〜イサム脳内再生編〜
面談
イサムは担任のコテメン先生と面談を行っていた。
「来年はいよいよ受験生だが、イサム、君は将来の夢とかあるのか?」
「・・・強いて言うならば、平和な世界を創る事かな・・・」
元勇者のイサムのこの発言は、真意だ。
「強いて言わなければ?」
「最近はテレビに出ようと思っている」
最近、周りにチヤホヤされるイサムは目立ちたい願望が芽生えていた。
「そうか・・・」
コテメンは何も言えなかった。
テレビに出れる人間など一握りである。しかし、中学2年生の夢を潰すわけにもいけない。
「与島おしおを知っているか?」
与島おしおとは、海パン一丁で踊り狂うお笑い芸人だ。イサムは彼を初めて観たとき、腹がよじれて脱腸した覚えがある。
「あいつはなぁ、高学歴なんだ。つまり今はテレビに出ているが、学生時代はちゃんと勉強してきたんだぞ。イサム、テレビに出るなら勉強はしとけよ?」
イサムは真面目な会話の中で、与島おしおの踊りのテーマソングが脳内で流れ出すのを止められなかった。
テテテッ テテテッ テテテッ テテテッ ♪
「勉強しなくてもテレビに出てるタレントはいます」
テテテッ テテテッ テテテッ テテテッ ♪
「あれは一握りのバカだ。バカは潰しが聞かないんだぞ?現実的な話をしてやろう」
ウェェエエェエェェエエエェェエェイ♪
「大人になってな、やりたい事で食っていけることなんてほとんど無いんだよ。大人はみんな、挫折している。テレビは一握りの成功者が夢を見せる事が仕事だ。自分もそうなると思わない事だな。」
チントーテッシャーン♪ チントーテッシャーン♪
「先生、それでも俺は、テレビに出たい。自分の将来は自分で決めたいんだ。」
下手をしちまったぁ〜♪
「それならなぁ、先生は止めないさ」
でもでもでもでも〜?♪
「そんなの関係ないっ!そんなの関係ないっ!」
イサムは別日に改めて面談する事になった。




