ラスボスのもとへ
もう意地でも完結させてやる。
ほう、つまり今の状況はオッサンがこんなめんどくさいガキは側に置いとけねえからババアに何とかして押し付けようとしている、そんなところか。
オレは一人で納得する。
そして何やら嬉しいことにあのブランとかいう白い姫のチート能力まで引き継げてしまったらしい、魔法吸収だと!?最高じゃねーか。
今度こっそりどっかでキレイな魔術師のねーちゃんにイタズラして怒らせてから魔法をことごとく無効化してドヤ顔してやろうと思ったのは内緒だ。
・・・てかババアの雰囲気が思ったよりも暗い。
そんなにあの白い姫が死んだのが悲しかったのか、まあババアの思考回路からして一定スペック以上の美人はいろんな方法で金もうけに使えるから失って残念くらいに思ってるだろうが。
そんなことを考えているとババアが口をひらく。
「今更どうしようって言うんだい、もうアイツはだれにも止められない。こちらの切り札をこんなかたちで失ってどうやってあいつに勝つってんだい。
正真正銘の魔王になっちまったんだよ、アイツは。」
「ならばこれは命令だ、ダラクーヌ=ルージュ。」
そうしてオッサンは先程オレにぶつけた極大の炎球よりもさらに巨大な灼熱の塊を生み出した。
あまりの熱量にオレの足元近くまで地面に生える草木は燃えている。
さしずめこの炎球は生命の存在を微塵も許さない惑星そのものだ。
・・・ああ、またコレぶつけられんのか。
そんなことを考えていると炎球がおっれに向かって直撃する寸前で消滅する。
やっぱ神だな、オートガードとか強すぎんだろ。
ひょっとして今のオレならこのババアとオッサンにも殺されないんじゃね?
そこで少し調子にのってみることにした。
自然と口角が吊り上がって言葉はスラスラ出てきた。
「おいおい、オレひとり消し炭にできないなんてザコもいいとこだろ。実は無駄に年取ったオッサンなだけなんじゃねえの?え?」
「そう思うか?一浪丸」
オッサンがニッコリ笑った。なんだかとてもいい笑顔だ。
結論から言うとオレは右腕を折られた。
右ひじから先がおかしな方向に向かって伸びている。
「まあ、こんなアホウだが面倒を見てやってくれ。見ての通り白姫の能力はカンペキなほどにコイツに定している。」
「どうやらそのようだね、来な坊主」
ババアは何やら、もうどうでもいいや、そんな感じでオレのもとまでくると魔法陣、そうとしか言えない黒い光を放つ紋様を地面に浮かびあがらせてオッサンに向かって言った。
「あばよ」
そうしてオレとババアはドス黒い光に飲み込まれていく。
オッサンが必死に何かしようとしていたがババアは気にしない、
ドサッ、、、
一瞬にして視界が移り変わりオレは地面になげ出される。
どうやらまた訳のわからない場所に連れてこられてしまったようだ。
辺りには砂、そうとしか言えないほどの広大な砂漠が広がっている。呼吸をするたびに口内から水分が奪われていく感覚がする。
照りつける日差しが肌をじりじりと焦がす。
というか"魔王"ってワードがババアの口から出た直後に突然のこんな場所への移動、正直嫌な予感しかしない。
ババアはそんなオレを見てニヤリと笑って言う、
「坊主、カンがいいね。いきなりラスボスの城ってところさ、まあ老い先短いババアの投げやり自爆テロにあんたも付き合っとくれ。」
「城?城なんて無っーー」
次の瞬間、ババアはおれを肩越しに担ぎ上げると何もない空間へと突っ込んでいく。驚いたことに砂がどこまでも広がる景色が突如として歪み、巨大な岩をくりぬいて作り上げられたかのような城が現れた。
ババアはそのままの勢いで城の外壁に突っ込んでいく。
壁、壁、無数の岩盤をつき破っていく。どれほどババアが壁をくりぬいただろうか、開けた空間に出た。
想像を絶する衝撃と速度に感覚がマヒする、そんななかオレは辛うじて視界に砂埃が舞うなかで一つの影がゆっくりと立ち上がるのをとらえた。
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