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〜イサム噂話編〜
休み時間
「おい!知ってるか!?大スクープだぞ!」
シャニカマが喚き散らしながら教室へ入ってきた。
「隣のクラスの真壁と佳恵が付き合ってるみたいだぞ!」
しーん。
イサムもデュラ田もキノコも、他のクラスの人間を知らない。
「シャニカマ。君のゴシップってなんだかいつも弱いんだよね」
キノコが言う。
「なんだよ。そんならお前らなんか噂話とか無いのかよ???」
うーん、と考える三人。
そもそもこの手の会話というものは、キャピキャピしたグループの中で行われる、いわゆる〝リア充の会話〟なのだ。
女と話さない日が多数の彼らには、そもそも無縁だった。
「ほーら、無いじゃん。ま、お前らって浮いた話も無いような陰キャ乙だもんな」
「あ、あるよ!それぐらいさ!」
キノコが喋り出した。
「あー、言っちゃうぞー。言っちゃおうかなー? ずっと隠してたけど、俺、このクラスの田中さんと良い関係なんだよねー。」
大スクープである。
すぐさま学年中に噂が広まったのだ。
「キノコは虚言癖のあるヤバいやつ」
この噂はキノコだけ知らない。




