第6話 現れた脅威
思い出したかのように話数をつけ始める作者。
オレ、一浪丸は歓喜していた。
先ほど耕した畑に緑の閃光が激突したのだ。
キツかったり、ダルかったりする部活の練習中
に雷が落ちたり記録的な豪雨が起こるとどうなるかご存じだろうか?
練習が休みになる!!
そう!動かなくても、汗水流さなくても良いのだ。
これが喜ばずにいられるだろうか。
オレは先ほどまでの労働の成果をグチャミソに
してくれた招かれざる物体を観察する。
よく見るとこの物体、黒く焼け焦げているのだが
グニャグニャ動いている。しばらくするとその
物体は人の形を成し始めた。
「イチロー、あそこの木まで下がってろ。」
オッさんが割と遠くにある木を指差して言った。
言わずもがな村の畑を広げる仕事は中断である。オレはその喜びを噛みしめつつ一目散に
言われた場所へ避難しようとしたそのとき
だったーー
一本の触手が物凄いスピードでオレの真横を
掠めて村でそこそこの地位にいそうな老人の首に
巻きついた。
そのまま触手は偉そうなジジイの首に食い込んでジジイの首を刈り取り緑の物体の元へ運んだ。
たった今その辺のジジイの命を奪った触手の
主である物体は今や完全に人の形をしている。
そして触手からジジイの生首を受け取ると
それを顔に大きな穴を開けて飲み込んだ。
口を開けたのではない。顔の形が変形して
生首を取り込んだといった感じだ。
「うーん、ロクな記憶持ってませんねぇ。」
今や完全に人の姿をしたそれは言った。
「やはり手前にいるあなたに聞くのが1番良さそうだ。」
そう言って触手が指し示した先にいたのは
オレを拾ってくれたオッサンだった。
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