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〜イサム締め忘れ編〜
登校中
イサムは自宅から学校までの中位の位置で、不安に駆られた。
(あれ・・・家の鍵、閉めたかな)
鍵を締め忘れれば、もちろん危ない。
家財道具は盗まれ、なけなしのお金は盗まれ、ノートパソコンにある違法DLの萌えアニメ所持をバラされる危険性があった。
しかし、学校は日中だ。
早ければ夕焼けのまだ明るい時間帯に帰れば、大丈夫なはずだ。まさか泥棒も日中に盗みなどしないだろう。
それに、ドロボウは緻密な計画を立て、キャッツをアイするのである。適当に盗みに来るはずがない。
仮にランダムに盗みに来たとしても、世の中の玄関の数と泥棒の数を考えれば、まぁまず宝くじよりも確率は低く、盗まれる事は無いはずだ。
だのに、この不安感。
イサムは不安で仕方ない。
理論では盗まれない、しかし、不安だ。
イサムは考える。
そもそも、世界は自分のものである。
つまり、あの扉に鍵をかけたとしても、世界は世界だ。
仮に泥棒がお金を盗んでも、お金の絶対数は変わらない。世界の金はただ地点を移動した、それだけだ。
イサムはそういったトンデモ理論で不安に打ち勝った。
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警察は散らかった部屋を見て言う。
「なるほど。カギを締め忘れ泥棒に入られた・・・しかし何一つ盗まれなくて良かったですな。」
下着泥棒は後日、捕まった。




