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〜イサム速度超過編〜
小道
イサムとシャニカマはいつもと違うルートで下校していた。
小さな小道を抜けるルートである。
ちょっとだけ下校の時間が短縮できる事や、いつもと違う道を通るだけでドキドキなのだ。
ビュオーーーーンと、音を立て、白の軽自動車が小道するりと抜けて行く。
とっさに2人は身をかわしたが、あわや大惨事にもなりかねないスピードだった。
「あぶないなー!気をつけろー!クソバカ!」
シャニカマは怒鳴るが、当の車は見えないところまで行ってしまった。
イサムは考える。
なぜ、こんな危険な道であんなスピードを出して走る車がいるのか。
余程のバカなのか。
いやいや、実は嫁の出産間近で病院に急ぐ夫かもしれない。
もしかしたら、そういうレースが開催されていたのかもしれない。
そう考えると、シャニカマが罵倒しているのもおかしい。
イサムはシャニカマを殴った。
微妙な空気でしばらく歩くと白いドアミラーが落ちていた。




