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空間欠損の魔法師  作者: 猫宮みけ
第二章 深層拒絶編

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第二章 第57話 ──拒絶の海を抜けて──

第57話 ──拒絶の海を抜けて──


宗谷沖に立つ“影”は、

ただそこにいるだけなのに――

世界を押し返していた。


風は止まり、

波は避け、

空気が重く沈む。


ミリア

「……拒絶領域が……さらに強まっています……!」


紗月

「これ以上近づいたら、普通の魔法師は意識飛ぶよ……!」


玲奈は影を見つめ、

小さく息を呑んだ。


玲奈

「……あれ、本体じゃない。

 “拒絶の意思”が形になっただけ……」


悠斗

「深層影……」


胸の奥が熱くなる。


(……呼ばれてる……

 もっと……強く……)


影が、

ゆっくりとこちらを向いた。


その瞬間――

空気が押しつぶされた。


兵士

「ぐっ……! な、なんだこの圧……!」


兵士

「立っているだけで……身体が……!」


ミリア

「深層圧が精神に干渉しています!

 このままでは……!」


紗月

「悠斗、どうにかできないの!?」


悠斗

「……俺だって……どうにかしたい……!」


だが、影の圧は

“拒絶”そのもの。


近づく意思を持つ者すべてを、

深層の底へ押し返すような力。


その時――

胸元のペンダントが光った。



『……悠斗……

 君なら……“穴”を開けられる……』


悠斗

「……穴……?」



『拒絶領域は……深層の壁……

 君の深層は……あれと同質……

 だから……干渉できる……!』


ミリア

「……そうか……!

 篠原さんの深層構造は、戦略級魔法師と同質……

 だから拒絶領域に“穴”を開けられる……!」


紗月

「じゃあ……悠斗が突破口を作れるってこと!?」


オルタ

『ただし……

 穴はすぐに閉じる……

 通れるのは……君たちだけ……!』


玲奈

「……行くしかない……!」


深層影が手を伸ばす。


拒絶の圧が、

海と空を押し潰すように広がる。


悠斗

「……来る……!」


俺は深く息を吸い、

胸の奥――深層を開いた。


その瞬間、

世界が裏返ったように感じた。


視界が白く染まり、

深層の波形が外へ溢れ出す。


オルタ

『今だ……!

 拒絶領域に……“穴”を……!』


俺の深層が拒絶領域に触れた瞬間――


世界に裂け目が走った。


海が割れ、

空気が震え、

深層影がわずかに後退する。


玲奈

「……開いた……!

 悠斗……!

 今なら……通れる……!」


紗月

「行くよ……!

 閉じる前に……!」


俺たちはその“細い道”へ飛び込んだ。


拒絶領域の外側は、

まるで世界が押し返してくるような圧だったが――


穴の中は、

不気味なほど静かだった。


ミリア

「……ここだけ、空気が違う……

 深層圧が届かない……

 まるで遺構が守っているみたい……」


玲奈

「遺構が……?」


オルタ

『遺構は深層と繋がっている……

 拒絶領域とは別の“結界”を持っている……』


そのまま進むと――

巨大な石造りの門が姿を現した。


遺構の入口。


だが――

完全に閉ざされていた。


悠斗

「……開かない……」


紗月

「押してもダメ。

 魔力を流しても反応なし……」


ミリア

「これは……“封印”ですかね。

 拒絶領域とは別の……

 遺構そのものが持つ防御機構……」


玲奈は門に近づき、

そっと触れた。


その瞬間――

門の紋様が淡く光った。


玲奈

「……え……?」


ミリア

「反応した……!?

 玲奈さんに……!」


オルタ

『そう……

 御門の血は……遺構の“鍵”……

 君の血だけが……この封印を開けられる……!』


玲奈は驚きに目を見開いた。


玲奈

「私が……鍵……?」


紗月

「御門家が隠してた切り札って……

 これのこと……?」


ミリア

「遺構に入れるのは……

 御門家の血を持つ者だけ……!」


玲奈は指先を噛み、

一滴の血を門に落とした。


その瞬間――


遺構全体が鳴動した。


低い地鳴りのような音。

海底から響く振動。


門の紋様が強く光り、

ゆっくりと開き始める。


悠斗

「……開いた……!」


玲奈

「私の血が……反応した……」


オルタ

『急いで……!

 拒絶領域が閉じ始めてる……!

 本体が……動き出す……!』


振り返ると、

深層影が穴の向こうで蠢いていた。


拒絶の圧が、

再びこちらへ押し寄せてくる。


紗月

「やばい……!

 もうすぐ塞がる……!」


ミリア

「遺構の中に入れば……拒絶領域の影響は弱まるはず……!」


玲奈

「悠斗……行こう……!」


俺たちは――

開かれた遺構の門へと駆け込んだ。


拒絶の海を抜け、

ついに“遺構内部”へ足を踏み入れる。


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1日1善1日1投稿♪

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