12 寝言 ~レオナルド・ボンディング目線
レオナルド目線です。
~レオナルド目線
「レオナルド様の手は安心します。もっと触ってください」
足先まで電気が流れる。
甘い痺れが俺を溶かす。
手のひらにキスをした。
君はそれを嫌がることなく受け入れて、その手を頬に当てた。
ほら、またそうやって君は俺を勘違いさせる。
君の唇は柔らかく、暖かかった。
愛してる。
リリア、愛しているんだ。
俺はもう、君を解放してやれない。
たとえ俺の勘違いだとしても、一年後、君が俺との婚姻を嫌がっても。
この屋敷に、この部屋に君を閉じ込めて逃がさない。
こうやって、手を繋いだまま静かな寝息をたてる君を見ている。
誰にも渡さない。
俺だけのリリア。
「・・・・・ま・・・しゅう」
眠っているリリアが可愛い寝言を呟いた。
本当に、あのぬいぐるみがお気に入りなんだな。
「摩周・・・・どこにいるの?摩周、私のそばにいて。私から離ないで」
俺はクスリと笑ってマシューをリリアに差し出した。
リリアは虚ろな瞳をうっすらと開けて、しかしマシューには見向きもせずに俺に問う。
「ねえ、あなた、摩周を知らない?私は摩周がいないと生きて行けないの」
マシューがいなければ生きて行けない
「摩周、どこ?私から離れないで、私のそばにいて。どうして?どこにも行かないって約束した。ずっと手を離さないって、抱き締めてるって約束した!どうして、どうして、どうして!!」
マシューは・・・・・・ぬいぐるみじゃない?
ぬいぐるみに『マシュー』を重ねている?
「トーマス、早く迎えに来て・・・・・・」
そう呟いたリリアは、しばらくぼんやりと宙を見つめたあと、また静かに眠った。
・・・・・・トーマス
俺は何故気づかなかった?
マシューはトーマスの愛称だ。
トーマスがマシューなのか!!
駄目だ!!リリアは俺のものだ。
渡さない。
リリアを裏切るようなあんな男には渡さない!
誰であろうと、リリアは渡さない!!!
「‥‥‥ドさま、レオナルド様?」
「リ・・・・リア」
「私、すっかり眠っていたみたいで・・・・・・ずっと手を繋いでいてくださったのですか?」
「あ、ああ」
「あわわ!は、恥ずかしいです!私、涎とか垂らしたりしていませんよね?!」
慌てて真っ赤になるリリア。
「でも、久しぶりにぐっすり眠ったような気がします。レオナルド様、ありがとうございます」
久しぶりに?
ずっと眠れていないのか?
マシューが・・・・・・トーマスがそばにいないから?
俺では駄目なのか!!!!!
「レオナルド様?ごめんなさい、疲れましたか?そんなに長く眠ったつもりはなかったのですけど・・・・・・」
リリアの声に、弾かれるように正気に戻った。
「い、いや、大丈夫だ。君がよく眠れたならそばにいた甲斐があった。俺は疲れたりしない」
リリアが嬉しそうに微笑んだ。
これでいい。
リリアはここにいる。
離さない。
君が俺ではない誰かを、マシューを、トーマスを求めているのだとしても。
ずっとここで、俺の隣に。
離さない、永遠に・・・・・・
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