HR(ホームルーム)の時間
新城という少年の決闘を宣言された後、エリーナ先生が来てHRが始まった。
先生は皆に二枚プリントを渡すと説明を始める。
二枚のプリントには、『授業選択』『一年間の行事』と書かれている。
エリーナ「それでは説明します。
授業選択では2.3年生と合同で行う授業を選択します。
授業は魔法科目と剣術科目の割合を決める事ができます。
最低で二割、最高で八割までです。締め切りは明日までなのでゆっくり今日考えて来てください。
次は年間行事についてです。
一年間の行事では大きく分けて、
学校内の個人順位を争う『校内ランキング戦』、
ランキング戦の上位10名が校内代表を決めるための『夏の選抜合宿』、
校内代表が出場する、各チーム代表がプレスィング王国のトップを目指す『魔法大会』
そして、国が開催する祝典行事『魔法祭』
この4つがあります。
どれも毎年盛り上がりのある大会です。
また、今日はこの後、特に授業はありませんので自由に校内を見回って構いません。
有意義な時間にしましょう。」
エリーナ先生はそう言い、立ち去ると、翼と光はとりあえず見回りをしよう。となったので、歩きながら話していた。
光「そう言えば翼。アリサさんとどういう関係なの?」
さっきも同じこと聞いた人がいたなぁ~と思いながら話す。
翼「いやぁ、中学ぐらいから鍛えて貰っててさ。」
光「あのアリサさんに!一人も弟子したとこがないんだよ!すごいよ!」
光が大きな声で話すもんだから周りがこちらに視線を向ける。
光はそれに気付いたのか、少し恥ずかしがって縮こまる。
翼「まぁ、昔色々あってな。」
光は少しだんまりとした。翼はあまり過去の事を言いたくないらしく、いつも決まり文句として言っているのだ。
晃「へぇ、偉大な魔法使いが貧乏野郎に教えていたとはな。一体どれだけ金を振り込んだんだ?」
翼の背後で聞こえる。憎たらしい声に、二人は立ち止まる。嫌々振り替えると他にも男が三人ほどいた。
光「ちょっと、いきなり何!失礼じゃないの!」
光が反論すると、男三人が詰め寄ってくる。
男1「んだと!お前、新城財閥を知っているのか?晃様はその御曹司だぞ!」
男2「お前達みたいな凡人どもとは違うんだよ!」
男3「おい、こっちの男の方はびびってだんまりか?偉大な魔法使いもバカだよな、こんなびびりに教えるなんてな!」
「実は俺らもなれんじゃねーの」とゲラゲラ笑う男三人と光が言い争っていると、翼はピクリと反応した。
そして、ゆらりくらりと相手に近づく。光や晃が気付いた時には、男三人は全員3~4mほど突き飛ばされていた。
見ていた周りの人も騒然とする。
翼「あぁ、悪い手が滑った。まさか、凡人の素手の攻撃が当たるなんて思わなくてな。すまん。」
男三人はポカンとしている。たった一瞬であんな芸当が出来るのだろうか。
翼は新城を見やると、一言告げて行く。
翼「決闘楽しみだな。」
その言葉は殺気や怒気と共に放たれ、人混みと共に消え去った。
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アリサ「それで、新城 晃の決闘を正式に請け負ったんですか?しかも、その前に生徒を三人盛大に吹っ飛ばして。」
翼「返す言葉もございません。」
翼は何故か数時間前の様に正座をさせられている。光はこの異様な光景に緊張しつつも、唖然としている。
アリサ「そう、じゃあ今日の反省は?」
翼「相手をもう4~5m吹っ飛ばせばよかった。ーーー「違う!」」
アリサは鋭いつっこみをして、大きくため息を尽くと光の方と話す。
アリサ「あなたが光ちゃん?」
光「あっ、はい!何故わたしを?」
光が聞くとアリサは微笑みながら、正座をして、辛そうな翼を見て答える。
アリサ「あの子、友達なんて出来たこと全然ないのよ。
でも修行中たまたま彼の口から出てきた名前があなたなの。初めは驚いたわ。」
光はその事を聞き、少しはずかしそうにする。すると、翼は立ち上がって近づき、怒りぎみで話す。
翼「失敬な、友達位たくさんいるぞ。」
アリサ「名前言ってみな。」
翼「え~と、光にアリサさんに…………………………ジーク?」
光が聞いた事のない名前に?を浮かべると、アリサが更にため息をつく。
アリサ「ジークはドラゴンでしょ…それ含めても三人よ。
もー良いわ。友達いないのは分かったから。明日の試合はどうなの?」
アリサが質問を変えると翼は鼻で笑う。そして、アリサに自信満々に言った。
翼「愚問だな。決まってるだろ
話にならない相手さ。」
光は安堵した表情で、アリサは小さく微笑み、立ち去る翼を見送った。
そして、
光「翼は昔何があったんですか?」
小さな歯車が動きだすと共に、災いを引き起こすパンドラの箱が開いてしまう。
翼「……友達増やさなきゃな」
少年の気付かぬ内に……