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第四十話

 

 ドワーフの里を後にし、コンフラットとディアを連れてファスタの街に戻る。

 幸いにもこの街には襲撃が無かったようで建物は前と変わらぬ姿のままなのだが、しかし道行く人々の顔はどこか暗く、いつものような活気は失われている。

 そんな街を見ながら、報告と確認の為に街に到着したそのままの足でギルドへと向かう。


「ベル! ギルド長、いやジャンはいるか?」


「レックスさん!? 今までどこに……」


「どこにって、ジャンに言われて装備を揃えにドワーフの里へ行っていたんだ。聞いていないのか?」


「武器を新調しに出掛けるとは聞いていましたが、それがドワーフの里だなんて聞いてませんよ……」


「そうだったか? ……まぁそれは置いといて、ジャンに早く伝えたいことがあるから、今すぐに会えるかな?」


「不可侵領域になってるドワーフの里に入るのをどうでもいいって……まぁ、今ギルド長はギルド本部からの招集で王都に行っています。そろそろ帰って来ると思いますけど、ここで待たれますか?」


「そうか……なら待っている間に色々と聞きたいことがあるのだが大丈夫か?」


「……それはノモマ教の襲撃に関してですか?」


「ああそうだ、俺がいなかった間に起こった事について確かめて置きたい」


「分かりました……ここでは話し難いので、奥の部屋でお話致しましょうか」


 ノモマという言葉に敏感になっている冒険者も多く、いらぬ騒動を引き起こさぬよう場所を移す。

 そしてベルが話してくれた内容は想像通りの内容であり、様々な街でスタンピートが引き起こされ全ての冒険者が総動員され対応に当たったそうだ。

 しかしそれでもドワーフの里と同様にエンペラー種の襲撃があった街もあり、至る場所で壊滅的な被害が出たらしい。


「そうか……だがエンペラー種と戦って大丈夫だったのか?」


「壊滅的な被害があったと聞いていますが、騎士団が駆けつけた時には何故か既に去っていたそうです」


「去っていた?」


「はい。まだ詳しい情報は入っていませんが、既にどこにもいなかったそうです」


「そうか……」


 壊滅的な被害が出たことは分かるが、エンペラー種がそれだけで去っていく理由が分からない。

 何かしらの意図があったと思うのだが……。

 コンフラットとディアも隣で首を傾げているので、理由が分からないようである。

 そして頭を悩ませているとジャンが帰って来た。


「お待たせして申し訳ありません、レックスさん」


「いや俺たちもつい先ほど到着した所だからそれほど待ってはいない。それより話を聞かせて貰えるか?」


「ええもちろんです」


 ジャンに王都で確認してきた他の町で起こった情報を聞き、俺はドワーフの里で起きた出来事を話す。

 ノモマ教団によって引き起こされたスタンピートはドワーフの里を含めて十二地点であり、中級以上の冒険者は全員駆り出されたもののどこも大きな被害が発生したそうだ。

 そのうちエンペラー種が現れたのは半数の六ヶ所であり、特に壊滅的な被害が発生したそうである。


「国へ報告が上がっている話ではエンペラー種を討伐できたのはレックスさんがいたドワーフの里のみで、他の場所は全て騎士団が到着した時には姿を確認出来なかったそうです」


「その理由は分かっていないのか?」


「はい、騎士団の方々も不思議がっていました……」


「そうか……」


「今回の一件で国王様は非常事態宣言を出し、騎士団に早期の解決を指示されました。なので今、騎士団はノモマ教団を壊滅させるべく動き出しています」


「まぁ、そうなるよな」


「そしてレックスさんを含めコンフラットさん、ディアさんも今回の一件でAランクへの昇格が決まりました」


「はい? ちょっと待て、何故に今そうなるんだ。まさか……」


「ええ、そのまさかです。御三方は騎士団からの招集がかかっています」


 ジャンにそう告げられて一枚の招集令状を渡される。

 冒険者で騎士団と共に任務に就くのはAランク以上からだ。そして今の騎士団に人材を遊ばせておく余裕はない。


「俺のことを売ったなジャン……」


 当然、昔ながらの付き合いのジャンは騎士団長のダグラスとも知り合いだ。

 そして冒険者になったことを伝えられたダグラスがこの状況下で、俺のことを放っておいてくれるはずがない。


「はぁ……仕方がない。王都に行くしかないか」


 国の直属の組織である騎士団からの命はもはや強制に近い。

 これを断れば、これから冒険者として生活し続けることは難しくなる。


 こうして唐突な上級冒険者への昇格と、騎士団へ向かうことが決まったのであった。



──第2章完──

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