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噂のエル・ドラド 13

シェナミさまの女性関係がだらしないことは、昔から聞いていた。

以前から納得できないと思っていたけれど、今となっては身につまされるというか……。


……なんか……くやしい……。


女はいつも、男の好き勝手な都合で振り回されるものなの?



***


悶々と過ごしていたら、シーシアさまに気づかれてしまったようだ。


「……なんだか、このところ不機嫌ね。どうしたの?」


不機嫌と言われて、少し恥ずかしくなってしまった。


「申し訳ありません。……幼少の頃から、たくさんのことを教えてくださった大好きな親戚のおばさまが亡くなったと聞きまして……」

「そうでしたか。……そうね、今のフィズの状況では、お弔いにうかがうことができませんものね。……せめて、ご一緒に、神に祈りましょう。」


シーシアさまにそう慰められて、私は思わず言わなくていいことまで口にしてしまった。


「名家に生まれて、とても教養の高いお優しいおかたでしたのに……婚家が傾き、娘を異国で斬殺され、放蕩息子に迷惑かけられっぱなしで……女の幸せって、本人だけの力ではままならないものなのでしょうか。」

「……あら……。」


シーシアさまは私の顔をマジマジと御覧になった。

後悔したけれど、言ってしまった言葉は取り戻せない。

しばらくの沈黙の後、シーシアさまがぽつりとおっしゃった。


「……わたくしもね……同じように思っていた時期もありました。……ですから、フィズの気持ちもわからないでもないですけれどもね……幸せの形を決めるのは、男も、女も、区別なく……自分自身の考え方と行動の積み重ねだと、今は、思いますよ。」

「シーシアさま……。」


まさかそのようなお言葉をいただけるとは思わず、私は驚いた。

シーシアさまは、苦笑された。


「……と、今のフィズに言っても、たぶん、伝わらないでしょうね。……残念ながら、わたくしには、失ってしまうまで、わかりませんでした。」

「では、……今、シーシアさまは、……お幸せですか?」


私の無礼な質問を、シーシアさまは否定も肯定もされなかった。


ただ、小声で

「……わたくしは、生涯、神の花嫁です。」

と、淋しそうに微笑まれた。


シーシアさまは、望んで神の花嫁を務めていらっしゃるのは確かだ。

でも、お幸せかどうかと推察すると……やっぱり、お幸せとは思えないのよね。


昨夏のシーシアさまは、もっと快活で楽しそうだったわ。

ジョージオさまとも、生き生きと言い合いしてらしたっけ。


……宰相ティガが訪れない知らせを受け取るまでは……。


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