、レンの意識は完全に飛んでいた。
レンが着地した場所に、遅れて踏みつける足がドン、と地面と音を立てた。
……先ほどから良いように出る咄嗟の回避行動の数々。
ある意味奇跡とも言えるそれは、決してまぐれというわけではない。彼はしっかりと狙って回避行動を起こしている。
原因は、日曜日に見つけた、本棚の中に紛れ込んでいたノートである。
それは、レンが中二病であるがゆえの成果物。
あらゆるバトルシチュエーションの戦術、展開、対策。それを独自に分析しどの行動を取るのが最適なのか、それを纏めたものだった。
今のもその一つ。『何かしらの攻撃が命中し、隙ができた時に畳み掛ける追い打ちが来る』である。
他にも、『下手な攻撃をすればかえって逆効果。自分を追い込む羽目になる』や、『攻撃は確実性を重視。一撃で状況をひっくり返せるか』など、戦いにおける心得が記されていた。それが今の互角なコンディションを作り出していると言っても過言ではない。
レンはナルミから十分な距離を取って(とはいえ、一時的な、だ)から、自身の腕に異状を感じないことに気づいた。
それこそ複雑に、バラバラに、粉々にされたはずの腕を動かしてみる。
全然全く。不自由がなかった。
病院で一度体験したことはあるものの、完全に骨折したのを実感した上で治ると、感動的なものだ。
(再生能力……天使の力ってのは、部分的であってもここまでのものなのか)
自分のステータスが上がったのを、実際に実感したあと、途切れさせずに迫りくるナルミの一撃を避ける。
(……面白い。ここまで強化されてるなら、勝機は当初よりかなり高くなる)
レンは内心でニヤリと笑い、また心の中で宣言した。
さあ、ここからが、本番だ。




