〜イサム自己紹介編〜
2年B組
ジャージの国語教師は、このクラスの担任も兼ねているらしい。その教師の名前はコテメン先生という。
「じゃあ、イサムくん、自己紹介して」
イサムは自己紹介を始めた。自己紹介でクラスメイトにナメられた生徒はスクールカーストの最下層となり、闇に葬りたくなる学生生活を送ることになるらしい。メンエグあたりに書いてあった。
「俺の名はイサムだ。ハナターレ王国の雇われ兵士として城入りしたのが7歳の頃だ」
クラスメートがし〜んとする。各々がイサムの言葉を解体し、少しづつ理解していく。皆、ハナターレ王国と言うワードの時点で理解は出来なかった。
「その後、腕が認められた。私はドラゴンを6匹討伐したのだ。齢12にして、だ」
イサムはドヤ顔でドラゴン討伐歴を語る。クラスメートよ、話を聞け。
「え?なになに? からの〜?」バカそうな男子生徒がイサムに口を挟んできた。
「その後、勇者となった!」イサムは自分が勇者になった事実を声高に主張した。あれは自分の人生で最良の瞬間であった。勇者の称号を国王から頂いた時、貧民街にいた両親は泣きながら感謝してくれたものだ。
どっか〜ん、とクラスメートが爆笑する。
「おい、勇者様すげーなオイ!」
コテメン先生は騒ぐ生徒たちを沈めた。
「はい、こんな感じですよ!みんな、楽しくやってくれ!授業の途中ですが、今日は自習にします!はい、早速ですがイサムくん、職員室に行きましょう」
イサムは早速、職員室に呼び出されるという経験をした。