◇17◇◇念願のカレーだよ!
今回は私にしては、早めに更新出来ました(*^_^*)
良かった~!
浮かれて思わず猫踊りしてます( ̄ー+ ̄)
いい加減そろそろカレーの話題から脱却したかったので。
思わず駆け足しちゃいました。
早く作中の時間軸進めたいです(T_T)
悪役令嬢の検索ワードが嘘つきにならない為に……。
頑張ります、トホホ。
それは兎も角、前回告知をうっかりし忘れてしまったので(>_<)
すみません。
前回の活動報告に小話を載せました。
気が向いた方、いらしたら覗いて見て下さいね~(((^^;)
下らない話ですが、時系列的には、16話と17話の間位なので。
◇◇◇◇
なんでこうなった?
あれから10日も過ぎた頃、漸く薬草の採取と処理を終えた。
だって丁度イイ感じに育ってた薬草は、あの時に採っちゃったから。
育成待ちしてたしね?
はぁ~~~っ。
予定より随分時間がかかっちゃってる。
まぁ、それはいい。
それはいいんだけど、僕の目の前に居る人が問題なんだよ。
今居るのは薬師の館。
薬師の休憩室も兼ねてる待機室だ。
其所には、大学の学食に有ったみたいな大テーブルが2つ。
一度に16人座れるね。
じゃあ無くて!
エレナとグラムはいいんだよ。
僕が頼んで手伝って貰ってるんだから。
何で居るのかな~?
仕事はイイのかな~?
ユーシスさん!!
待機室の続き部屋に在る簡易厨房は、前世の僕の部屋のキッチン位の広さで違和感無く使えた。
其れなりの鍋等の調理道具や魔道具の調理器なんかも充実してる。
勿論、食器も食器棚にたくさん収まってる。
そして、出入りする僕の為に高めの踏み台を、グラムが新しく用意してくれていた。
何も言わずに用意してくれるトコがグラムらしいよね?
勿論お礼は言ったよ。
当たり前だよね?
別に僕の為じゃ無くて、1番高い棚の上に置く物を取るから必要だ、とか何とか。
ブツブツ言い訳して照れてたけどね。
今迄の僕にとっては若干低い踏み台でも、薬師の皆さんは不自由していなかった訳だし。
やっぱりホントは僕用なんだよね?
僕はグラムとエレナに手伝って貰って、とうとう念願のカレー製作!
今までみたいに料理長達と厨房で作らなかったのは、多種の薬草を初めて使うから。
グラムが心配したんだよね?
副作用とかさ。
だから、先ず薬師の館で試作を作るコトにしたんだ。
先ずはムルギーカレー風に作ろうかなぁ?
ずっと、思ってたんだよね。
漁港が見えるトコに在るんだから、ベトナム風エビのグリーンカレーや他のシーフードカレーも捨てがたいけど。
ココは初志貫徹!
鶏肉さんタップリのガッツリ肉満載!
ムルギーカレー風に作るとなると骨付きブツ切りで、ワザと鶏のアクを取らないから……。
作り方は至って手間要らずでとってもシンプルなんだもん。
楽チンしたいだけ。
久しぶりにってか、生まれ変わって初めてのカレーなんだもん。
あんまり凝りすぎて失敗したく無いから。
最低限、食べられる……一応ソコソコは美味しい味に出来上がってくれたらイイかな、なんて思ったのも有るんだ。
そして、出来上がってみれば……。
仕上がり……は、ね。
カレーの色がぁ~!
カレーの色が、赤紫になっちゃったんだよ!!
赤紫に若干グレーがかった不気味色……。
……食欲失せる(泣)。
ある程度は覚悟してたけどさぁ。
ちょっとヒドイ。
本当に絶望的に泣きたくなったんだよ。
くそぅ。
それでも、気を取り直していざ実食!
イーストや他の酵母使わなくても、何とか試行錯誤で作れたナン擬きとチャパティ擬き。
これは用意しとかないとね!
後は、少々チョイ足しのトッピング食品。
こっちは全部城の厨房で料理長達に用意して貰って、籠に入れてこっちに持ち込んだ。
そう、いざ実食ってテーブルに運ぼうとした時に……いつの間にかユーシスさんがテーブルについてたんだよね。
何時もニコニコ穏やかなユーシスさんは何処から嗅ぎ付けたのか、カレーの試作をする事を知って此処に来たみたい。
ナンだかな~。
言うに事欠いて。
「私が居た方が、イザ具合が悪くなった時に都合が良いでしょう?」
だって。
信用無いのか?
それとも、カレー食べてみたいだけ?
まぁ、良いけどさ。
先日ユーシスさんも巻き込んでるし。
カレーを一般向けにも普及させたいし。
神殿サイドからの後押しって大事だよ。
準備が終わった。
テーブルについている4人の前に赤紫のカレーが盛られた皿と、ナンでもチャパティでも好みで取れる取り皿。
真ん中にはその2つが入った籠と用意しといたチョイ足しトッピング食品の数々。
お試しは必要だよ!
最初にグラムが試食する事になった。
顔が緊張して強張って、メチャクチャ恐い。
普段よりずっと恐い。
眉間のくっきり縦皺といい、睨む様に皿を見詰める眼光といい。
恐いよ!!
魔道具でちゃんと検査して問題無いのは判っているのに。
この色が……。
このカレーの見た目に勇気が要るんだよ。
最初の一口は!
「それでは、食べてみますね」
そう、宣言してグラムはスプーンに赤紫のカレーをのせて、慎重に口に運んだ。
思わず見てた僕も緊張して、手に汗握るカタチになっちゃったよ。
「うっ……」
グラムは一言呻いて、ゆっくり具を咀嚼して飲み込んだ。
僕達はグラムをじっと、見詰めていた。
どうだ?
味は?
皆の口に合いそうか?
「……大層刺激的な味ですが、食べられなくはないでしょう」
グラムはスプーンを置くと、そう宣った。
で?
どっちだよ?
不味いの?
「では、私も」
エレナが意を決した様にスプーンを口に運ぶ。
こういうトコだけエレナってば思い切りがイイんだね?
知らなかった~。
涙脆いのは身に沁みて知ってるけど。
エレナはカレーを口に入れた途端に、眼を見開いて何とも言えない顔になる。
涙目だ~。
「~~~っ!ちょっと辛いですね……」
一口を飲み込んだ後、水をがぶ飲みしてエレナはそう感想を漏らした。
う~ん、今一反響悪いのかなぁ?
くそぅ。
「では、私も覚悟を決めましょう」
穏やかに微笑みながら、ユーシスさんは先の2人と同様に一口。
そんなに覚悟が必要な訳~?
別にイイよ、食べたくないなら!
僕1人で楽しむもん。
段々落ち込んで半ば以上イジケてきた。
そぅっとユーシスさんを覗き見る。
ユーシスさんは暫く驚きを表情に表していたけど、様子を伺っていた僕を見てニッコリ笑った。
「私は好きですね、この味。人によって好みが別れるでしょうが、私は美味しく頂けますね」
そう言うと、僕を放り出してパクパクと勢い良くカレーを美味しそうに食べ始めた。
うん、ユーシスさんはほっとこ。
僕の番~っ!
やっとだよ!!
パクリ。
うん、この味。
この辛さ。
未だ未だあじの深味が足りないけど、カレーの味だよ!!
長かった~!
あ、イケナイ。
忘れるトコだった。
「エレナ、これを足して少し混ぜてみて下さい。少しは辛味が和らぐと思います。グラムはこちらを……」
僕はエレナにアプリコットに似たジャムを、グラムには生クリーム擬きを差し出した。
絶対にイケると思うんだよね。
カレーってさ。
具材によってバリエーション多いし。
ジャムに蜂蜜擬きの甘味食品や生クリームやチーズの乳製品、はたまたソースやケチャップなんかを足して、自分好みにカスタマイズ出来るし。
僕はさり気にマッシュポテト擬きとチーズをトッピングしちゃった。
うん、ウマウマ~!
おっとナンも忘れちゃダメだよね?
カレーをタップリ付けて、しっかりガッツリ頂きます!!
あ、3人に見られてる。
忘れてた。
僕はコホンと可愛く咳払いをして、イイ笑顔で一言。
「美味しいです」
あぁ、幸せ~!!
念願のカレーは美味しいですよ?
見た目さえ気にしなければね!!
それにしても、カレー食べるとやっぱり汗だくになるよね?
4人共、しっかり汗まみれになりながら完食しました。
満足です!!
後日、家族にもカレーは振る舞われました。
やっぱり好き嫌い有るかな?
なんて思ってたら、なんと皆さんペロリと完食しました。
どうやらお口に合ったようです。
因みに。
更に後日、城内の臣下用食堂でも出されたのですが。
家の家臣団や領軍の方々の約半数以上に、好評をいただきました。
そして、夏バテしてた皆様や胃腸を痛めてた皆様の症状改善にもなりました。
やっぱりね~!
この件に基づいて、当家では夏場にカレーを定期的にメニューに取り込む事になりました。
僕の野望は未だ未だ続くけどね!!
読んで下さっている皆様に何時も大感謝です(≧ω≦)b
次はもうちょっと時間が進められれば良いな、と反省してます。
序盤なのにこんなに話数使ってどうするんでしょうね(-"-;)
駄文屋なりに鋭意努力中 ……。
頑張ります……。