桃源郷への道 17
★部分を削除改定しました。
完全ver.はムーンライトにて。
にっこりと、罪のない笑顔で、ジョージオさまはおっしゃった。
御守りって……えー……。
★
つまり、私が動くたびに……音が鳴るってこと?
「あの……これ、他のひとにも聞こえません?」
★
ジョージオさまは愉快そうにおっしゃった。
「気になさらなくてもいいんですよ。私たちが怠けていない証拠ですから。」
「え……。」
言葉が、出ない。
もしかして、ジョージオさまと私の存在価値って……子供を作ることだけ……なの?
「さあ。参りましょう。……あまり遅くなると、また怒られてしまうな。」
また……?
上機嫌なジョージオさまに、私はそれ以上何も言えなかった。
ただ、胸にモヤモヤしたものが広がることは、止められなかった。
★
「……今さら……おしとやかに歩く練習をしているみたいです。」
そうぼやいたら、ジョージオさまは、くすくすと笑った。
「練習せずとも、フィズの立ち居振る舞いは、とても美しいですよ。……ああ、でも宮廷作法のお勉強をいたしましょうね。……ダンスは、お好きですか?」
「……正式に習ったことは、ありません。」
正直にそう言った。
すると、ジョージオさまは、さもありなんと頷かれた。
「大丈夫ですよ。すぐに覚えられますから。私が、教えてさしあげますね。」
「よろしくお願いします。」
宮廷作法に、ダンス……か。
なるほど、商家の娘には必要ないものだったわ。
「そうだ。楽器も、お稽古されませんか?」
「楽器……。あの、神宮のトゥルバールガンは、弾かせていただいていました。」
「ほう!それはすばらしい!」
ジョージオさまの目が輝いた。
「我が家にはトゥルバールガンはありませんが、小さなクラヴィシンはあります。是非、弾いてください。」
「……がんばります!」
楽器も高価すぎて、庶民には手が届くものではない。
神宮でお稽古させてもらえたことが、まさか役に立つ日が来るとは思わなかったわ。
「がんばる必要はありません。ご一緒に楽しみましょう。」
ジョージオさまの笑顔が眩しくて……チリリと小さく鈴が鳴った。




