第一部
※R指定
(文中に性的な表現が含まれておりますのでご注意下さい)
ネ・・・・ネボスケ
長・・・・長老
若・・・・若頭
鶴・・・・鶴亀
・・・・はっ!
こ、ここはどこだろう・・・・?
・・・・あれ?
ぼ、僕は・・・・・僕は誰なんだ?
そして・・・・・僕はなぜ走っているのだろう・・・・?
うぉぉおおぉ!熱い!!・・・・身体が焼けるように熱い!
いったいどうなっているんだ?!
長 「ようやくお目覚めじゃな、ネボスケ。」
隣で併走していた老人が話しかけてくる。
ネ 「あ、あなたは?」
長 「わしか?わしは、おぬしを導く者じゃ。」
ネ 「導く・・・・?僕を?どこに?」
長 「ふっふっふ。」
ネ 「ハァハァ、それより何なんですか、この熱さは?それに僕らはなぜ走っているんですか?!」
長 「おーっと、決して足を止めてはならんぞ。」
ネ 「ハァハァ、そう言われましても、身体が溶けるようなこの熱さ、とても走ってなんかいられませんよ。」
長 「まわりを見てみい。」
ネ 「え?」
長 「ほれ、実際に溶けている者もおるじゃろ。」
周囲を見渡すと、そこには自分と同じ姿をした者たちが無数にうごめいていた。ある者は「助けてー!」と泣き叫び、またある者は「死にたくないー!」と命乞いをしていた。そして足を止めて休んだ者は一瞬にして身体を業火に焼かれ、溶けていっていた。それはまさに、混沌と阿鼻叫喚の地獄絵図であった。
ネ 「ハァハァ、どうなってるんだ・・・!?僕は地獄に来てしまったのか・・・?!」
長 「地獄か。なるほど。確かに地獄と言えなくもない。ふっふっふ。」
ネ 「ハァハァ、それにしてもおじいさん。あなたはこんな状況下なのに、随分余裕な顔をされてますね・・・・。信じられない。」
長 「そうかの?まあ、まだ始まったばかりだしのう。」
ネ 「ハァハァ、始まったばかり?」
長 「それとわしは、みなから『長老』と呼ばれておる。以後、おぬしもそう呼びなされ。」
ネ 「ハァハァ、長老ですか。」
長 「みな、わしを年寄り扱いするでな。」
ネ 「ハァハァ、あのう、長老、一つ気になることがあるんです。」
長 「なんぞ?」
ネ 「ハァハァ、他人のあなたにこんなことを聞くのはおかしな話ですが・・・・ハァハァ・・・・僕は、誰なんですか?」
長 「ふっふっふ。」
ネ 「誰なんですか、僕は?!」
長 「もうまもなくじゃ。」
ネ 「え?」
長 「まもなく、おぬしは自分が何者であるか、そして自分の宿命を悟ることになろう。」
ネ 「ハァハァ、知ることになるって言われたって・・・・。う、うわーーー!!」
長老にそう言われた次の瞬間、目の前が真っ白になり、僕の頭に強烈な痛みが走った。その痛みを例えて言うなら、そう、落雷を脳天にくらったようなそんな強烈なインパクトであった。
ネ 「あ、頭が割れるぅぅぅーーー!!」
長 「落ち着け。大丈夫じゃ、死にゃせん。足を止めるでないぞ。」
ネ 「ハァハァ・・・・ハァハァ、な、なんだったんですか、今のは?!」
長 「『覚醒現象』じゃ。」
ネ 「覚醒・・・・現象?」
長 「どうじゃ?自分が何者であるか、わかったじゃろ?」
ネ 「は?そんな、まさか。」
長 「もう一度ゆっくり考えてみるんじゃ。」
僕は半信半疑ながらも、自分が何者であるかをもう一度考えてみることにした。すると!
ネ 「あれ?!なんだこれ!わかる!わかります!自分が何者なのか、そして自分が何をすべきか!見える!!わはっ!すごい!」
某年12月24日の夜、ある男とある女がとあるベッドの上で『メイクラブ』を行なっていた。そのメイクラブが佳境に入り、男が『女の中』で『フィニッシュ』を迎えた瞬間、僕の人生は『スタート』した。そう、僕はその際に放出された約二億四千万匹の『セイシ』の内の一匹だったのだ。
長 「我々セイシのDNA に組み込まれている『本能』により、先ほどのような覚醒現象が引き起こされ、我々は瞬時に自らの宿命を悟るのじゃ。」
ネ 「そうなのですか。・・・・不思議なものですね。」
長 「どうじゃ?人生の目的がわかった瞬間に幾分か『チカラ』が湧いてきやせんか?」
ネ 「そういえば、さっきはあんなに息切れしていたのに、あまり苦しくない!」
長 「そう、それがモチベーションという名のチカラじゃよ。」
ネ 「目的意識が僕らセイシを強くするんですね。ですが、この熱さはやはり耐え難いものがあります・・・・。これが女性の『あの中』だというのは信じられません。」
長 「我々はここのことを『シーワールド』と呼んでおる。」
ネ 「シーワールド・・・・。」
長 「シーワールドは我々セイシにとって試練の場じゃ。まあ先ほどおぬしも言っておったが、地獄と呼ぶ者もおるでな。」
ネ 「地獄って、人間が死んでから行く場所だと思ってましたが、人間が生まれる前に通る場所だったんですね。」
長 「うむ。うまいことを言うのう、おぬし。」
シーワールド・試練の道。それは僕らセイシにとって途方もなく長い道のりであった。例えて言うなら、アリンコが万里の長城を歩き続けるが如く、である。覚醒現象により、一時的に息を吹き返した自分も徐々にその体力を奪われ、限界を迎えようとしていた。
ネ 「長老、いったいこの道はどれだけ続くんですか?」
長 「さあのう。」
ネ 「僕、もうだめです。」
長 「しっかりせい。ゴールは必ずあるんじゃから。」
ネ 「そんなこと言われても、身体が言うことをきいてくれないんです・・・・。」
長 「立ち止まったら死ぬぞい。」
ネ 「どうして?!」
長 「ほ?」
ネ 「どうして、僕らはこんな目に遭わなければならないんですか?!」
長 「どうしてと言われても、のう。」
ネ 「地獄って悪いことをした人間が行くとこでしょ?僕らが何したって言うんですか?」
若 「ケッ!さっきから聞いてりゃ、甘っちょろいことばっかぬかしやがって。」
ネ 「だ、誰だ?」
二匹の会話に突然入り込んできた一匹のセイシ。
若 「おい、そこの貴様、ここが地獄だって言うのか?」
ネ 「と、当然でしょ!だって、この熱さ、そしてこの長さ。まわりのセイシ達がうめき声を残して次々と死んでいくこの光景。これを地獄と言わずして、何を地獄と言うんですか?!」
若 「それが甘えって言ってんだよ。貴様、セイシ達がたどる様々な悲劇の運命を承知してないとは言わせねえぞ?」
ネ 「ど、どういうことだ?」
若 「ふん。一度しか言わねえから、耳の穴かっぽじってよく聞いとけよ。」
ネ 「くっ!」
若 「オレらセイシのほとんどは、『外』で放出されて朽ち果て、また『ゴム』の中で放出されて朽ち果て、あるいは『ティッシュ』の上に放出されて朽ち果てる運命にあるんだよ!」
ネ 「!」
長 「まあ、『口の中』に放出されて朽ち果てるセイシもおるがのう。」
若 「・・・・。とにかくだ!無数の諸先輩方がその儚い人生を一瞬で終えていった中、オレらは幸運にも『この中』で放出され、今まさにこのシーワールドで目的に向かってこの命を燃やせているんだ!」
ネ 「!!」
若 「セイシがここに到達できる可能性たるや、天文学的確率の低さだ!幸運中の幸運。まさに奇跡と呼ぶにふさわしい。」
ネ 「奇跡・・・・。」
若 「つまり、ここは地獄なんかじゃねえ。ここは『天国』なのさ!!」
ネ 「はっ!!」
長 「そうじゃのう。そう考えれば、確かにここは天国じゃ。地獄でもあり、天国でもある。そういう神秘的なところというわけじゃな。」
若 「ちったあ、わかったか?」
ネ 「たしかに・・・・たしかに僕は何もわかっていなかったようです。ここに来られたことの幸運を。」
若 「今度オレの前で甘っちょろいことを言いやがったら、オレがこの手で貴様をぶっ殺してやるよ。覚悟しときな。」
ネ 「・・・・。(ゾクッ)」
長 「ふっふっふ。さすが『アタッカーセイシ』の隊長。威勢がいいのう。」
若 「さあて、そろそろ『やつら』のお出ましする頃だな~。」
長 「おお、そういえばそうじゃのう。」
若 「軽~くひと暴れしてきてやりますよ。おい!行くぞ、てめえら!」
アタッカーセイシ達「おおー!!」
僕に説教をしてきたあのセイシは、他のセイシ達を引き連れて遥か前方に突き進んでいった。
ネ 「あのう、長老。」
長 「なんじゃ?」
ネ 「今のあのセイシはどなたなんですか?」
長 「あやつは、アタッカーセイシの隊長で、みなからは『若頭』と呼ばれておる者じゃ。」
ネ 「若頭・・・・ですか。それで、そのアタッカーセイシというのは何なんでしょうか?」
長 「むむ?それがわからぬということはおぬし、さてはまだ完全に覚醒しきれていないのか?」
ネ 「う~ん、どうやらそのようです。」
長 「では仕方あるまい。わしが教えてやろう。まずは我々セイシの役割についてじゃ。」
ネ 「役割?役割はもちろん、『あのゴール』を目指すことですよね?」
長 「少し異なるのう。セイシとひとくちに言ってもその役割は三つのタイプに分かれるんじゃ。」
ネ 「三つ?」
長 「うむ。ひとつはアタッカーセイシと呼ばれ、敵を殺すことを役割とするセイシ達。別名『矛のセイシ』じゃ。」
ネ 「矛のセイシ・・・・。」
長 「もうひとつは『ブロッカーセイシ』と呼ばれ、敵の攻撃を防ぐことを役割とするセイシ達。別名『盾のセイシ』じゃ。」
ネ 「なるほど。」
長 「最後は『エッグゲッターセイシ』じゃな。」
ネ 「エッグゲッターセイシ・・・・。」
長 「これはその名の通り、ゴールを目指すことを役割とするセイシ達じゃ。」
ネ 「そうだったんですか。全員がゴールを目指すわけではないんですね。」
長 「うむ。こう見えてセイシの世界もチームプレーがものを言う世界でのう。」
ネ 「たしかに、この地獄のようなシーワールド、一匹のチカラで突破できるほど甘くはなさそうですもんね・・・・。」
長 「そうじゃの。それでちなみに言っとくが、わしはブロッカーセイシに属するセイシで、おぬしはエッグゲッターセイシに属するセイシじゃ。」
ネ 「僕がエッグゲッターセイシ?」
長 「エッグゲッターセイシは、おぬしのように比較的幼く、覚醒し切れていないセイシが多いもんで、わしのような年配のブロッカーセイシが付きっ切りで面倒を見ることになるというわけじゃ。」
ネ 「それでずっと僕の隣を併走してくれていたんですね。」
長 「年寄りにあまり苦労をかけるでないぞ。ふっふっふ。」
・・・・とその時、周囲ではアタッカーセイシと思われるセイシ達が、僕らとは姿形が異なる何者かと戦いを繰り広げている光景が僕の目に入ってきた。
ネ 「あれが僕らの敵ですか?」
長 「そうじゃ。まあなんと言うかのう。この辺りまで来るとこの熱さに順応するセイシ達が増えてきよる。おぬしも慣れてきたんではないか?この熱さに。」
ネ 「ええ、たしかに最初の時に比べれば、耐えられる熱さになってきたような気がします。」
長 「じゃろう。セイシとしてワンランク成長したんじゃ。」
ネ 「本当ですか?それはうれしいです!」
長 「熱さに耐えた我々セイシの次の試練がやつらじゃ。」
ネ 「やつらは何者ですか?」
長 「ここシーワールドの番人。通称『白い悪魔』じゃ。」
ネ 「白い悪魔・・・・。やつらはなぜ僕らを襲うんですか?」
長 「なぜ?・・・・ふっふっふ。」
ネ 「?」
長 「いやすまんのう。そんなことを聞いてくるセイシはおぬしが初めてだったもんでのう。」
ネ 「はあ・・・・。」
長 「やつらが襲ってくる理由か・・・・強いてあげるなら、それは我々がこの世界において招かれざる客じゃからかのう。」
ネ 「招かれざる客?僕らが?」
長 「うむ。この世界の平穏を乱す異物、侵入者。その我々を排除しようとするのは、やつらにとっての正義ということじゃ。」
ネ 「そんな~。こんなに命がけでがんばっている僕らを排除するのが正義だなんて、あんまりですよ。」
長 「ふっふっふ。そんな甘っちょろいことを言っておると、若頭に殺されるぞい。」
ネ 「!(ビクッ)」
長 「『理由』など、我々にとってそれほど重要なものではないわ。我々は本能のままに前へ突き進み、それを阻む者を本能のままに打ち倒していく。それがセイシというものじゃ。」
ネ 「(ぼそっと)やっぱりここは地獄でしょ、どう考えても・・・・。」
前へ進むごとに白い悪魔の数は増えていった。
ネ 「本能のままに・・・・僕も、戦わなければならないのか・・・・。」
鶴 「ネボスケ君は戦えへんよ。」
ネ 「え?」
突然後ろから話しかけてきた一匹のセイシ。
ネ 「君は?」
鶴 「僕?僕は『鶴亀』言うセイシですわ。」
ネ 「鶴亀君、どうして僕は戦えないの?」
鶴 「ネボスケ君はエッグゲッターセイシやからなぁ。」
ネ 「それはさっき知ったけど。」
鶴 「あんな、エッグゲッターセイシっちゅうんは、戦闘能力がゼロやねん。」
ネ 「ゼロ?」
鶴 「そうやで。エッグゲッターセイシが戦いに行くゆうことは、殺されに行くゆうこっちゃ。」
ネ 「じゃあ、あの白い悪魔に襲われたらどうすればいいの?!」
鶴 「・・・・まあ、逃げたらええんちゃう?」
ネ 「逃げる?!・・・・僕は、逃げることしかできないのか・・・・。」
鶴 「あはは。そない心配せんでも。そのためにアタッカーとブロッカーがおんのやから。」
ネ 「そうだけど・・・・。でも自分の身を自分で守れないというのはとてつもなく不安というか。」
鶴 「まあ、そうやな。僕もエッグゲッターやから、その気持ちはわからんでもない。」
ネ 「鶴亀君もエッグゲッターセイシだったんだぁ。」
鶴 「なんや思っててん?」
ネ 「いや、なんやとも思ってなかった。会ったばっかだし。」
鶴 「ぷっ!・・・・おもろいやっちゃな、君。」
アタッカーセイシと白い悪魔との壮絶な戦いは続いていた。僕らはブロッカーセイシに囲まれながら、その戦いをただ見守ることしかできなかった。
鶴 「あ~あ、僕もアタッカーやったらなぁ、今頃白い悪魔共をバッサバッサとぶっ殺してんけどな~。」
ネ 「僕も戦うのは怖いけど、こうして見守ることしかできないっていうのは、なんだかとても歯がゆい・・・・。」
鶴 「せやろ。でもな、ネボスケ。僕はエッグゲッターとして生まれてきたこと、全然後悔してへんで。」
ネ 「どうして?」
鶴 「エッグゲッターはゴールに到達することを目的としたセイシや。」
ネ 「うん。それはさっき聞いた。」
鶴 「つまりや。人間になれる可能性があるのは僕らエッグゲッターだけっちゅーこっちゃ。」
ネ 「なるほど。確かにそうなるね。」
鶴 「エッグゲッターはセイシの中のセイシ。『ミスター・セイシ』なんや!」
ネ 「ミスター・セイシ・・・・。そう言われるとなんだか僕もエッグゲッターに生まれてきてよかったと思うよ!」
鶴 「せやからちょっとぐらい弱っちくても関係あらへん。」
ネ 「そうだね。でも、なんで僕らエッグゲッターしか人間になれないんだろう?」
鶴 「『受精能力』や。」
ネ 「受精能力?」
鶴 「『玉姫様』と融合を果たすときに必要な能力のことや。これは基本的にエッグゲッターにしか身に付かんらしいで。」
ネ 「玉姫様?」
鶴 「・・・・。自分、ほんまなんも知らんなぁ。ちゃんと覚醒したんか?」
ネ 「う~ん、それがよくわからないんだ・・・・。」
鶴 「しょ~もな。あんな、僕らの最終目的地である『子宮殿』におわす玉姫様と僕らの誰かが融合を果たして人間になるんや。」
ネ 「・・・・それはなんとなくわかってた。」
鶴 「わかってたんかいっ!」
ネ 「ただ、玉姫様とか子宮殿とかいう呼ばれ方してるのを知らなかったんだ。」
鶴 「そういうことかい。でもな、これはセイシにとっての絶対的存在理由や。基本中の基本や。完全把握は必須やで。」
ネ 「・・・・うん。」
鶴 「・・・・ほんまにわかっとんのか?ネボスケはほんまにのんびりした性格しとんな。」
白い悪魔の執拗な攻撃は止むことがなかった。しかし、こちらも伊達に灼熱地獄を耐え抜いてきたわけではなかった。精鋭のアタッカーセイシ達の攻撃力、そしてブロッカーセイシ達の鉄壁な守りをもってして、僕らは白い悪魔の群れの中を着実に突き進んでいった。
鶴 「暇やろ?」
ネ 「え?」
鶴 「暇やんな?」
ネ 「まあ、暇と言えば暇だけど、みんな必死で戦ってくれてるのに、暇だなんて言うわけにはいかないっていうか・・・・。」
鶴 「ぷっ。真面目かっ!そんなことわかっとるっちゅーねん。ちゃうねん。こうしてみんなが戦ってくれてる間に、僕らエッグゲッターもやる仕事があるんや。」
ネ 「え、だって僕らの仕事は玉姫様と融合することだけなんじゃ?」
鶴 「それは最後の話やろ。今や!今僕らが何をすべきやと思う?」
ネ 「うーんと・・・・わからない。」
鶴 「ちっとは考えろや。あんな、今僕らがすべきこと、それは・・・・、」
ネ 「それは?」
鶴 「夢を思い描くことや!!」
ネ 「夢?!」
鶴 「そうや!夢や!!」
ネ 「夢って・・・・なに?」
ずっこける鶴亀。
鶴 「あほ!こけさすな!」
ネ 「ごめん。」
鶴 「まあええわ。もう、慣れたわ。あんな、夢いうのはこの場合、自分が人間になってどないなことしたいかを考えるっちゅーこっちゃ。」
ネ 「人間になったらどんなことをしたいか・・・・を考える?」
鶴 「そうや。素敵やろ。」
ネ 「そんなこと、考えたこともなかったよ。」
鶴 「まあ、並のエッグゲッターでは、ここまで考え至らんやろな。」
ネ 「でもちょっと早過ぎるような気がするんだけど。」
鶴 「あほか。早過ぎることあらへん。僕はエッグゲッターにとって最も大事なことや思うで。」
ネ 「そうかなぁ。」
鶴 「ま、実を言うと、僕も長老に教えてもらうまで気づかんかったけどな。」
ネ 「長老に?」
鶴 「せや。長老はなんでも知ってはる生き字引のようなセイシや。ただのじじいとちゃうで。」
長 「ん?なんか言うたかのう?」
鶴 「いえいえ、長老はすごいセイシや言うてネボスケに教えてたんですわ。」
長 「そうか。ブロッカーをかいくぐって白い悪魔がおぬしらを襲ってくる可能性もある。警戒を怠るでないぞ。」
鶴 「了解!・・・・・・で、ネボスケ。さっきの話の続きやけど。」
ネ 「セイシにとって、夢を思い描くのは大事なことだという話だね。」
鶴 「そやそや。ネボスケはまだ夢を持ってないんやろ。」
ネ 「うん。」
鶴 「よっしゃ。じゃあ特別に僕の夢を教えたるわ。参考にしたらええ。」
ネ 「鶴亀の夢?あんまり興味ないけど、でも聞くよ。せっかくだから。」
鶴 「ここは嘘でも『興味津々だよ~!』とか言っとけ。あほ。まあええわ。僕の夢はな・・・・、」
ネ 「・・・・。(ごくっ)」
鶴 「僕の夢は、『大女優になること』や!!」
ネ 「!!」
つづく




