表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
汚濁  作者: 夜砂昏
March
1007/1010

episode.『03月14日(土)』



何もしてあげられて来なかったから


その穴埋めをするように


君に振り向いてもらいたくて必死なのさ



      ※



誰かに好かれたいんじゃない


いなくなった君が戻って来てくれること


それを僕はいつまでも願ってる


あの頃に戻りたいのかもしれない


それでもあの頃には戻れないのかもしれない


ただ僕は君に会いたいんだ


たとえそれが最後になったとしても


あの日を最後にしたくないんだ



      ※



世界を見て


無自覚にあの頃をちっぽけだと


もう見向きもしないなんてのは


全然構わないのです


それほど世界があなたにとって美しいものだった


ただ過去との邂逅に踏み切り


こっちの方がいいと戻って来てくれたなら


僕はより一層、喜べるというもの


もう寂しくないのだと



      ※



君が幸せでいてくれることが一番なのですから


それでも寂しくないと言ったら嘘になる


僕はただ隣で笑ってくれる君の笑顔が好きだった


それを自覚するのに何年もかかってしまったけれど


もう手遅れかもしれないけれど


僕はまだ君の中に僕がいることを信じたいのだ



      ※



きっと今までの気づきを


馳せてきた思いを


僕は1割も口にできない


たぶんいつまでもあなたが知る自分でいようとする


腹を割って話すなんて芸当ができなくなってしまったから


だからきっと


あなたの目にはさぞつまらない人間がいることでしょう


あなたは何も変わらない


不変という退屈な人間として



      ※



変わらない安心感こそが売りだと思っていたけれど


どうやらその不変を好むのは


僕の周りで僕だけだったみたいなのです


昔からお爺ちゃんみたいだと言われていた所以が


少しだけわかったような気がします



      ※



僕だけというのが


何よりも辛かった


僕は君たちと


仲間と書いてルビはトモダチと読むような


そんな関係でいたかった



      ※



ふと零したくなった願望を


人の目に触れるところに出してしまうと叶わなくなる


だからハッとして


言わなくなるのが常なんです


やるなら黙って結果で示せ


それをモットーに


秘匿と寡黙を貫き続けている



      ※



思いだけは触れるところに置いておかないと


何も伝えてくれなかったから


答えの出ない問に悶々と自己補完するなんて


残った人たちに悪いじゃないですか


だから教えられることは全部残しておくんです


自分が忘れたくなくて残しておいた記憶と知恵と教訓の全てを


僕という一人の人間を構成していた全てを



      ※



人を好きになってもならなくても辛くなるから


関わらないよう自身を隔離する


人里離れた場所から人の世の行く末を見届ける神の如く


助けたいと思ったら気まぐれで救いの手を差し伸べる


もしかしたら本当に


神様の気持ちはこういうことなのかも知れない



      ※



人が思っているより忙しいけれど


人が思っているより暇である


何が言いたいかというと


やることは多いがペースが遅い


そのくせ体力はない方で


それをメンタルでカバーしているタイプなので


のんびり休んでいる時間の方が多い


急いでしまうと体調を崩す


早めたいのはやまやまなんだけど追っつかない



 ――たとえいなくなったとしても、

  貴方を案じています――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ