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〜イサム花粉症編〜
校門前
トマトジュースを飲みながら、ついにたどり着いた。平凡中学。ボンチュー。イサムは今日、2年B組に転校生として登校する。
通学までに数話費やした気がしたが、イサムの知ることでは無かった。
校門の横の小さな出入り口から入る。
一歩踏み出すと、そこは、学校だった。
何もかもが新鮮だ。
きっとハナターレ王国に来た主人公たちも、こんな気分だったに違いない。
ところでイサムは、先ほどからずっと目と鼻がかゆかった。
こんな感情は初めてである。
両目を擦る。鼻も最初は優しく掻いていたが、だんだん鼻の穴に両小指を突っ込み気持ち良い角度に抉っていた。
そしてイサムは発明した。
小指を鼻に突っ込みながら、薬指で目元を擦ることが出来るのだ。花粉症に悩む諸君には是非お試しいただきたい。
イサムは校庭でそれを5分ほど続けていた。
後ほどその姿が全校生徒に見られており、あだ名が鼻パーになるのはまた別の話である。
イサム、13時に登校。不良生徒でもなんだかんだで10時くらいにくるのである。
イサムはさっそく不良に目をつけられるのであった。