箱庭の世界
これ、ベルの口調どうしようか。女言葉というか、最近のリベラルにわたくしついていけませぬわ。
「今日はいい天気。」
ベルは風に髪を揺らされながらそう呟いた。
晴れた空。雲一つない青色の空に中央の巨大な樹木が際立って見える。
「...住んでいた所って、巨大な木をくりぬいた場所だったんだ。」
「そう。昔.....ずいぶん昔に私の為に作ってくれた。私がここに満足してここから出ないように。」
「....ここから出ないように?ここに閉じ込められているのか。」
「そう。私はここから出てはいけない。私がいるから他の人は死ぬ。私がいるだけで死ぬ人が居る。
だから私はずっとここにいる。」
普段無表情なベルの顔にほんの少しだけ陰りが見えたような気がした。
「....なにを言っているんだ。現に俺はキミを前にして生きているじゃないか。詳しい状況は知らないけど、それだけは間違いないと思う。」
ちょっと説明が長かったかなと唯は思った。彼は長話をして怒らせたことがある。だから怒らせたかなと思いベルをちらっと見つめると、彼女は特段気にしてはなさそうだった。
「そう、確かに。私、貴方が特別な存在なんじゃないかって思うときがある。」
「それは、どういう風に?」
唯はベルに好かれようといいリアクションをしようとした。
しかし、何をすればいいのか分からなかった。
「第一に、貴方がここに来れたことに、とてもびっくりしている。」
ベルは無表情で人差し指を唯にむけた。
「そ....そうか。」
唯は少し考え込むと、正直に話してみるかと思った。
「.....実は、俺は何でここに来たのか覚えていないんだ。俺が...。」
とここまで言って唯は我に返った。以前自分の話をするときに話しすぎといわれたことがある。自分で勝手に話し続けることは可能だが、相手の話したい事を聞くことが出来ない。相手は話したいのかもしれない。そう思うと、唯はベルに質問することにした。
「...いや、俺の事はどうでもいいんだ。それよりも今何処に向かっているんだ?」
「なに...?適当に回りを歩いているだけ。」
「周りって、もう結構歩いている気がするけど。」
唯たちは草原の中に居た。後ろ側にそびえたつ巨大な樹木。そして、今居る草むら。目の前には、木が生い茂る森林地帯が広がっていた。
「...ごめん。行き過ぎた。」
「...あぁ。まあなんかそんな気がしたよ。」
唯はほんのちょっと笑いながら、引き返そうとする
「...。私は」
「.....?」
ベルは立ち止まり、目のまえをじっと見つめた。目の前には何もないように見えた。
「....なんでもない。戻ろ?」
ベルは振り返ると相変わらず無表情で、来た道を引き返そうとする。
___まるで生気のない人形みたいで怖いな。と、初めて唯は美しい以外の感情をベルに向けた。
「...あ。あぁ。」
ベルの不穏な空気に口を挟めないまま、
唯は大人しくベルについていった。
後書きです。書いてて思ったけどヘタレ主人公です。




